マメ知識

ゴルフの雑学・マメ知識雨のゴルフの注意点は?
知っておきたい8つのこと

2022.06.09

せっかくのゴルフなのに雨…。仲間内との予定ならキャンセルという選択肢もありますが、コンペともなれば雨の中でプレーするしかありません。そんな場合のために、雨天のゴルフの注意点を確認しておきましょう。

雨の日のゴルフ場はふだんよりも遥かに難易度がアップする。

雨のゴルフの注意点
その1

濡れたレインウェアで
クラブハウス内を歩かない

雨といえば傘ですが、ゴルフ場にはゴルフ用の傘が用意されていることが多いので、それを使います。通常はマスター室の付近に傘立てがあり、そこにプレーヤーが自由に使えるゴルフ場のロゴ入りの傘がたくさん刺さっているはずです。キャディ付きの場合は、キャディさんがカートに人数ぶんの傘を乗せてくれるので、それを使いましょう。

傘だけではずぶ濡れになってしまうレベルの雨ならレインウェアが必要です。できれば軽くて動きやすいゴルフ用のレインウェアを用意しましょう。ゴルフウェアの上からレインウェアを着るのですが、濡れているレインウェアでクラブハウス内を歩くのはマナー違反。朝のスタート前にロッカールームでレインウェアを着るのは構いませんが、ハーフ終了後には必ずマスター室前で脱ぎましょう。再び着る場合もマスター室前で行います。備え付けの乾燥機がある場合は、濡れたレインウェアやグローブ、帽子を入れて、お昼の休憩時間に乾燥しておきます。

雨のゴルフの注意点
その2

グローブやタオルは
複数枚用意する

グローブは合成皮革を使った全天候型(オールウェザー)のものを2枚以上用意しておきましょう。濡れ過ぎてグリップが滑るようなら、濡れていないものにチェンジすると快適にプレーできます。帽子に関しては頭が濡れないようにキャップがベターですが、大雨の場合は水を含んでつばからポタポタと垂れてくるので、防水加工を施したレインキャップがおすすめです。

身に付けるもの以外では乾いたタオルが必需品です。濡れたグリップを拭いたり、顔を拭いたりするので、用途別に2~3枚あると便利です。なお、ゴルフ場の備品のタオルを持ち出すのは絶対にやめましょう。

雨のゴルフの注意点
その3

大振りは禁物。
体の回転で打つことを心がける

雨のゴルフは違和感だらけです。レインウェアを着ているとスイングする感覚がいつもと違いますし、グリップも滑りやすいのでミスショットが増えがち。大振りを避けてコンパクトなスイングを心がけましょう。腕を振り回さず、体の回転で打つようにするとうまくいくはずです。アプローチショットも同様に、手首をなるべく使わずパターの延長のようなイメージで打ちましょう。雨でぬかるんだ地面はダフリが出やすいので、すくい打ちは禁物ですし、上からぶつけるのも危険です。適度なダウンブローでボールだけを打つようなイメージで打ちましょう。

雨のゴルフの注意点
その4

球が飛ばないので
大きめのクラブをチョイス

雨の日はボールが飛びません。フェースに水が付着しているので、バックスピンが十分入らず球が浮かないからです。フェアウェイの場合、キャリーで1割ぐらいは飛距離が落ちることを計算して使用するクラブを選びましょう。残り150ヤードでふだんが7番アイアンだったら6番にするなど、番手を上げて打ちます。バックスピンと同様にサイドスピンも入らないので、いつもより曲がりも少なくなります。自信を持ってターゲットを狙っていきましょう。

また、ラフの場合は水を含んだ芝の抵抗が大きいので、1割以上飛ばないこともよくありますし、クラブがボールに届かず大きなミスになることもあります。ですからラフでは脱出を優先し、ロフトのあるクラブで打つようにしましょう。それでも球が上がりにくいので、バンカーなどの障害物を避けてライン取りすることをおすすめします。

フェースの表面についた水滴でスピンがかからない。

雨のゴルフの注意点
その5

高い位置のカップで
普段よりも難しい
パッティングになる

雨予報の日は、水が溜まりにくいグリーンの最も高い場所にカップを切るのが通常です。高い場所はグリーンの奥にあることが多いのでコースの全長は長くなりますし、ホールの周りは傾斜が強くラインもやさしくありません。雨の日のゴルフはここに本質的な難しさがあるといっても過言ではありませんが、ボールの転がりも悪くなるので、晴天時とはかなり違うパッティングをしなければなりません。

ポイントはやはり強めに打つことで、早めにファーストパットの距離感をつかむことがスコアメークの鍵となります。カップが高いので上りが多くなることを忘れずに。フックライン、スライスラインは曲がりがきつくなるので、できればセカンドパットをカップの真下に残して2パットで収めるようにしましょう。

雨のゴルフの注意点
その6

バンカーは球が飛ばないので
しっかりとインパクト

濡れたバンカーは砂が締まって硬くなっているので、インパクトが弱いと距離が出ず脱出に失敗します。しっかりインパクトすることを心がけ、ふだんのバンカーショットより大きめの距離感で打ちましょう。

通常のバンカーショットではフェースを開きますが、雨の日はあまり開かないようにして、比較的ボールから近いところにヘッドを入れます。このとき上から鋭角に打ち込むとバンスが跳ね返ってトップしてしまうので、クラブヘッドを低いところから入れて低いところに出すようにしましょう。それでもうまくいかない場合は、PWなどロフトの立っているクラブを使うのも1つの手です。

硬くなった砂がクラブを弾き返すのでしっかりインパクト。

雨のゴルフの注意点
その7

ボールが水溜まりにある場合は
救済を受けられる

ボールが雨でできた水溜まり(テンポラリーウォーター)に入った場合は、救済を受けられます。ジェネラルエリアの水溜まりの場合はニアレストポイントを探し、そこから1クラブレングス以内にドロップして無罰でプレーしてください。

バンカー内の水溜まりにボールがある場合も基本は一緒ですが、ドロップする場所はバンカー内である必要があります。該当する場所がなければ、バンカーの後方でホールとボールを結んだ延長線上から1打罰でプレーします。その際には延長線上に起点を決め、それによって決まる救済エリアにドロップしなければなりません。

バンカー内の水溜まりの場合

グリーン上に水溜まりがあって、パットのラインにかかる場合は無罰で救済を受けることができます。水溜まりが影響を及ぼさないニアレストポイント、もしくは最大限に救済を受けられる地点に球をプレースしてプレーしましょう。なお、グリーン上にニアレストポイントや最大限に救済を得られる地点がない場合は、グリーン外でも構いません。ただしボールがグリーン上にない場合は、水溜まりがライン上にあっても救済は受けられません。

グリーン上の水溜まりの場合

雨のゴルフの注意点
その8

行動を簡略化することで
プレーに集中できる

雨のゴルフは傘を持つだけでなく、ショットのたびに閉じたり開いたりしなければなりませんし、濡れたグリップやカートの座席を拭いたり、とにかくやることが多いので大変です。これではプレーに集中できませんので、ひとつでもやるべきことを減らしたいところです。たとえばレインウェアは一度着たら小降りになっても脱がないとか、パッティングのときにグローブを外さないなど、行動をなるべく簡略化することで余計なストレスを減らすことができます。

レインウェアや手袋の着脱をせずプレーに集中しよう。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

「マメ知識」の記事一覧へ