道具の進化が何をもたらしたかというと「マネジメントの重要性がますます高まっている」といえるでしょう。イマドキのゴルフトーナメントでは上手くボールを打てて当たり前、どこにボールを運んでスコアメークするかが勝負を決めるのです。
欧米の有名なティーチングプロのゴルフスクールでは、スイングの指導と並行して、コースマネジメントの講義があるそうです。どんなことを教えているかというと、たとえばどのホールで攻め、どのホールで守るべきか、というようなことです。
18ホールのうち、ピンがセンターに立っている場合、左に立っている場合、右に立っている場合がそれぞれ6ホールずつだとしましょう。ドローヒッターが攻めるべきなのは、ピンが左およびセンターの場合で、フェードヒッターが攻めるべきなのは、ピンが右およびセンターの場合なのです。
なぜなら、ドローヒッターが右のピンを攻めていくと、グリーンを外すリスクが高まるからです。フェードヒッターが左のピンを攻めた場合も同じ。ですからこの場合はグリーンのセンターを狙ってセーフティなプレイを心がけ、残りのホールでバーディを狙っていくということですね。

1:ピンがセンターの場合、ドローヒッター、フェードヒッターともにピンを狙っても構わない。ミスをしてもグリーンに乗る可能性が高いからだ
2:ピンが左の場合、ドローヒッターはミスをしてもグリーンに乗る可能性が高いが、フェードヒッターがピンを狙ってミスをするとグリーンを外してしまう。
3:ピンが右の場合、フェードヒッターはピンを狙って構わないが、ドローヒッターがピンを狙ってミスをするとグリーンを外してしまう。
これは高いレベルの話ですが、アマチュアのみなさんがすぐにでも実践できるマネジメントもたくさんあります。
たとえば、絶対にOBを打たないようにプレイすることは、100を切れないゴルファーのスコアを劇的に減らしてくれるでしょう。
具体的には、左右にOBのあるホールではドライバーを持たないようにするのです。ドライバーどころか、フェアウェイウッドも避けたほうがいいでしょう。大きく曲がらない自信のあるクラブ、たとえば7番アイアンで打って、とりあえずOBを回避するのは賢いやり方です。
池越えのティショットなども同じで、チョロをする可能性があるクラブを絶対に持たないことが大事です。池を越せるなら、ピッチングウエッジでも9番アイアンでも構いません。まずは池ポチャを避ける、それがスコアメークのコツです。
無理にグリーンを狙わないことも大叩きを防いでくれます。ピンまで180ヤードある場合、5番アイアンで打って曲げるとバンカーにつかまったり、OBになってしまったりすることさえあります。もしも曲がる可能性があると思ったら、グリーンに届くクラブを持たず、グリーンの手前まで運べるクラブを選ぶことが大事です。8番アイアンで打てば残り40~50ヤードですから、そこまで運び、次でグリーンに乗せましょう。アプローチが寄ればパーですし、ボギーで収まる可能性は大です。
アプローチが苦手なら、グリーン周りからすべてパターで打つのもいいでしょう。
ラフの芝に喰われてグリーンの手前で止まってしまったとしても、ウエッジでザックリやトップをするよりはましです。バンカー越えだとしても、いったんパターで横に転がしてから狙う。それぐらい徹底して行えば、必ずスコアは縮まるでしょう。

バンカー越えのアプローチは無理に打たず、パターでいったん横に出すとよい。次打もパターで転がして寄せよう