マメ知識

ゴルフの雑学・マメ知識こんなに変わった!新・ゴルフ規則の驚くべき中身

2018.12.06

2019年1月1日から、いよいよ新しいゴルフ規則が施行されます。かなり大幅な改正なので、しっかりと頭に入れておきたいところです。そこでアマチュアゴルファーにも関係してくる主な変更点を紹介しましょう。

ペナルティーエリアという新しい概念の登場

まず最初にコースの名称が変わったことを知っておきましょう。現在のティーインググラウンドはティーイングエリアと名称が変わり、現在のウォーターハザードはペナルティーエリアと呼ばれるようになります。現在、池やクリークといった水域に限定されているウォーターハザードは、ブッシュや崖、球を見つけることが困難な雑木林などを含むペナルティーエリアという新しい概念に変わり、1打の罰でラテラルウォーターハザードと同様の救済処置(対岸の処置は使えない)が受けられるようになりました。なお、ペナルティーエリアの球をそのまま打つ場合には、クラブを地面や水面につけることができますし、ルースインペディメントを取り除くこともできます。このティーイングエリアと ペナルティーエリア、それからバンカーとパッティンググリーンが4つの特定エリアとなり、それ以外の場所はジェネラルエリアと呼びます。

旗竿を立てたままプレーすることが可能になった

新しいルールでは旗竿を立てたままパッティングすることが可能になりますが、これが今回の改正で議論を呼びそうな項目であり、日ごろのプレーにも大きくかかわってきます。本来はロングパットを残した場合に、誰かが旗竿に付き添ってくれるのを待つ時間を短縮する、という狙いがあるのですが、旗竿を刺したままパッティングしたほうがカップインする確率が高くなるという説もあって、特にショートパットで旗竿を刺したままパッティングするケースが増えることが予想されます。ずっと刺したままなら問題ありませんが、一度抜いた旗竿を刺し直したり、プレーヤーによって刺したり刺さなかったりしていると、かえって時間がかかってしまう可能性もあり、しばらくは混乱が続きそうです。

ボールが動いた、動かない、というトラブルがなくなる?

ボールが動いた、動かない、というトラブルはたびたび起こりますが、これに関するルールが緩和されたのが今回の改正の最大の特徴といえるかもしれません。まずグリーン上のボールですが、ストロークする気がないのにパターでボールを押してしまったり、マークしたり戻したりする際にボールを動かしてしまうことはよくありますが、これについての罰はなくなります。偶然動かしたボールは元の位置にリプレースしてプレーします。またラフなどを捜索中に、自分のボールを踏んだり蹴飛ばしたりすることがありますが、これも無罰で元の位置にリプレースしてプレーすることになります。場所がどこであれ、ボールが動いた場合にはプレーヤーが原因なのか、それとも他の原因があるのかの判断が難しいことが多々ありますが、新しい規則ではプレーヤーが動かしたという95%以上の明確な証拠がない限り、プレーヤーがボールを動かす原因になったと扱われません。つまり誤ってボールを動かしてしまっても、多くの場合、リプレースのうえ無罰でプレーを再開できることになります。

OBを打っても前進してプレーができる

次に大きな変更といえるのは、OBやロストボールになってしまった場合に、ボールが紛失もしくはOBとなった場所の近くに、2打の罰でドロップできるローカルルールの採用が可能になったことです。これにより狭くて両サイドがOBのホールなどで、OBを連発して前に進まない!という事態を避けることができます。プロの競技やエリートレベルの競技は対象としていませんが、一般アマチュアの進行がスムーズになるのは確実でしょう。

バンカーが苦手ならアンプレアブルという手もあり

同じくビギナーのアマチュアの救済措置として、バンカー内のボールでもアンプレアブルを宣言すればバンカー外から打てることになりました。もちろん2打の罰はありますが、アゴが高すぎて何発打っても脱出できない、といったことは避けられます。「打てない」と思ったら、ホールとボールのある場所を結んだバンカー外の延長線上に基点を定め、そこから1クラブレングス以内でホールに近づかない救済エリアにドロップしてからプレーしましょう。ドロップは新たに膝の高さから行うように定められました。その他にバンカーに関するルールとしては、ルースインペディメント(木の葉や石などの自然物)を動かしたり、誤って手やクラブで砂に触れることについての罰はなくなります。ただし、今まで通りソールをして打つことはできないので気を付けてください。

後ろにキャディを立たせてスタンスをとるのはNG

グリーン上でラインに触れた触れないというのもよくあるトラブルですが、新しい規則ではたとえ触れたとしても、その状態を改善する意志がなければ無罰です。スパイクマークを修理できるようになりましたし、プレーヤーの承認なくキャディがマークして拾い上げることも可能になりました。キャディに関するルールとしてはさらに、ストロークしたボールが偶然自分のキャディや用具に当たっても罰がなくなりました。キャディを飛球線後方に立たせてアライメントをチェックすることはできなくなりました。後ろに人を立たせてスタンスをとること自体が違反であり、たとえキャディーが別の場所に移動したとしても罰は免れません。その代わりといっては何ですが、距離計測器の使用は2点間の距離を計測することのみ、原則として認められることになりました。その一方で、委員会はローカルルールでその使用を禁じることもできます。距離計測器に他の計測機能がついていたとしても、2点間の距離を計測する機能以外のものを使用しなければ違反にはなりません。

その他でふだんのプレーにかかわってきそうなものというと、2度打ちの罰がなくなりました。グリーン周りのアプローチなどで2度打ちしてしまうことがありますが、そのストロークを1回と数えるだけでOKです。またジェネラルエリアで地面に食い込んだボールは、罰なしで救済を受けられ、その際にボールを取り換えることもできます。

いかがですか? これまで物議をかもすことことが多かった事例の多くが無罰になるなど、かなり思い切った改正であることがご理解いただけたらと思います。この新しいゴルフ規則によってプレーがスムーズになり、ビギナーでも気軽にゴルフを楽しむことができるようになれば、まさに狙い通りなのですが、果たして思惑通りにいくのか。いずれにせよ2019年はゴルフというスポーツが生まれ変わる「ゴルフ元年」ともいうべき年になりそうな気配です。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

イラスト:野村タケオ

「マメ知識」の記事一覧へ