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独自の技術で、
もっと遠くへ。
eVTOL用
パワーユニットの
研究開発。

開発ストーリー

空の移動を身近にする電動垂直離着陸機、eVTOL。
Hondaは、航続距離などの利便性を左右するのは、パワーユニットだと考えます。
航空エンジンやF1のパワーユニット技術を注ぎ込み、
都市間の長距離飛行を叶える
革新的なeVTOL用ハイブリッドシステムを。
Honda eVTOLは、
空の移動に新しい価値を提供します。

ハイブリッドeVTOL

都市間移動の
変革。

400km以上の移動をより速く、より便利に。
都市間移動に大きな価値をもたらす
Hondaの挑戦とは。

航続距離400km。
長く飛ぶためのハイブリッドeVTOL。

eVTOLはスタートアップを中心にさまざまな企業が開発をしています。その多くがAll Electric eVTOLと呼ばれる、バッテリーの電力のみで飛行するタイプで航続距離は100km程度の近距離飛行に限定されます。一方で、マーケットリサーチの結果、eVTOLによる移動の需要が大きいのは、最大400km程度の都市間移動であることがわかりました。しかし、現在も今後20年でも、バッテリーのみで長距離を飛行することは困難と考えられます。そこでHondaは、ガスタービン発電機とバッテリーを利用したパワーユニットを採用することで、長い航続距離を可能とするハイブリッドeVTOLを開発することにしました。

一般的に飛行機を利用するのは400km以上の移動の際が多く、例えば北米では400kmまではクルマで3~4時間かけて移動します。ハイブリッドeVTOLはヘリコプターのように一定のスペースがあれば離着陸できるため、施設の屋上など身近な場所で乗り降りでき、巡航速度はクルマの2倍以上。400kmの移動時間を2時間程度に短縮し、大きな価値を提供できます。こうした都市間移動のニーズは、北米だけでなく他の地域にも存在しています。

コアとなるのは、
航空エンジンやF1の技術。

ハイブリッドeVTOLを選択したもう一つの理由は、Hondaが持つコア技術。さまざまなモビリティーに関する、あらゆる専門性を持ったエンジニアが切磋琢磨して生まれた独自の技術によって、画期的なガスタービン・ハイブリッドシステムの開発が可能になりました。

ガスタービンエンジン技術

Hondaは、1986年から航空エンジンの研究を開始し、2003年に独自開発した航空エンジンHF118-2が、HondaJet実験機に搭載され初飛行に成功しました。そしてHF118-2の技術を携え、ゼネラル・エレクトリック社(GE)とHF120の共同開発を開始し、2013年に米国連邦航空局(FAA)の型式認定を取得しました。現在は、HondaJetに搭載され世界中で飛んでいます。こうして培ってきた航空エンジンの空力や燃焼などの技術をガスタービン発電機のエンジンに活用しています。
※FAA:Federal Aviation Administration

HF120

Hondaが開発したHF118-2をベースに、ゼネラル・エレクトリック社(GE)とHondaが共同開発し、クラストップの燃費・環境性・耐久性を実現した小型ターボファンエンジンです。

電動化技術

Hondaは数多くのハイブリッド車を世界中のお客様に提供してきました。また、F1レースにおいて究極ともいえるハイブリッド・パワーユニットを開発してきました。ここで培ったモーターやバッテリー・エネルギーマネジメントに関する技術をeVTOL用に最適化し、超高回転のガスタービン発電機には、F1パワーユニットのエネルギー回生技術が活かされています。

認定取得経験

型式認定を取得するには、設計や解析に関する手順や、材料・部品の調達および製造、パワーユニットの組み立てや払い出し、部品のトレーサビリティーに至るまでの厳格な品質管理が求められます。その点Hondaは、ゼネラル・エレクトリック社(GE)と共同で開発したHF120での認定取得経験があります。この経験があることで、当局が定める強度・性能・安全性・機能・信頼性などに関する厳格な基準を考慮した開発や評価に役立てることが可能となります。

ガスタービン・ハイブリッド技術

ひとつ先を
いく。

多くの技術を結集し、
Hondaでしか成し得ないパワーユニットを。
経験と創造で、先をいく。

長距離移動を叶える電動化技術、
ガスタービン・ハイブリッド技術。

Honda eVTOLに搭載されるパワーユニットは、ガスタービン発電機とバッテリーによる電力でプロペラ(ローター)を回すモーターを駆動し、揚力と推力を生み出すシリーズ・ハイブリッドシステム。大きな出力が求められる垂直離着陸時にはガスタービン発電機とバッテリーの電力を組み合わせ、高度を確保した後のクルーズ時には、発電した電力をバッテリーに蓄えながらモーターを駆動して飛行します。より少ない燃料で、より長距離を安全に飛行できるように、eVTOLに適したエネルギーマネジメントを追求しています。


  • ■イメージ図

軽量、超高回転、高効率。
独自のガスタービン発電機。

長距離移動に欠かせないガスタービンエンジンの軽量・コンパクト化や高効率化に向けては、長年の航空エンジン開発の中で培ってきた空力技術と燃焼技術を活用しています。

空力技術:
吸入した空気を燃焼に適した圧力まで上昇させる「圧縮機」や燃焼ガスからジェネレーターを回転させる力を取り出す「タービン」に活用
燃焼技術:
圧縮した空気と燃料を混合して燃焼エネルギーを発生させる「燃焼器」へ活用

また、ジェネレーターの軽量化や高効率化に向けては、F1のパワーユニット・コンポーネントのひとつであるMGU-Hの技術を活用しています。ハイブリッド車に搭載されるレシプロエンジンの回転数は1分間に数千回転ですが、Honda eVTOLに搭載されるガスタービン発電機の回転数は数万回転となり、出力密度も量産ハイブリッド車の10倍以上に高められています。
※MGU-H:Motor Generator Unit Heat エンジンの排気ガスを電気エネルギーに変換する回生システム

航続距離に直結する
軽量化を徹底。

空を飛ぶ乗り物にとって重量は航続距離などの性能に直結します。そのため、機体とともにガスタービン・ハイブリッドシステムの軽量・コンパクト化も追求。ガスタービン発電機は長年培ってきた空力技術・燃焼技術によるエンジンの効率向上や、減速機構などを設けずにジェネレーターを直結させた一体構造とすることで、コンパクト化を実現しています。またバッテリーは、ハイブリッドに適した特性として出力側に振り向けたセルを採用し、さらに重量あたりの出力密度を高めることで軽量化を実現。性能と軽量化の両立のためにF1用バッテリーのパック化技術を活用しています。

空にも、空以外にも、
カーボンニュートラルを。

空の領域においてもCO2排出削減が世界的な課題となっています。Hondaは、クルマなどの地上のモビリティーでは電動化を推し進め、電動化が難しい航空機ではハイブリッド技術を取り入れることで環境負荷を低減するとともに、大気中のCO2および再生可能エネルギー由来の水素から生成する持続可能な航空燃料(SAF)の研究を行っています。

Honda eVTOLはガスタービン発電機の燃費性能やハイブリッドシステムのエネルギーマネジメント最適化によって燃料消費を抑えるとともに、最終的にはSAF100%の燃料を使用することでカーボンニュートラルの達成をめざしています。

そして、空のカーボンニュートラルに貢献できるのであれば、将来的には他のアプリケーションへの展開も検討していきたいと考えています。また、広い視野で捉えれば、このパワーユニット技術は空以外においても新しい価値を生み出せる。そういう想いでこれからも技術を磨き続けていきます。
※SAF:Sustainable Aviation Fuel 持続可能な航空燃料
■数値はすべてHonda測定値。

Honda eVTOL ガスタービン・ハイブリッドシステム 開発チーム
お名前
株式会社 本田技術研究所
先進パワーユニット・エネルギー研究所
ガスタービン・ハイブリッドシステム
開発責任者
邉 英智
お名前
株式会社 本田技術研究所
先進パワーユニット・エネルギー研究所
ガスタービン・ハイブリッドシステム
開発責任者代行
朴 辰洛

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