ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論3ステップで簡単!
ドライバーのコツが身につく練習法

2017.09.21

ドライバーはなぜ難しいのでしょうか? いろいろな意見があるとは思いますが、一番納得できるのは「長いから」という答えではないでしょうか。初心者が7番アイアンで練習を始めて、ある程度打てるようになったからドライバーを打ってみようとトライしてみても、最初はまともに当たらないのが普通です。なぜ当たらないかというと、長い上にヘッドが大きいので、バックスイングで大きな慣性モーメント(遠心力と向心力)が発生するからです。意図とは違う方向にクラブが動こうとするので、制御不能になってしまいますし、それを力づくでコントロールしようとすると、さらに挙動がおかしなことになってしまいます。

そんなドライバーをうまく打つコツは、遠心力を切らさないように振ることです。嫌でも慣性モーメントが発生するのなら、それを利用してしまおうという発想です。左手だけでグリップし、ドライバーを振ってみてください。腕を振るのではなく、左腕を伸ばしたまま重心を左右に動かすことでクラブを振り子運動させることから始めます。アドレスの状態から右に重心を移すとクラブヘッドがワンテンポ遅れて右に振り上がりますし、その間に重心を左へ移すとクラブヘッドは再びワンテンポ遅れて左に戻ってきます。

STEP1:振り子運動を覚える

左手でクラブを持ち重心を左右に移動するとクラブヘッドが振り子運動を始める。このときクラブには遠心力が発生。手は何もしないこと。

この動作を繰り返すとだんだん振り幅が大きくなっていきますから、バックスイングとフォロースルーで左腕が水平になるところでキープし、連続素振りしてください。これが遠心力を切らさない素振りで、右手をまったく使わなくてもスイングできることが理解できると思います。

STEP2:左手1本で連続素振り

遠心力ををキープしながらバックスイングとフォロースルーが左腕が水平の位置に収まるように連続素振りを行う。外向きにかかる遠心力を感じながら行うのがポイント。

次は実際にボールを打つのですが、完全に左手1本だと難しいので右手のサポートを入れます。といっても右手はクラブに触らず、クラブを持った左手を包み込むように持ちます。こうするとクラブを1点で支えるため左手だけで持つのと同じ状態でクラブを持つことができます。後は同じように重心を左右に移動させるとクラブは振り子運動しますので、ティーアップしたボールを打ってください。

STEP3:左手支点でボールを打つ

クラブを持った左手を右手で包み込むように持ちボールを打つ。

コツをつかんだらスイングを徐々に大きくしていき、フルスイングで打てるようになるまで練習しましょう。もちろんこれがゴルフスイングのメカニズムのすべてではありませんが、遠心力と向心力を均衡させながら振ることを覚えると、ドライバーはかなりやさしいクラブになります。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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