ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論現代型のスイングに回転軸は存在しない

2018.07.19

ゴルフスイングには、体を回転しながら腕を上下に動かす「ヨコ回転系」と、前傾姿勢をキープしながら直線的にクラブを振り抜く「タテ回転系」の2つに大別されますが、世界のトップ選手の多くがタテ回転系であり、こちらが現代型スイングといっても構わないと思います。

現代型の「腕を振り上げない」スイングで重要となるのが、アドレスの前傾姿勢をキープすることです。前傾姿勢が保たれていれば腕は自然に元の位置に戻るので、オートマチックにボールをとらえることができる。つまり再現性に優れるということで、これは欧米の強い選手の特徴といってもいいでしょう。また、イマドキの重心距離の長いクラブにマッチングがいいスイングともいえます。

ところが多くのアマチュアは、ダウンスイングで体が起き上がってしまいます。腕を上げ下げするタイプのスイングならそれでも構いませんが、「腕を振り上げない」スイングだと、ボールに届かなくなるのでミートするのが難しくなります。そこで手元を引き上げたり、アーリーリリースしたり、といったアジャストが必要になってくるのですが、いずれにせよスイングのクオリティが下がってしまい、コースでのパフォーマンスは落ちます。

こうしたことから、前傾姿勢のキープは現代型のスイングにとって非常に重要な要素といえますし、こういうタイプのゴルファーには回転軸という意識はなく、むしろ回転しないで直線的にクラブを振り抜く意識のほうが強いものです。軸の意識に代わるものとして前傾キープの意識があるということですね。

この、アマチュアにはとても難しい前傾キープを覚えるために絶好のドリルがあって、それは何かというとクロスハンド打ちです。右打ちの場合、通常はアドレスしたときに右手が下、左手が上になるようにクラブを持ちますが、これを上下入れ替えて右手が上、左手が下になるように持ってボールを打つドリルです。やってみるとわかりますが、体が起き上がる癖がある場合はまったくボールに当たりませんし、当たっても右に飛んでしまいがち。ジャストミートするためには前傾姿勢をキープし、ハンドファーストにとらえ、シャフトを軸にフェースを回す必要があります。つまり、スイングにおいて重要な3つの要素をすべて行わないとボールをとらえることができないということであり、逆に言えば、できるようになれば大幅にレベルアップできます。

左右の手を上下入れ替えたクロスハンドグリップで打ってみよう。自然に左サイドのリードで動くようになるし、ハンドファーストインパクトの形が作りやすいはずだ。

切り返しで胸郭を左に動かすようにすると、前傾姿勢をキープしたままダウンスイングが行える。ボールが右に飛ぶようなら左手でシャフト軸を左に回してフェースターンしよう。

練習ドリルはこのクロスハンド打ちのように、正しい動作を行わないと結果が伴わないものが効果的です。切り返しを胸郭から動かすことで体が起き上がらなくなりますし、左のお尻が後ろに引かれることで、ハンドファーストの形を作ることができます。これ以外の動作でジャストミートすることは難しく、つまり誤魔化すことができないというわけですね。なかなかうまく打てずツラいかもしれませんが、現代型のスイングをマスターするためには避けられない道なので、根気よく行うことをおすすめします。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

イラスト:橘田幸雄

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