ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論プロは切り返しでクラブから何を
「もらう」のか?

2017.10.05

プロゴルファーが切り返しで無意識のうちに行っているのが「もらう」という行為。バックスイングが上がって、振り下ろそうとするまさにその瞬間、選手はクラブから何かをもらうのだそうです。

何を「もらう」のかというと、シャフトのしなりです。シャフトをしならせて使うときのたとえとしてよく、釣り竿で重りを遠くに投げる動作が引き合いに出されますが、その際には振り上げた釣り竿がしなるのを手で感じているはずです。竿がしなって手のひらに圧をかけてきますが、それを受け止めてから手首をリリースするのがキャスティング動作。ゴルフスイングでも同じようなことが行われているのですね。

道具を使うスポーツでは多かれ少なかれ、道具からの振動やトルクといったものを受け止めるものです。ゴルフの場合もシャフトのしなりやトルク、ヘッドの挙動といった情報をクラブから「もらう」ことで、高次元のパフォーマンスができるといえます。

話が抽象的でよくわからない、という人のためにもう少し話を具体的にしましょう。ドライバーショットの切り返しをイメージしてください。多くの選手がテークバックでヘッドを持ち上げシャフトプレーンの上に持ってきます。そこからクラブを右(自分から見て時計回り)に回しながら切り返し、ややインサイドから下ろしてきますが、この過程でクラブの挙動を受け止める時間があります。右に回したクラブが落下に転じる瞬間、右の手のひらでクラブの重さやシャフトのしなり、トルクといったものを受け止め、それらの情報を取ってからダウンスイングに入るのです。いわゆる「間」といわれる時間ですが、感性の研ぎ澄まされた選手は「もらう」と表現します。情報をもらうからこそ、ヘッドの位置が把握できますし、シャフトのしなりを最適にしつつ、クラブをスイングプレーンに乗せることができるのです。

アマチュアにはなかなか得ることのできない感覚ですが、知っていて損はありません。特に、右手で力任せに打っているような場合は、右手のひらで少なくともクラブの重さを受け止める時間が必要です。バックスイングが上がったら、いったん右手のひらにクラブを乗せてみてください。一瞬で構いませんので、乗っている時間をしっかり作ってから振り下ろすだけでもスイングに変化が出て来るはずです。「もらう」行為に伴って右ヒジが下降しますので、ダウンスイングで手を低い位置にキープすることができます。そうなれば手首の角度をキープしたままクラブヘッドを理想的な軌道で下ろすことができるのです。アウトサイドから下ろして、なおかつアーリーリリースしてしまうようなダウンスイングはかなり改善できるでしょう。またシャフトクロスで悩んでいる場合も切り返しで「もらう」ように意識すると、クラブヘッドが頭の上に流れてしまうのを防ぐことができます。

最初は理解できなくとも、「もらう」という行為が存在することを知り、クラブの重さを感じることから始めれば、いずれシャフトのしなりやそのほかの情報をもらうことができるようになるはずです。

右回りするクラブからシャフトのしなりやトルク、ヘッドの挙動、クラブの重さといったものを感じ取る時間を持つことで、右ヒジがスムーズに下降しクラブをシャフトプレーンに沿って下ろすことができる。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

「ゴルフ理論」の記事一覧へ