ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論肩を縦に回すために不可欠な要素とは?

2017.08.24

流行りのドライバーを買ってみたものの全然打てない、という話をよく耳にします。
世界のトップ選手たちは軽く300ヤード以上かっ飛ばしているのに、自分が打つとつかまらず、右にフケたボールしか出ない…。
思い当たるフシがある方も多いかと思いますが、これには明らかな理由があります。スイングが違うからです。もう少し具体的に言うと、肩の動かし方が違います。

欧米で主流なのは肩を縦に動かすスイングです。アドレスの前傾姿勢をキープしながら肩を縦に動かしてボールを打ち抜く。世界の舞台で活躍しているのはそういうスイングタイプのゴルファーですし、その予備軍であるジュニアゴルファーの強者たちも肩を縦に動かします。当然ながら、ツアーモデルはそういうスイングに合わせて造られているので、肩を横に回したがる日本人ゴルファーに合わなくて当然なのです。

ゴルフスイングにおいて、肩を縦に動かすとボールはつかまりますし、横に動かすとつかまりません。つまり欧米のスイングはつかまる動きなので、つかまるクラブは必要ないのです。
それよりも、ハードヒットしてもひっかからず、スピン量の少ない棒球で飛んでいくドライバーが求められています。そのため構えたときにほどよく右を向いていて、万が一ミスしてもフックボールにならないクラブの使用者が多くなります。こういうクラブを、肩を横回転させるアマチュアが使ったらどうなるでしょうか? そう、「買ったけど右にしか行かないよ」ということになるのです。

そもそもなぜ日本人ゴルファーが肩を横に回してしまうかというと、「もっと肩を回せ!」と教わるからです。最新のスイングを理解しているゴルフコーチならそんなことは言いませんが、会社の上司や先輩は「頭を動かすな!」「肩が回ってない!」が決まり文句ですし、ダウンスイングで右肩が下がると叱られたりするので、肩を水平回転させるゴルファーができ上がるのです。

もっとも肩を縦に回すのはけっこう大変な作業で、アマチュア、特に年配者にとっては至難の業です。肩を縦に回して前傾角をキープするためには、側屈といって、左右のわき腹を伸び縮みさせないとできませんが、これは特別な練習を積んだゴルファーだけができるといっても過言ではなく、普通にゴルフを覚えた場合にはまずできません。さらに、日本のゴルフ場はボールが浮く高麗芝が多いので、払い打ちでもそれなりにゴルフになります。と、こういう理由で日本人の一般アマチュアの多くは肩を横に回転させてゴルフをするわけですね。

肩の回転角度は重要で、角度が浅いか深いかで技術が変わってきます。たとえば角度の浅い横回転のスイングだと、ボールへの入射角が緩やかなので、インパクトで自然にフェースがスクエアに戻りますが、角度が深い縦回転のスイングは、ダウンスイングの軌道が鋭角で、意識的にフェースターンをしないとフェースがスクエアに戻りません。その他にも、横回転は腕を上げ下げする動作が必要だったりと、技術が異なる点は多いので、2つのスイングを一緒に論じることはできません。ですからレッスンを受ける際は、それがどちらのカテゴリーに属する技術なのかを知っておくことが大事です。

肩を縦に回転させたほうが結果的にゴルフが簡単になるので、頑張ってマスターすることをおススメしますが、最後にそのためのコツを紹介しておきましょう。さきほども触れましたが、わき腹を伸び縮みさせるのです。バックスイングでは左が縮んで右が伸びる、ダウンスイングでは右が縮んで左が伸びる。この伸び縮み動作なしに前傾姿勢はキープできないことをお忘れなく。

ダウンスイングでは右のわき腹が縮むことで前傾姿勢がキープできる。

わき腹のストレッチ

ふだんからわき腹のストレッチを行っておくことが大切。右が伸びて左が縮む動作はバックスイングに効き、左が伸びて右が縮む動作はダウンスイングに効く。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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