ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ゴルフ初心者がまずやるべき練習はコレ!基本が身に付くドリル

2013.11.28

ゴルフがうまくなるためにはクリアすべき2つの要素があります。まず1つめは、ボールを上手に打てるようになること。そして2つめは、コースにおけるプレイの仕方がうまくなること、です。「スイング」と「コースマネジメント」といってもいいですね。

この2つの要素の関係は、モータースポーツにおけるレーシングカーとドライバーのようなものです。いくらマシンが良くてもドライバーがうまくなければよいタイムは出ませんし、優秀なドライバーでも性能の悪いマシンでは結果を残せません。同じように、ボールが上手に打てても、マネジメントが悪いと良いスコアでは回れませんし、マネジメントが上手でも、狙い通りにボールを運べなければスコアメークできません。

ただほとんどの場合、アマチュアはスイング作りで挫折していることが多いですね。もちろん、コースマネジメントでスコアを減らすことはできますが、スイングが悪いと時限爆弾を抱えているようなもの。どこかでミスをして大叩きということになってしまいます。となればやはり、ある程度自分の思い通りにボールを打てる力を身に付けることが先決なのですが、近道はなく、地道に練習するしかありません。反復練習がすべてなのです。

ではなにを練習したらいいかというと、まずは構えであるアドレスでしょう。プロゴルファーのほとんどがアドレスの重要性を指摘することでも明らかなように、アドレスはゴルフの基本中の基本です。正しく前傾姿勢をとることを最初に覚えてしまえば、その後の上達のスピードが早くなります。両足を肩幅ぐらいに広げて立ち、横にしたクラブを骨盤に押し当てて前傾すると、ちょうどよい前傾姿勢を作れるのでぜひやってみてください。腕をだらりと垂らしたところでクラブを握れば完璧です。

forward bending posture

両足を肩幅ぐらいに広げて立ち、水平に持ったクラブを骨盤に押し当てて前傾すると、ちょうどよい前傾姿勢を作ることができる

両足を肩幅ぐらいに広げて立ち、水平に持ったクラブを骨盤に押し当てて前傾すると、ちょうどよい前傾姿勢を作ることができる

構えが作れたら、腕を振ってボールを打つことを覚えるのですが、良い練習ドリルがあります。スプリットハンドといって、左右の手を5センチほど離してクラブを持ち、腰から腰ぐらいのスイングでボールを打ちます。このドリルでうまく打つには左手を体から遠ざけないことがポイントで、初心者がなかなかうまくできない、左右の腕の入れ替えを覚えることができます。バックスイングでは左手が前で右手が後ろ、フォロースルーでは右手が前で左手が後ろ。これが腕の入れ替えで、スプリットハンドで打つと、この動きを割と早く覚えることができます。ボールを遠くに飛ばす必要はありません。9番アイアンなら50ヤード、ドライバーなら100ヤード飛ばせば十分です。

split hand

左右の手を拳1つぶんぐらい離して握る。このとき左右の手で逆方向に引っ張り合うようにし、打つときも引っ張り合いを保ち続けよう

左右の手を拳1つぶんぐらい離して握る。このとき左右の手で逆方向に引っ張り合うようにし、打つときも引っ張り合いを保ち続けよう

前傾姿勢を保ちながら、スプリットハンドでボールを上手に打てるようになれば、スイングは半分以上習得したも同然です。両手の幅を詰めて同じように打ってみてください。それで腕の入れ替えがうまくできなければ、もう1度スプリットハンドに戻って確認する。これを繰り返せば、正しくスイングを覚えることができると思います。

本来はゴルフコーチに習うのが上達の近道なのですが、独学するならこのドリルがおすすめです。また、腕の使い方がいまひとつよくわからないというベテランの方も、基本を確認する意味で、ぜひメニューに採り入れてもらいたいと思います。練習ドリルは時にやり過ぎたり、やり方を間違えたりすると副作用が起こることがありますが、スプリットハンド・ドリルは副作用が起こりにくいドリルだからです。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

「ゴルフ理論」の記事一覧へ