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ゴルフの雑学・マメ知識いまさら聞けない
アップライトとフラットの話

2021.04.15



「アップライト」と「フラット」とは?

ゴルフ用語には「アップライト」「フラット」という表現があります。「あの選手のスイングはアップライトだね」とか「バックスイングがフラットに上がっている」などと使うのですが、その意味をご存知でしょうか?
英語で直訳すると[upright]は「直立した」、[flat]は「平らな」という意味ですが、ゴルフレッスンの現場では、スイングプレーンが立ち気味(地面に対しての角度が大きい)なことを「アップライト」、その逆の寝ている(地面に対しての角度が小さい)ことを「フラット」と表現します。
バックスイングが高く上がってそこから振り下ろせばアップライトなスイング、低く上がってそこから振り下ろせばフラットなスイングですね。高く上がってからクラブがループして低いところから下りてくれば「アップライトに上がってフラットに下りてくる」と表現します。

アップライトなスイング


フラットなスイング

ゴルフクラブにも「アップライト」「フラット」という分類があり、ライ角が大きいものを「アップライト」、小さいものを「フラット」といいます。ライ角は身長170センチ程度のゴルファーが構えたときにソールが地面とぴったり一致する角度が標準となっていて、大体60度。ですからライ角が62度のクラブはアップライト、58度ならフラットというわけですね。

ライ角が大きいものを
「アップライト」


ライ角が小さいものを
「フラット」

スイングとライ角を一致させよう

では実際のプレーでこれらがどう影響するかというと、スイングとクラブのライ角が一致していないと、ミスにつながることがあります。
アップライトすぎるクラブを使うとインパクトでトゥ側が浮いてフェースが左を向きますし、フラットすぎるクラブを使うとインパクトでヒール側が浮いてフェースは右を向いてしまうのです。

アップライトすぎるクラブの場合

インパクトでトゥ(先端側)が浮いてしまうとヒール(シャフト側)に当たりやすくフェースは左を向く。


フラットすぎるクラブの場合

インパクトでヒール(シャフト側)が浮いてしまうとトゥ(先端側)に当たりやすくフェースは右を向く。

つまり、ダウンスイングの軌道がアップライトならクラブのライ角はアップライトであるべきですし、軌道がフラットならライ角はフラットであるべきなのです。
クラブフィッティングが大切なのはこのためで、スイング自体が悪いのではなく、ライ角がスイングと合っていないためにミスになることは珍しくありません。特にアイアンはライ角が重要で、アップライト過ぎるクラブは地面に着地した際、ヒール部分を支点にフェースが回転しやすく、ナイススイングにもかかわらずひっかかるということが起こります。

最近では「シャローイング」といって低い位置からクラブを下ろしてくることが流行していますが、シャローイングはフラットなダウンスイングのことであり、このようなスイングを目指すなら、ライ角もフラットにしておくのを忘れないようにしましょう。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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