レッスン動画
上達のメソッドをプロが動画で解説
吉田一尊プロの新・飛距離アップ法


最新クラブの構造を理解し、「手打ち」や「振り遅れ」といった飛ばない要素を取り除いていけば、誰でも驚くほど飛ばせますし、曲がらなくなります。
目次
PROFILE
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吉田一尊プロ
ツアープレーヤーとして活動後、本来のスイング探求心が高じてコーチに転身。日本人の体格にあった飛距離アップ法を研究し、自身も国内ドラコン選手権で4位に入るなどその理論を実証する。現在はティーチング活動と並行してクラブ開発の分野に進出。2014年に立ち上げたブランド『グランディスタ』は高く評価され、クラブデザイナーとしても注目されている。
飛ばせるスイングは
「振る」のではなく「漕ぐ」
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グリップエンドを下げて上げると
クラブヘッドが加速するスイング中のゴルフクラブは振り子のように動きますが、この振り子を加速させる方法があって、それはクラブヘッドの反対側のグリップエンドを下げて上げることです。振り子(ヘッド)が上がり切る直前にグリップエンドを下げ、インパクトの位置に下り切る直前にグリップエンドを上げることで、振り子は加速します。
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ブランコを「漕ぐ」イメージで
ヒザを曲げて伸ばし、
グリップエンドを下げて上げる振り子を加速させる動作は公園のブランコを立ち漕ぎする動作とよく似ています。ブランコが後方に振り上がるとき、頂点まで上がり切る直前にヒザを曲げ、下がってきたときにヒザを伸ばして加速します。ですからこの動きを応用し、バックスイングが上がっている途中で左ヒザを曲げ、インパクトの直前で伸ばします。こうすることでスイング中にグリップエンドが下がって上がり、クラブヘッドを最大限に加速することができます。「曲げて」「伸ばす」という2つの動作と考えるのではなく、「漕ぐ」という1つの動作として行いましょう。
腕を振ろうとした時点で
スイングは崩壊する
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クラブヘッドが腕を追い越すことで、
ヘッドスピードが上がり、飛距離が出る腕を一生懸命振って飛ばそうとする方が多いですが、腕を速く振ってもヘッドが走らないことには飛びません。ヘッドスピードが速くなることでボールは遠くに飛ぶのですが、腕の速度が速くなり過ぎてしまうと、クラブが腕を追い越すことができなくなり加速ができませんし、ボールがつかまりません。これがいわゆる「振り遅れ」ですね。
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左腕を体の右サイドにキープした状態で
スイングする振り遅れを防ぐためには腕を振る動作を極力なくすことです。アドレスの時点で胸の上にセットした左腕を体の枠から外さないようにしましょう。それには左腕を体の右サイドにキープする意識が必要です。こうすると腕が左に流れないのでインパクトのポジションに到達するまでに時間がかかり、その間にクラブヘッドが加速しながら戻ってくることができるのです。
「てこの原理」で
ゴルフは簡単になる
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「右手を支点、左手を力点」に使うことで、
作用点となるクラブヘッドが加速する右手の力でクラブを速く振ろうとするアマチュアが多いですが、内側にある右手を力点、外側にある左手を支点に使ってしまうと、作用点となるクラブヘッドにかかる力が小さくなり加速できません。ですから左手を力点、右手を支点として使うようにしましょう。そうすることで「てこの原理」が働き、クラブヘッドを効率的に加速させることができます。
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左ヒザを伸ばして左手を引き上げると、
右手が支点となりヘッドが加速するインパクトで左手を引き上げることで、てこの原理が働きクラブヘッドが加速するのですが、この動作を左手でやってはダメです。踏み込んだときに曲がった左ヒザを伸ばすことで左肩が引き上げられ、それに伴い左腕と左手が引き上げられます。このとき右手が支点になっていれば、クラブヘッドは加速して腕を追い越すわけです。
地面からの反発力を
利用して飛ばす
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体重を落下させて地面を踏み込み、
跳ね返ってくる力を利用してクラブを振るスイングのイメージを「漕ぐ」といいましたが、この動作はヒザを曲げ伸ばす筋力だけでなく、地面を踏み込んたときに跳ね返ってくる力も利用して飛ばすことができます。このときのポイントは、筋力で踏み込むのではなく、体重を地面に落下させること。そうすれば自分の筋力以上の力をボールに伝えることができます。
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左足母指球の方向に踏み込んでから
地面の反発を使い、
左足カカト方向にジャンプする地面を踏み込むときは真下ではなく斜め方向に踏み込みます。切り返すときに意識するのは左足の母指球。母指球に向かって踏み込めば斜め前方向の力が加わりますので、クラブも同じ方向に下りてきてボールをとらえます。地面を踏み込むと反発がありますので、それを利用しながら左足カカト方向にジャンプしましょう。そうすればクラブは斜め上に抜けていってスイングプレーンに乗ります。
ダウンスイングの
加速ポイントは2つある
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バックスイングが上がっている間に
下半身で切り返すのが1つめの加速ポイントクラブヘッドを最大限に加速させるためには2つの加速ポイントがあります。1つめはバックスイングが上がり切る直前に下半身で切り返すこと。具体的には左足を踏み込みます。こうすると上半身で一番強い筋肉である広背筋が強制的に引き延ばされるので、それが縮む力をスピードに変換できます。
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左腕が右脚の前あたりまで下りたら
左ヒザを伸ばし始めるのが
2つめの加速ポイントインパクトでヘッドを最大限に加速させるためにはインパクト直前で左脚を伸ばすことですが、人間は考えてから動くまで0.2秒かかるといわれているので、この動作は早めに行う必要があります。どれぐらいのタイミングかというと、左腕が右脚の前あたりまで来たら左脚を伸ばし始めましょう。こうすることでブレーキがかかった手元をクラブヘッドが追い越します。
振り遅れにならない
体の使い方
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上半身から切り返すことで
手元が左に流れるのが振り遅れの原因なぜ振り遅れてしまうかというと、ダウンスイングの早い段階で上半身が回ることで体が開いてしまうからです。上半身にくっついている腕がそのままついてきますから、手元が左に流れてしまいます。そうするとクラブがついてこられず、振り遅れてしまうのです。ですから振り遅れないためには上体を開かないことがポイントになります。
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胸を右に向けたまま下半身で切り返し、
腕と下半身の時間差をつくるダウンスイングで上体が開かないようにするには下半身を先行させることです。バックスイングが上がっている間に左足を踏み込み、下半身で先に切り返してしまいましょう。肩甲骨は胴体に乗っているような構造になっているので、胸を右に向けたまま下半身を左に回転すると、肩回りの筋肉が伸びて、上半身と下半身が引っ張り合うような関係性になります。この伸びた筋肉が縮むことで加速できるとともに、上半身と下半身の時間差によって体が開かずにボールをとらえることができます。
手首の「タメ」を作って
飛ばす
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バックスイングで手首に角度を作ると、
ダウンスイングでほどけやすくなるダウンスイングで手首の角度を保ち、インパクト直前でその角度をほどくとクラブヘッドを加速させることができます。この手首の角度を「タメ」と呼びますが、アマチュアの多くはこのタメを作ることがなかなかできません。その大きな理由は下半身リードができないことと、バックスイングの段階でタメを作ろうとすることです。手首に十分な角度ができた状態で切り返すと、ダウンスイングではそれ以上、手首を曲げられないので、逆にその角度がほどけやすくなってしまうのです。
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手首を「伸ばして曲げる」と意識すると、
タメを作ってクラブを加速することができるノーコックに近い状態でバックスイングを上げ、下半身リードで切り返すと手首は伸びた状態から曲がります。これに漕ぐ動作が加わることで、振り遅れずにボールをとらえることが可能になります。ですからバックスイングで手首を曲げるのではなく逆に伸ばし、ダウンスイングで曲げると考えてください。手首に力を入れず下半身リードで切り返せば自然にタメが作られます。
アドレスの「絶対的ルール」
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骨盤を体の中心よりやや左に寄せて構える
ゴルフのアドレスには絶対的なルールがあります。体重を両足に均等にかけて、まっすぐ立った状態で構えるのではなく、腰をやや左に寄せておくことが必要です。なぜかというと、人間の体は右足を軸に立つよりも左足を軸に立ったほうが安定するようにできているからです。従って、ゴルフのアドレスでも左足を軸に立てるように腰を左に寄せておくのです。
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右打ち左打ちにかかわらず、
左足を軸に構えるゴルフスイングでは左足を軸にして動くとボールをとらえやすいのですが、これは左打ちのゴルファーも同じです。右打ちの場合は、バックスイングで左足を軸に右股関節が後ろに下がり、ダウンスイングでは左足を軸に骨盤が回ってきますが、左打ちの場合は左足を軸に右足が動いてバックスイング、ダウンスイングでは左足を軸に右足を後ろに引きながらスイングします。これは人間の体の特性によるものであり、それに逆らわないほうが、うまくミートすることができます。右打ち左打ちにかかわらず、左足を軸に構えることが重要なのです。
誰も言わない
シャフトのしならせ方
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シャフトは「硬くて動かないもの」
ではなく、ゴムやばね、ひもといった
「変型するもの」と考えるシャフトは棒のように見えますが、スイング中は、しなったりねじれたりするので、まっすぐ動かそうとしてもなかなかできません。ですから棒というよりはゴムやばね、ひもといった変形するものと考えたほうがうまく使うことができます。シャフトは硬くて動かないものではなく、それ自体が動くものと考えることで、クラブヘッドをアドレスの位置、ボールのある場所に戻すことができます。
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グリップをしっかりと握って固定し、
握っている手の力をスイング中変えないシャフトをしならせるためには、グリップがしっかり固定されている必要があります。グリップが緩んでいるとシャフトはしならず、手首がしなって、クラブがぐらぐら動いているだけの状態です。ですからグリップはしっかりと握ってクラブを固定し、握っている手の力をスイング中に変えないでください。そうすることで、切り返しでシャフトが大きくしなり、そのしなり戻りでクラブヘッドを加速させることができます。
スイングは
「タイミング」で覚える
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毎回同じスイングをするのではなく、
毎回同じタイミングで打つことを心がけるスポーツではある程度フォームを覚えたら、動作のタイミングをつかむことが重要になります。ゴルフも同じですが、ボールが止まっているために、タイミングを無視して形だけで打とうとしがちです。しかしトッププロといえども毎回完全に同じスイングをすることはできません。彼らはタイミングを同じにすることで高い再現性を実現しているのです。ですから毎回同じ形のスイングをしようとするのではなく、毎回同じタイミングで打つことを心がけましょう。
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足でタイミングをとることで、
腕が自然に振られる動作の流れを覚えるタイミングをとるときに腕でやろうとすると、なかなかうまくいきません。たとえば歩くときには腕を振ることでタイミングをとって足が動くのではなく、足が動けば自然に腕が動きます。スイングも同じように、足でタイミングをとることで腕が勝手に振られるのです。そうすれば一定の時間でスイング動作を行うことができ、それに伴い、再現性も高くなるというわけです。