レッスン動画
上達のメソッドをプロが動画で解説
三觜喜一プロの新・スイング原論


「プロのスイングなんて真似できっこない」と思っていませんか?
理にかなった動きでボールをとらえればプロのようなショットが打てるようになります。
目次
PROFILE
-
三觜 喜一(みつはし よしかず)プロ
2017年現在、最も注目されているといっても過言ではないプロコーチ。ジュニアゴルファーの指導で評価が高く、最近では手塩にかけて育てたジュニア出身の選手がプロゴルファーとして活躍し始めている。 -
植野 星香さん
2017年、プロテスト合格を目指す研修生。慶応義塾大学に在学中。文武両道で上背(170センチ)を生かしたキレの良いスイングが持ち味。2014年 四国女子アマ2位、2013年 神奈川ジュニアゴルフ選手権優勝。
ゴルフスイングは
回転運動ではありません
-
練習場にあるカゴで体の縦の運動を覚える
ゴルフスイングを「回転運動」だととらえているアマチュアの方が多いようですが、その認識だとボールをうまく打つことができません。確かに回転する部分もあるのですが、本質的には体の縦の運動だとらえたほうがうまくいきます。
そういう意味であまりおすすめできないのは、肩を横に回転させてしまうこと。これだとダウンブローにヒットしにくいですし、方向性も悪くなります。肩を縦に動かすことでターゲットに向かってまっすぐクラブヘッドを出していけますし、ダウンブローに打ち込むこともやりやすくなります。
この動きを覚えるには、練習場にあるボールを入れるカゴを使ってドリルを行います。いわゆるシャドウスイングですが、カゴを回転させるのではなく、飛球線と平行に動かすことがポイントです。バックスイングでは左肩が浮かないように注意して胸の正面にカゴを収めてください。同様に、フォローでは右肩が浮かないように注意しましょう。
アマチュアの多くが
アドレスを間違っている
-
アドレスでは骨盤を体の中心より
左に寄せておくまっすぐ構えればいいと考えるアマチュアの方は多いと思いますが、ゴルフのアドレスでは体の中心よりも骨盤がやや左に寄った状態がベストです。
しかし意識しないとこの姿勢はとりにくく、また人間には何も考えずに重心を落とすと右加重になってしまう傾向があるため、アマチュアのアドレスでは骨盤が右にずれている場合が多いのが現実です。ですから、意識的に骨盤をやや左に寄せ、「左軸」のイメージで構えることが大切。この姿勢を作ることができれば、ダウンスイングで体が開きにくくなります。
そのほかにアドレスでチェックすべきなのは、前傾姿勢と背中から腰にかけてのライン。前傾になり過ぎても、ならな過ぎてもダメなので基準を知っておきましょう。また反り腰はケガを招きますので、腰のラインはまっすぐにしましょう。
逆ハンドルを切るように
テークバックしよう
-
左脇が締まった状態からスイングをスタート
アマチュアゴルファーはヒジが外を向いた状態でアドレスしている場合が多いのですが、これだとスイング中に発生するクラブのねじれやしなりの力に負けてしまい、強くボールを叩くことができません。
ですから両ヒジを内側に絞るようにして、力こぶが上を向くようにした状態を作ってから構えましょう。そうすると左脇が締まる感覚があるはずです。そこからまっすぐテークバックすると左ヒジは下を向いた状態が保たれます。クルマのハンドルを左に切るような動きですが、これがテークバックの正しい動作。クラブヘッドが直線的に上がるので、ダウンスイング以降もターゲットに対してまっすぐエネルギーを出すことができます。
前傾姿勢を維持できる
体の使い方
-
切り返しで胸郭が
しっかりと左に動くようにするプロゴルファーのゴルフスイングは、胸郭と呼ばれる胴体部分を多く使って行われています。ほとんどのアマチュアはバックスイングからの切り返しで体を回転させようとしますが、胸郭が動かず肩だけ回ってしまったり、上体がひと塊になって回転すると、「左ひじが引ける」「体が開く」「上体が起きる」といった、ミスショットに直結する動きを招いてしまいます。
ですからダウンスイングからの切り返しでは、胸郭の部分がしっかりと左に動くようにしましょう。胸郭が動いた状態からインパクトを迎えると、クラブを上から使えますし、前傾姿勢を維持することができます。
このように、ふだんなかなか意識の行かない胸郭をしっかり動かすことが、ゴルフスイングでは非常に重要です。
体の開きが
スイングを台無しにする
-
打ってから体が回るぐらいでちょうどいい
アマチュアはいざ打とうとボールを前にすると、ボールに向かって体が動いてしまうものです。これがダウンスイングで体が開く原因で、体が開くとさまざまなミスショットを招いてしまいます。
ゴルフは前を向きながら横にボールを飛ばすという、ある意味特殊な打ち方をするスポーツです。ところがこのことを忘れて早めにターゲットに向こうとしてしまうことによって、気持ちは打っているつもりでも、クラブはボールに当たらないという現象が起きてしまうのです。
ですから、クラブが体を追い越すまで、体はなるべく正面を向いていることがポイントになります。体を開かずにボールをとらえ、クラブが体を通り越してから体がターンするぐらいでちょうどいいのです。
クラブを番手通りに使える
ボールのとらえ方
-
しっかりフェースターンを行って、
ハンドファーストにとらえようなぜアイアンで番手通りの距離が出ないかというと、インパクトでクラブのロフトが寝てしまっているからです。構造上、アイアンはクラブヘッド自体の重さでフェースが倒れるようにできているので、まっすぐボールに当てようとするとインパクトでフェースが開いてしまうのです。
プロはクラブのロフトよりフェースを起こしてインパクトしますが、それはダウンスイングがダウンブローの軌道で、なおかつハンドファーストにとらえるからです。そうすることでしっかりとバックスピンがかかり、ロフト通りの距離が出るのです。
ハンドファーストにとらえられない場合は意識的にフェースターンを行ってください。フェースを閉じながらインパクトするイメージです。ボールをとらえた後もフェースをターンさせ続け、フォロースルーでクラブのトウ側が上を向くようにしましょう。
スピンアウトにならない
下半身の使い方
-
ダウンスイングで
下半身は右に回転するイメージスイングにおける下半身の動きは、直線イメージでとらえるとうまく打つことができます。下半身を回転させてしまうと、右ヒザが突っ込むなど欧米では「スピンアウト」と呼ばれる、体が開く動きが生じてしまうからです。
実際問題として、多くのアマチュアはダウンスイングで右脚を内旋させますが、これでは腰が引けてしまい、振り遅れなど多くのエラーを招きます。スピンアウトにならないためには、ダウンスイングで右脚は外旋しなければならないのです。そうすることで右脚が伸びた、いわゆる「ベタ足」と呼ばれるプロのようなインパクトを迎えることができます。
ダウンスイングで下半身を右に回転させると動きが直線的なイメージになりますので、ぜひトライしてみてください。
バックスイングの
余りをなくす
-
クラブの運動量を体より多めにする
バックスイングにおいては、クラブと体の運動量が適正に配分されているかが重要になります。アマチュアの多くはテークバックでクラブと体が同時に動いてしまいますが、これだと体が先にゴールに達してしまい、その後に手でクラブを持ち上げる動作が入ってしまいます。
これが動きの「余り」ですが、この余りを生じないようにするにはクラブの運動量を多めにすることです。クラブが先行し、バックスイングの後半でクラブと体が同調して動くことで、クラブと体が同時にゴール(トップオブスイング)に到達します。動画ではこの動きを覚えるためのドリルを紹介していますので、ぜひやってみてください。
スイングプレーンが良くなる
究極のドリル
-
クラブにかかる遠心力を切らさない
ボールを遠くに飛ばすためにはクラブにかかる遠心力や重力、そして体の動きといった要素をバランスよくスイングに採り入れることが大事です。特に遠心力は途中で切れてしまうとクラブの軌道がブレますしスピードも出ないので、遠心力をかけながらフィニッシュまで振り切ることが飛距離アップにつながります。
遠心力を感じるには体の前でクラブを回してみることです。クラブは重たいので自然に円を描きますし、クラブの重さ自体を感じることができるようになります。このようにして発生させた遠心力をキープしながらスイングすることが、飛距離アップと方向性の安定につながるわけですね。動画ではこのメカニズムをより具体的にスイングに取り込んだドリルを紹介していますので、ぜひトライしてみてください。
飛んで曲がらない
右腕の使い方
-
地面に向かってボールを投げてみよう
ゴルフスイングは地面とターゲットの2方向に力を出すことが必要ですが、地面に向かって力を出すことの重要性を理解していないアマチュアの方が多いと思います。
地面に対して力を出すには、野球でボールを投げるときのような腕の使い方が必要で、その動きはゴルフボールを思い切り地面に投げつけてみると体感できます。投げた後、必ず腕が伸び切って手の甲が正面を向きますが、ゴルフクラブを持った時にも同じ動作を行うことで、地面に対して最大限の力を出すことができるのです。
クラブを持つとどうしてもフェースをまっすぐボールに当てようという意識が働き、手のひらの向きを変えずまっすぐボールに当てるような動きになってしまいます。しかし、クラブをリリースすると共に手のひらがひっくり返るのが正しい動きですので、この機会にぜひ覚えてください。