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ゴルフの雑学・マメ知識打球の行方はどんな要素で決まるのか?

2010.04.08

いったん曲がり始めると、とことん曲がるのがゴルフ。そんなときには「どうやったらまっすぐ飛ぶんだよ~」なんて誰かに助けを求めたくなっちゃいますよね。もちろん誰も助けてはくれないんですけど、せめて打球の行方はどんな要素で決定されるのかぐらい知っておけば、少しは頼りになるかもしれません。

打球の行方はゴルファーの技量で決まる?まあそうなんですけど、今回のテーマはそこではなくて、物理的な問題です。

物理的にいえば、クラブヘッドとボールが衝突し、ボールが潰れて反発し、回転がかかった状態で飛び出していくという現象が起こります。そのときの速度、飛び出す角度、そしてボールにかかる回転でボールの行方はほぼ決定されるのです。

ボールが曲がるというのは、打ち出しが左右にずれることと、ボールにサイドスピンがかかることで起こります。たとえばスライスボールというのは右回りの回転がかかっているんですよ。ちなみにスピン量というのは1分間の回転数で表示するんですが、サイドスピンが500回転以内ならまっすぐといえる弾道、1000回転以内ならドローやフェードといった弾道、1500回転を超えるとフック、スライスと呼びたくなる弾道という感じですね。

でスライスですが、OBゾーンに消えていくボールというのは、右回転のサイドスピン(スライススピンといいます)が2000回転以上かかっているような弾道なんです。

ではサイドスピンが0なら曲がらない球かというとそうではなくて、左右の打ち出し角度が3度以上あるとけっこう見当はずれなところに飛んでってしまいますね。プッシュとかプルとかいうアレです。打ち出し角度が右5度ならプッシュ、左に5度ならプルです。これにサイドスピンが加わると、プッシュスライス、プルフックなどというあまり嬉しくない弾道になってしまうんですね。

では打ち出しがまっすぐでサイドスピンが0ならストレートボールかというと、正確にはそうでもありません。なぜかというと、ボールは上下にも曲がるからです。ここではバックスピンという要素が関係してきまして、ドライバーの場合、適正なスピン量は毎分約2500回転といわれているんですが、4000回転ぐらい入ってしまうと上に曲がった球、つまりテンプラなんですね。そして1000回転入らないのが下に曲がる球、いわゆるドロップというやつです。クラブの芯より下でインパクトするとバックスピンがかかり、芯より上でインパクトするとバックスピンが減るので覚えておいてください。

さあ、では「飛ぶ」というのはどういう状態なのでしょうか。実は「初速」「打ち出し角」「スピン量」という3つの要素を「飛びの3要素」と言いまして、これらの条件が理想的になったときボールというのは最も遠くに飛ぶわけなんです。一般的には「高打ち出し」「低スピン」が飛びの条件と言われていますね。

初速は打ち出した直後のボールのスピードで、これは秒速で表示します。プロゴルファーはだいたい70m/s前後で、一般アマチュアの男性は60m/sぐらいですね。飛ぶためにはこの初速が一番重要で、初速が上がれば飛ぶ可能性は広がります。ただ、だからといってハードヒットすればいいものではなく、打ち出し角とスピン量を適正値にキープしたうえで初速を上げることが大事です。

飛ぶために理想的な打ち出し角は、初速によっても違いますが、だいたい15度ぐらいと考えておけばいいでしょう。プロの低いドライバーショットは12度ぐらい、アマチュアがよく打つポーンと高く上がる弾道で18度ぐらいですね。初速が遅いほど高く打ち出さないと飛ばないので、初速50m/s前後の一般的な女性が飛ばすには18度ぐらいの打ち出し角を目指すといいでしょう。

そしてさっきも触れたスピン量ですが、これはボールの浮力だと考えるとわかりやすいと思います。ドライバーショットで適正なのは2500回転前後で、初速が速いほど2500回転より少ないほうが飛ぶし、初速が遅いと2500回転より多いほうが飛びます。

とまあ、こういう要素でボールの行方はほぼ決まるのですが、「ほぼ」といったのはその他にも要素があるからでして、大きいのは風ですね。アゲンストのときにスピン量の多い球を打つと戻されてしまいますし、高い球を打てばそれだけ風の影響を受けます。

それから地面の硬さも関係してきます。軟らかければランが出ないので打ち出し角の大きいキャリーの出る球で攻めるべきですし、硬ければ低く打っておけば安全に距離を稼げるなど、状況に応じて球質を変えていくことが必要です。

え?どうしたらまっすぐ打てるのかって?それに関してはまた改めて!


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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