ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論「く」の字は絶対にNG!
正面から見た際のアドレスの正しい形

2016.9.30

「アドレスを見れば腕前がわかる」と言われるように、「構え」はゴルフの重要な要素です。しかし頭ではわかっていても、正しくアドレスをとれているアマチュアゴルファーは非常に少なく、そのためにボールが曲がったり、飛距離をロスしているのが現実です。

欧米のトッププレーヤーのスイングを見てみると、アドレスの美しさが際立ちます。バランスの良い構えができているからこそ、スムーズにバックスイングできますし、目標に対してスクエアに構えているからこそ、まっすぐボールを飛ばすことができるのです。

いくらスイングの動作を正しく覚えたところで、アドレスが歪んでいたら台無しになってしまうので、正しいアドレスを覚えることが上達するための大前提といえるでしょう。

多くのアマチュアに見られるのが、骨盤が右にずれたアドレスです。骨盤を右に置いておくとバックスイングを上げやすいのでしょうが、イマドキのクラブに大きなバックスイングは必要ありませんし、このような、正面から見て体が「く」の字を描くようなアドレスはアーリーリリースの原因になります。また、右脚が地面に対してまっすぐになってしまうと姿勢が安定してしまい、ダウンスイングの動作に移行しにくくなります。これらの理由から、右に骨盤がずれたアドレスは絶対にやめましょう。

A:骨盤が右に寄った「く」の字のアドレスはアーリーリリースなど悪い動きの原因となる。
B:骨盤は体の中心に。両肩のライン、骨盤のライン、両ヒザのラインを飛球線と平行にセットする。

アドレスの手順ですが、まっすぐ立った状態から両足の付け根から上体を倒して前傾姿勢をとったら、骨盤が右にずれていないかチェックしてください。アイアンは腕をだらりと垂らしたときの手の位置でクラブを握り、ドライバーの場合は手がもう少し前に来ます。この姿勢でクラブを握ると、右手が下に来るぶんわずかに右肩が下がり、それと共に上体も少し右に傾きます。

目標にスクエアに立つためには、両肩のライン、骨盤のライン、両ヒザのラインを飛球線と平行にセットすることです。アマチュアは右肩が前に出る傾向があるので気を付けてください。

ボールの位置は胴体を基準に決めます。基本はセンターなので、ベルトのバックル、もしくはパンツのファスナーの前、もしくはそこからボール1個左にボールを置きます。ティアップするドライバーの場合はさらに左に寄せますが、基本はポロシャツの左胸のロゴの辺りぐらいと考えればいいでしょう。フェードボールを打つ場合は基準の位置から左に寄せ、ドローボールを打つ場合は右に寄せます。スタンスを基準に決めると、つま先の開き具合やスタンスの幅によって体に対するボールの位置が変わってくるので、胴体を基準にすることで、いつも同じ場所にボールを置くことができます。

A:ボールの位置は体の中心から左脇の範囲内。
B:左足を基準にボールの位置を決めると、スタンスの広さによっては体の幅に収まらなくなる。

そもそもなぜ構えがアドレス(address)かというと、文字通り手紙を出すときの宛名から来た言葉です。宛名が違えば手紙は届きませんから、ゴルフでもアドレスが間違っていると狙った場所にボールは運べないということですね。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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