ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論アプローチの番手選びは小さめが
得策!スコアを減らすマネジメント

2017.08.03

プロゴルファーはなぜいつもスコアをまとめることができるのでしょうか? その答えはプレースタイルにあります。アマチュアのように渾身の力を込めてひっ叩くことはまずありませんし、グリーンを外したとしても、寄せやすい場所にボールがあるものです。またプロに限らず、競技で良い成績を収めることのできるゴルファーはめったにグリーンオーバーさせませんが、どうやらスコアメークの秘密はこのへんにありそうです。

日本アマを6度制覇した伝説のアマチュア・中部銀次郎さんは「ピンをオーバーさせる奴は馬鹿だ」とよく言っていたそうです。グリーンではなく、ピンをオーバーさせないというのがミソで、ここに中部さんの強さの秘密があります。

そもそもなぜグリーンをオーバーさせるとスコアを落とすかというと、簡単に言えばグリーンの奥からは下りのアプローチになることが多いからです。下りのアプローチはカップ付近にボールを止めるのが難しいので寄せワンの確率は減ります。また、ボールがある場所が次のホールのティーグラウンドへの導線だったりすると、人が歩いた影響で逆目になっている場合がありますから、さらに難易度は上がります。一方、グリーンの手前は逆目になっていることは少ないですし、上りのアプローチなので比較的アプローチはやさしくなります。それゆえに外すなら「奥よりも手前」なのです。

中部さんの場合はさらに徹底していて、「ピンよりも奥にはボールを運ばない」という考え方です。これなら難しい下りのパッティングが残ることも少なくなりますし、パーを確保しながら攻めるというディフェンシブなマネジメントと言えるでしょう。

アマチュア、特にアベレージゴルファーは簡単にグリーンをオーバーさせてしまいますし、奥からのアプローチがグリーン手前まで戻ってしまうことも珍しくありません。ならば「ピンをオーバーさせない」を徹底してみてはいかがでしょうか。ピンまで残り150ヤードだったら、155ヤード飛ぶクラブで軽めに打つのではなく、145ヤード飛ぶクラブでしっかり打つのです。手前のバンカーにつかまったとしても「ピンをオーバーしなければOK」と割り切る。グリーン周りからのアプローチも突っ込まず、ピンの手前に止めておく。そういうマネジメントを18ホール貫けば、きっといつもと違うスコアで上がれると思いますよ。

ピンから後ろの地面はないものと思って手前から攻めてみよう。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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