世のゴルファーの飛ばしに対する飽くなき情熱によって進化を続けるゴルフクラブ。イマドキのドライバーにどのようなテクノロジーが搭載されているかというと、「ヘッド自体をたわませる」というのが流行です。
ご存じのように、クラブには反発係数規制があって、2008年1月1日から反発係数が0.83を超える「高反発クラブ」は公式競技で使用できなくなりました。この規制が開発の現場にどういう変化をもたらしたかというと、それまではクラブフェースを限界まで薄くして弾きを良くすることが主眼でしたが、それが禁じ手になったので、それ以外に飛ばしのメカニズムを探し始めたのです。
高反発フェースのイメージ

限界まで薄くしたフェースがトランポリンのようにボールを弾く
こういった状況のなか考案されたのが、ヘッド自体をたわませるという発想です。それまでにクラブを長くしたり、短くしたりといった試行錯誤が繰り返されましたが、ここにきて、クラブヘッドの性能を変えずにボール初速を速くするためには、ヘッド自体の反発を良くするのが一番だという結論に辿り着いたわけですね。つまりフェースがトランポリンのようにボールを跳ね返すというイメージから、クラブヘッド全体がトランポリンになるイメージへとシフトしたのです。
高反発ヘッドのイメージ

ヘッド全体がたわむことでトランポリンのようにボールを弾く
ではどのようにたわませるのかというと、そこは各メーカーの腕の見せ所ですが、当初よく見られたのは、クラウン部分の素材を薄くすることで柔らかくし、ボールと衝突したときにいったんつぶれさせて、それが復元することでトランポリン効果を得るという発想です。それから一歩進んで、ソールも柔らかいドライバーも登場しました。つまり上も下も同時に潰れて戻るというメカニズムで、クラウンやソールにスリット(切れ込み)を入れて、よりたわむようにしている最新モデルなどもあります。メーカー各社はそれぞれ独自の方法でたわみを作ろうとしていますが、基本的な考え方としては「ヘッド全体をたわませる」ことが最新ドライバーのテクノロジーの主流といっていいでしょう。
これらのハイテククラブをどう使いこなすかですが、力任せに打つのではなく、スムーズに振ることがポイントになります。昔のドライバーは重かったのである程度力が必要でしたが、イマドキのドライバーは軽いので、スイングするのにさほど力は要りません。フェースにまっすぐ当たれば、あとはクラブが仕事をしてくれるので、力まず、軸をずらさずに振ればいいのです。ジャストミートすることが、最大飛距離を得るためのコツです。