ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ゴルフスイング最大のコツはコレ!
正しいインパクトの覚え方

2018.06.21

ゴルフを上手くプレーするための最大のコツとは何でしょうか? そんなの1つに絞れるわけがないと思うかもしれませんが、実はそうでもなく、プロや上級者が必ず行っているアクションが存在します。スイング理論はいろいろありますが、タテ振りであれヨコ振りであれ、70台前半で回ってこられるゴルファーのインパクトはほぼ同じ形をしていて、手がクラブヘッドよりも前(ターゲット方向)にあります。つまり、ハンドファーストにインパクトしているのです。

良いハンドファーストと悪いハンドファースト

(左)ハンドファーストにとらえても、右手に押し出されて左ヒジが曲がってしまうとエネルギーをロスしてしまう。
(右)両腕が伸びてなおかつ手元がボールの左にあればハンドファーストにインパクトできているといえる。

このハンドファーストインパクトができるようになると、ゴルフが変わるといっても過言ではありません。アイアンはビシッ!とダウンブローに打てるからダフりのミスが少なくなるし、インパクトロフトの誤差が少なくなるので距離が安定します。つまり、いつも番手通りの適正な距離を飛ばせるようになるのです。アプローチショットではボールがフェースに食いつくようになるので、しっかりとスピンがかかり、キュッ!と止まる球になります。要は、憧れのプロのようなプレーが可能になるというわけです。

ところがハンドファーストにインパクトするのは、そう簡単ではありません。なぜかというと、それは人間の体の構造に要因があります。インパクトしたときにボールよりも左に手がなければならないわけですが、右手をその位置まで持っていくのは体の構造上不自然なのです。右手は右肩を支点にして動き、左手は左肩を支点にして動きます。左肩はもともとボールよりも左にあるので、左手をボールの左に持っていくのはさほど難しくはありません。しかし、右肩はボールより右にあるので、右手をボールの左に持っていくのはけっこう大変な作業なのです。だから多くのアマチュアは、手がボールよりも右にある状態でインパクトしてしまいます。「すくい上げたい」という気持ちのせいもあるのですが、物理的に難しいという側面もあるのです。こうなるとダフリやすくなるし、ロフトは寝てしまうから距離が出ない、この不安定さゆえにビッグスコアは決して出ないのです。

では、どうすればハンドファーストにインパクトできるようになるのでしょうか。オススメの方法は、左右別々に動きを覚えることです。使うのはウェッジで、これを片手ずつ打つ練習をします。まずは左手でウエッジを持ち、20ヤードのアプローチショットを打ちます。ポイントは、インパクトするときにしっかりと手をボールの左に持ってくること。ヒジは曲げずに、甲を張れたらなお良しです。そして右手も同様に、手がしっかりボールの右に来るようにインパクトしましょう。おそらくこちらのほうが難しいと思いますが、根気よく続けてボールがフェースに乗る感覚のインパクトを覚えてください。左右別々にできるようになったら、両手でもできるはずです。左右の腕が伸びていて、なおかつハンドファーストにインパクトできるようになった暁には、別の景色が見えていると思いますよ。

片手打ちでハンドファーストインパクトを覚える

(左)支点となる左肩はボールよりも左側にあるのでインパクトで左手をボールの左に持って来るのはそう難しいことではない。
(右)支点となる右肩がボールの右にあるため、右手をボールの左に持って来るのはかなり不自然な動きで強い意志がないとできない。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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