マメ知識

ゴルフの雑学・マメ知識カーボンシャフトの性格は
どこで決まる?リシャフトのポイント

2011.09.28

プロや上級者のようにドライバーのシャフトをリシャフトしてみたいと思ったことはありませんか?
でもシャフトのことはそれほど詳しく知らないし、本当に効果があるのがいまひとつ疑問だ、なんて方も多いと思います。
今回はそんなゴルファーのために、カーボンシャフトについて少しお話ししようと思います。

まずは構造ですが、カーボンシャフトはカーボンシートを巻き付けて筒状にしたものです。1枚の大きなシートを単純に巻いただけではなく、織り方や弾性の異なるさまざまなシートを組み合わせることで、しなり方に個性を出しています。
バリエーションはそれこそ無限に作れるので、まったく同じしなり方をするシャフトはありません。
ですから自分のスイングタイプやタイミングに合ったシャフトを選ぶことが重要です。

1:kick point

シャフトの性質を知る手がかりになるのが「調子」「フレックス」「トルク」「重さ」といった要素です。
調子には「手元調子」「中調子」「先調子」などがありますが、これはどこを中心にしなるかの目安で、「手元調子」のシャフトは比較的グリップに近い部分が中心となってしなり、「先調子」のシャフトはクラブヘッドに近い部分が中心となってしなります。
「先中調子」などというのもありますが、あれは先端と真ん中の間にしなりの中心があるということですね。
なぜこのようにしなりの中心を変えるかというと、リストワークをあまり使わないタイプは手元がよくしなったほうがタイミングを取りやすく距離も出るのに対し、リストワークをよく使うタイプは先端がしなったほうが曲げずに飛ばせるといった違いがあるからです

2:flex

フレックスは硬さの目安です。
シャフトの硬さは振動数といって、太いほう(バット側)を固定しておいてから細いほう(チップ側)を揺らし、1分間に何回振動するかの数値で表されます。
振動数が多ければ硬いシャフト、少なければ柔らかいシャフトということですね。
硬いシャフトから順にX(extra stiff),S(stiff)、R(regular)と分類されますが、振動数がいくつからいくつまでならSといった基準はなく、同じフレックスでもメーカーやブランドによって体感する硬さは違います。

3:torque

揺れ方の尺度である振動数に対し、トルクはねじれのことです。
一定の力がかかったときに、どのぐらいねじれるかを角度で表示したものがトルクと考えればいいでしょう。
トルクが大きければフェースターンがしやすいのでボールがつかまりやすく、トルクが小さいと引っかかりにくくなります。
一般のアマチュアにとって使いやすい標準的なトルクは4.0~5.0ぐらい。
それ以上数値が大きければスライスしにくいシャフト、小さければフックしにくいシャフトです。男子プロが使うねじれの少ないシャフトのトルクは2.5ぐらいで、アベレージゴルファーがこのようなシャフトで打つと、フェースが返らず右にしか飛ばないでしょう。

4:weight

重さとは文字通りシャフトの重量のことで、これが最もボールの行方に影響を及ぼすといっても過言ではありません。
というのは人それぞれ振りやすい重さがあって、その重さよりも重たいクラブは振り切れませんし、軽いクラブは振れ過ぎて暴れてしまうのです。
ごく普通の体力の人が振りやすいのは総重量が300グラムぐらいのドライバーですが、ヘッドが約200グラム、グリップが約50グラムなので、300-200-50=50グラムぐらいのシャフトを基準に考えればいいということです。
標準より少し力があれば60グラムのシャフトで総重量310グラムのドライバーが合いますし、力がなければ40グラムのシャフトで総重量290グラムのドライバーが合うのです。シャフトが軽くなるとそれだけヘッドも効いてきますから、スイングができていないうちは軽いシャフトを使ったほうが上達が早いかもしれません。

この他、しなるスピードが比較的遅い「粘り系」、ピンと弾くようなしなり方をする「弾き系」など、シャフトの性質を知る手がかりはいろいろありますが、自分に合っているかいないかは打ってみないとわからないというのが現実です。
しかし種類が多すぎるので、候補をある程度絞り込んでおくことが必要でしょう。
先調子が合う人が元調子を試打するのは時間の無駄だからです。
自分に合う調子、振りやすい重さ、せめてこれだけは知っておくといいでしょう。

ピッタリ合ったシャフトに出会ったときの気持ち良さは格別なもの。
レベルにかかわらず、ぜひリシャフトにトライしてみてください。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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