ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論「左の壁」を作って飛ばす!
スイング中の腰の動きと習得ドリル

2017.06.08

ゴルフスイングにおける重要な動きに「バンプ(BUMP)」というものがあります。「bump」は英語で「突き当たる」「衝突」という意味ですが、ゴルフスイングにおいてはダウンスイングで左腰を目標方向に突き出す動きのことをいいます。ゴルフのレッスンではよく「左のカベ」という表現を使いますが、この左のカベに左腰を当てるという動きを指すことから「バンプ」と呼ばれるのです。

「左のカベ」とはどういうものかというと、文字通り、アドレスした体の左サイドに壁があるとイメージしてもらえればいいでしょう。イメージしにくければ、実際に壁の横に立ってみるとよくわかります。

クラブを持たず左足の外側を壁にぴったり付けて構えてみてください。そのままバックスイングしてトップオブスイングの形を作ったら、なるべく手を下ろさず左腰を壁にぶつけてみましょう。腰の動きにつられて手が自然に下りるのはOKです。どうですか?かなり違和感のある動きではないでしょうか?しかしこれこそがバンプなのです。

バンプを体感しよう

壁際に立ってアドレスしたらクラブを持たずにスイング動作を行う。このとき左腰を壁にぶつけることで切り返してみよう。ベルトのバックルが斜め右を向いていればOK。この後は曲がっている左ヒザを伸ばすことで、左のお尻が後ろにスライドしインパクトを迎える。

プロゴルファーのスイングには必ずこの動きが入っています。体を開かず、かつダウンブローにとらえるためには必須の動作だからです。そういう意味ではプロとアマチュアを分ける重要な要素のひとつといっていいかもしれませんね。プロはバンプをしているからキレの良いアイアンショットが打てるし、しっかりと球をつかまえられるのです。それに対しアマチュアは右軸で回転してしまうパターンが多いので、すくい打ちになったり、体が開くことでさまざまなミスを招いているのです。逆説的に言えば、バンプを身に付けることができればプロのようなスイングに近づけるともいえます。

とはいえ難しい動きであるのは事実。正しく理解し、何度も何度も反復するしか習得する方法はありません。まずは自宅の壁でイメージをつかんでみてください。左腰を壁にぶつけた後は、壁に左腰をつけたまま後ろにスライドさせてインパクトの形を作ります。左ヒザが曲がった状態で壁にぶつかり、左ヒザが伸びることでお尻が後ろにスライドするのです。

このドリルを行うときに1つ注意点があって、左腰が壁に触れたとき下半身が斜め右を向いていることです。バックルが斜め右を向いた状態で壁にぶつかり、そこから腕を振り下ろせば体を開かずにボールをとらえることができるのです。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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