マメ知識

ゴルフの雑学・マメ知識知っておきたい!ゴルフボールを選ぶ際の注意点

2019.01.10

ゴルフクラブの目覚ましい進化はみなさんご存知の通りだと思いますが、実はボールも同じように進化を遂げています。いやそれどころか、スコアアップしたいならクラブではなくボールを変えるべきだという声もよく聞かれます。現実問題として、プロの世界ではボールを変えて劇的に成績が上がるというケースが少なくありません。いまや競技ゴルファーにとってクラブ選び以上に重要なのがボール選びなのです。

もちろんアマチュアゴルファーにとっても同じで、レベルアップしていきたいと思うならそれが可能なボールを使わなければなりません。「飛距離が欲しい」からといってディスタンス系のボールを使っていると、なかなかアプローチが上達しないということが起こりえるのです。そんなことにならないように、ボールに関する基本的な知識を身に付けておきましょう。

ボールには大きく分けるとディスタンス系とスピン系があります。ディスタンス系はドライバーの飛距離が伸びることを目的に作られたボールで、中身が柔らかく、カバーが硬いという特徴があります。バックスピンを抑えることで吹き上がるのを防いだり、ランを稼いでくれます。一方のスピン系はアプローチのスピン性能を重視したボールで、中の層が硬くカバーが柔らかいという特徴があります。柔らかいカバーにクラブフェースが食いつくことでスピンがかかる仕組みです。

【ディスタンス系】
→ 飛距離重視、カバー:硬い、中身:柔らかい
【スピン系】
→ スピン重視、カバー:柔らかい、中身:硬い

一見すると初心者のうちはディスタンス系、上手くなってきたらスピン系にチェンジと考えがちですが、果たしてそれでいいのか、アマチュアとプロ両方の世界で頂点を極めた星野英正プロにボール選びの基準を聞いてみました。

― 星野プロが使用ボールを選ぶときの基準を教えてください。

星野 昔とはプレースタイルが変わっているので、今だったら少しでも飛ぶボールを選びますね。ただその中でも重視したいのは柔らかさで、柔らかくてフェースに乗ってアプローチがしやすいボール。出球が思った感覚の高さで出て、スピンが凄くかかってくれるというのが自分が好むボールです。なぜアプローチで柔らかい感覚を好むかというと、アプローチは小さい動きじゃないですか。小さい動きなので、しっかりインパクトしても球が急に飛び出ないことが重要です。ゆっくり飛んでくれて、なおかつスピンがかかったら止まるんで、やっぱり柔らかさとスピンは物凄く大事です。フェースへの食いつき感があるとアプローチはやりやすいんですよ。

― 打ったとき、どこに違いを感じるんですか?

星野 一番の違いは手に伝わる硬さです。飛び(ディスタンス)系とスピン系ではまったく違いますね。ただ以前は(飛び系=硬い)だけだったのが、現在では硬くて飛ぶんだけれども、アプローチしたときには少し柔らかく感じたり、スピンがいままでよりは増えるというボールが各メーカーから出てきています。われわれプロが使うレベルのボールにも、飛びや硬さはそのままでスピンが強く入るようなボールも出てきましたが、そのぶんカバーに傷がつきやすくなったりということはありますね。

― 具体的にはどのクラブでのパフォーマンスを重視しますか?

星野 重要なのはやはりウェッジでのアプローチですね。とはいえドライバーの飛距離も欲しいので、現実的には飛距離とスピンの中間のボールということになります。

― ドライバーの飛距離はどれくらい変わるものですか?

星野 最大で5ヤードぐらいですね。少ないようですが、1ホールで5ヤードと考えれば18ホールプレーしたときだいぶ違ってきますから。

ツアープロの場合、ボールによる飛距離差はドライバーで最大5ヤードぐらいだという。

― アマチュアはどうやってボールを選べばいいですか?

星野 その人の現時点でのゴルフがどうかにかかわってきます。アマチュアの方は僕らみたいに繊細ではないと思うので、ある程度硬いボールで練習していればその感覚にすぐ慣れると思います。その逆も一緒で、柔らかさにも慣れるでしょう。ただアマチュアは基本的に硬い感覚のほうが飛んだ気になるので、そういうボールを好むという事実はありますね。

星野プロの言うように、アマチュアは飛ぶボールを使いたがるが、ドライバーの飛距離が出るぶんアプローチでスピンがかかりづらくなる。スピンの効いたピッチショットなどは物理的に打てないので、アプローチの幅が少なくなることは知っておこう。

スピン系とディスタンス系の出球

スピン系の出球

ディスタンス系の出球

ディスタンス系とスピン系ではアプローチの際のボールの打ち出し角度に大きな違いが出る。ウェッジでピッチショットを打つとディスタンス系は球離れが早いのでポン!と上に飛び出るが、スピン系はフェースにくっ付くので低く飛び出す。

― 競技志向ならやはりスピン系を選んだほうがいいですか?

星野 アマチュアの競技ゴルファーの方はショットはそこそこでいいんですよ。やっぱりアプローチが重要になってくるので、となれば柔らかいボールのほうがやりやすいでしょうね。

スピンをかけて止めたい状況が多くなるコースだとスピン系のボールが有利。

― 内部構造が3層のものや4層のものなどいろいろありますが、そのへんのこだわりはありますか?

星野 そこまで繊細に感じられないですね。こだわりというなら、いままでいろんなボールをテストしましたが、当たったときボールにある程度の重さが感じられるものがいいですね。打感が軽いボールがありますが、僕の場合それだと感覚が出ないです。そういうボールは中に芯がない練習場のボールに近いですね。

― 練習場のボールは耐久性を重視して作られていますからね。軽くて飛ばないし、スピンも入らない。コースボールとは違うということをわかっていたほうがいいですね。

星野 練習場ではボールの飛びを気にしないことですね。いい感覚をつかむというのも難しいので、練習場を基準にし過ぎないほうがいいでしょう。

もしあなたが今後上手くなっていきたいと考えるなら、ツアープロが使用しているボールがおすすめです。ツアーモデルのボールであればスピン性能は問題ありませんから、いまはできなくても将来的にスピンの効いたアプローチショットが打てるようになる可能性があります。ツアープロが使うクラブはオーバースペックになってしまうので真似できませんが、ボールは積極的に真似しましょう。飛距離が欲しいのなら、ツアーモデルの中でのディスタンス系を選ぶことです。難しいコースほどスピンの効いたアプローチが必要になるので、そういうコースでプレーする機会が多いゴルファーならなおさらスピン系にしたほうがスコアメークできると思います。

星野英正プロ

精度の高いスイングが持ち味で、アマチュア時代は日本アマ3勝を含む52勝。プロ入り後はツアー3勝を挙げている。ツアーきっての理論家としても知られる。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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