ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論いまさら聞けないグリップの話

2010.02.26

さて、今回は誰でも一度は悩むグリップについて考えてみようと思います。いつまでたってもしっくりこない人、けっこう多いんじゃないでしょうかね~。

まず基本のグリップを紹介しておくと、オーバーラッピンググリップ、インターロッキンググリップ、それからテンフィンガーグリップと3つの型があるんですね。まずオーバーラッピンググリップですが、最もメジャーなグリップで、左手の人差し指を右手の小指で包むように握ることからこの名がついています。インターロッキンググリップはタイガー・ウッズが採用していることでよく知られるグリップで、左手の人差し指と右手の小指を絡めるように握ります。そして別名「ベースボールグリップ」と呼ばれるテンフィンガーグリップは、その名の通り、野球のバットを持つときのように、10本の指がすべてグリップに触れるように握ります。

なぜ3つの握り方があるかといえば、それぞれ違った特性があるからです。もともとゴルフのグリップといえば力を入れやすいテンフィンガーだったのですが、右利きのゴルファーはともすれば右手が効きすぎてしまうため、19世紀の終わりに「ゴルフ3巨人」の一人ハリー・バードンがオーバーラッピンググリップでプレーし始めたのです。利き腕の力を弱めることによって左右の腕をバランス良く使えるオーバーラッピンググリップは、当時圧倒的な強さを誇ったバードンの影響で瞬く間に広がりグリップの主流になりました。いまではあまり聞きませんが、オーバーラッピンググリップを「バードングリップ」とも呼ぶのはこういう経緯があったからなのです。

インターロッキンググリップは自然発生的に生まれたと考えられますが、ジャック・ニクラウスがメジャーにしたといってもいいでしょう。このグリップは両手の一体感が得られるというメリットがありますが、力を入れやすいかといえばそうでもありません。なぜか女性にはこのインターロッキングが多いのですが、右手を使えずうまく打てないことにもなりかねませんので注意が必要です。

握り方以外のバリエーションとしては、ストロンググリップとウイークグリップがありますね。正面から見て左手のナックルが3つ見えるのをスクエアグリップとすると、中指以下のナックルが見えないのがウイークグリップ、ナックルが4つ、もしくは5つ見えるのがストロンググリップです。要するに左手をどうクラブに当てるかの違いで、左手の甲がターゲットに向くのがスクエアグリップ、斜め上を向くのがストロンググリップ、斜め下を向くのがウイークグリップです。

ストロンググリップはボールにガツンと力を伝えやすいグリップで、非力な人、インパクトでフェースが開いてしまう人に向いている握り方です。ドロー打ちのグリップかといえばそうでもなく、デビッド・デュバルはストロンググリップからパワーフェードを繰り出して一世を風靡しました。一方ウイークグリップはひっかけを嫌がるプロにときどき見られる握り方です。インパクトでフェースが開きやすいので、普通のゴルファーはあまりかかわらないほうがいいグリップかもしれません。基本的にゴルフはグリップだけでなく、スタンスにしろ、体の向きにしろ、スクエア以外を採用するとまっすぐ飛ばすために複雑な動きが必要になってしまうので、特別な事情がない限りスクエアにしたほうが無難ですね。

というように、3つのグリップから自分にしっくりくるものを選べばいいわけなんですが、実はイマドキのクラブはかなり進化しているので、極端な話、どう握ったってうまく打てたりするんですよ。パーシモンの時代にはクラブは基本的につかまりにくいものだったので、手で操作してつかまえることが必要でしたが、いまでは重心位置を計算され尽くしたチタン製のクラブヘッドが自然にターンしてボールをつかまえてくれます。手で余計なことをしなければしないほどクラブヘッドは仕事をしてくれるんです。

そんなこんなで、実際問題、グリップに違和感が出てしまうのは手でクラブを振っているからで、手打ちの証拠なんです。クラブというのは体のターンで動かすもので、手はフェースの向きをちょっとだけ操作するのに使います。ちなみに豆ができるのはスイング中に手の中でクラブが遊んでしまうからで、これもあまり褒められたものではありません。

グリップの形についてあれこれ紹介した挙句に「どう握ってもいい!」かよ~、とお怒りの方も多いと思いますが、もちろんあくまでも「どんなグリップでも打てる」というだけで、できればスクエアなグリップを目指して練習していただければと思います。

そしてもう1つ付け加えるなら、左右の手の親指と人差し指、ここだけは締めてV字を作ったほうがいいかと思います。ここが開いていて上手な人ってめったにいませんからね~。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

「ゴルフ理論」の記事一覧へ