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ゴルフの雑学・マメ知識【2019新ルール】OBを打った後、どこからプレーできる?

2019.09.19

大幅に改正されたゴルフ規則が施行され「ルール元年」ともいえる2019年、当然のことながら競技の現場では、いままでなかった類のトラブルが起きていることはご存知の通りです。新しいものに変わったとはいえ、依然として複雑怪奇なのがゴルフルールといえるでしょう。

最近ではこんなことがありました。欧州ツアーで英国のポール・ケーシー選手が、パッティングしたボールが小さな虫に当たってからカップインしたのですが、本人は気付かずそのままそのホールのプレーを終えました。本当に小さな虫だったので気付かないのは仕方ありませんが、ルール上は規則違反です。ゴルフ規則11.2bに「パッティンググリーンからプレーされた球が偶然にパッティンググリーン上の人、動物、動かせる障害物に当たった場合:そのストロークはカウントせず、元の箇所に元の球か別の球をリプレースしなければならない」とあるので、本来なら打ち直すのが正しい処置。スコア提出時にケーシー選手は、TV中継された該当シーンをビデオで見せられましたが、本人が気づいていなかったということで、ペナルティを免れることができました。規則20.2cに「ビデオ証拠の使用は「肉眼」基準によって制限される」とあるように、ビデオに違反行為が映っていても、本人に気付く術がなかった場合には、ペナルティを課されないのです。その試合で、ケーシー選手は見事優勝を成し遂げました。

このように、プロゴルファーは日々ルールと戦っているといっても過言ではありません。大幅に変わった新ルールを「知らなかった」では済まされないからです。せっかく勝ち取った栄光を水の泡にしないためには、正確な知識と細心の注意が必要です。

さて、競技には縁がないけれど、ゴルフはルール通りに楽しみたいというアマチュアにとって、押さえておくべきこととは何でしょうか? おそらく最も必要なのはOBを打った後、あるいはロストボールになってしまった後の処置ではないでしょうか。新ルールでは、このような場合に距離のペナルティを免除するローカルルールの採用を許しているのですが、いざ自分がそういう状況に直面したときに正しい処置ができるか、と言われると不安な方も多いのでは?

日本ゴルフ協会が発行するオフィシャルガイドに「ローカルルールひな型」として、2罰打払った上での救済エリアを定義および図示していますので紹介しましょう。



ローカルルールひな型E-5 図1

見つからない球(ロストボール)

●基点
A点(球の基点):元の球がコース上に止まったと推定される地点。
B点(フェアウェイの基点):球の基点(A点)に最も近く、球の基点よりホールに近づかないプレーしているホールのフェアウェイの地点。

●救済エリアのサイズ
次の間のすべての場所。
・ホールから球の基点(A点)を通る直線(加えて、その直線から外側へ2クラブレングスの範囲)。そして、
・ホールからフェアウェイの基点(B点)を通る直線(加えて、その直線からそのフェアウェイ側へ2クラブレングスの範囲)。

●救済エリアの制限
・球の基点よりホールに近づいてならない。そして、
・ジェネラルエリアでなければならない。



ローカルルールひな型E-5 図2

アウトオブバウンズ(OB)の球

●基点
A点(球の基点):元の球がアウトオブバウンズとなったときにコースの境界線を最後に横切ったと推定される地点。
B点(フェアウェイの基点):球の基点に最も近く、球の基点よりもホールに近づかないプレーしているホールのフェアウェイの地点。

●救済エリアのサイズ
次の間のすべての場所。
・ホールから球の基点(A点)を通る直線(加えてその直線から外側へ2クラブレングスのコース上の範囲)。そして、
・ホールかフェアウェイの基点(B点)を通る直線(加えて、その直線からそのフェアウェイ側へ2クラブレングスの範囲)の間。

●救済エリアの制限
・球の基点よりホールに近づいてならない。そして、
・ジェネラルエリアでなければならない。


この定義だと救済エリアはとても広い範囲になり、ラフや林も含むことになりますが、多くの場合はフェアウェイから打ったほうが有利です。ですので、B点から2クラブレングスの範囲のフェアウェイにドロップするのが現実的かもしれませんね。いずれにせよ、フェアウェイの基点を見つけることが重要です。

では、グリーンオーバーしてOBやロストボールになってしまった場合はどうすればいいのでしょうか? この場合にも、2罰打で距離のペナルティを免除されますので、その救済エリアを紹介します。



ローカルルールひな型E-5 図3

グリーンの近くで見つからない球や
アウトオブバウンズの球

●基点
A点(球の基点):元の球がコース上にとまったと推定される、あるいはアウトオブバウンズとなったときにコースの境界線を最後に横切ったと推定される地点。
B点(フェアウェイの基点):球の基点に最も近く、球の基点よりホールに近づかないプレーしているホールのフェアウェイの地点。

●救済エリアのサイズ
次の間のすべての場所。
・ホールから球の基点(A点)を通る直線(加えて、その直線から外側へ2クラブレングスの範囲)。そして、
・ホールからフェアウェイの基点(B点)を通る直線(加えて、その直線からそのフェアウェイ側へ2クラブレングスの範囲)。

●救済エリアの制限
・球の基点よりホールに近づいてならない。そして、
・ジェネラルエリアでなければならない。


グリーンを飛び越えてOBになってしまったとしても、グリーンの手前から打てることもあるということですね。この場合もやはり、フェアウェイの基点(B点)を探すことがまずすべきことで、B点がピンの手前にあるなら、そこから2クラブレングスの範囲のフェアウェイにドロップするのが現実的です。ちなみに、いずれのケースでもドロップする際には、救済エリアがかなり広範囲になるので、球が最初に落ちた地点からかなりの距離を転がったとしても、救済エリア内であれば再ドロップする必要はありません。

最後に念を押しますが、この救済措置はあくまでも遊びのラウンドや仲間内のコンペで進行をスムーズにするためのローカルルールであり、競技では適用されませんのでお間違いのないように。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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