ウサギアイナメ
分類
スズキ目カジカ亜目アイナメ科アイナメ属
学名
Hexagrammos lagocephalus
別名
アブラッコ、アブラコ、ハゴトコ、シジュウ、シンジョ、ホッカイアブラコ、アカアイナメ
分布
北海道の全沿岸域に分布。
大きさ
最大で80cmになる。
釣期
周年釣れるが、産卵期にあたる8月前後と厳寒期には釣れにくくなる。
棲んでいる場所
沿岸岩礁域で、同属のアイナメ(H. otakii)やスジアイナメ(H. octogrammus)よりも深い場所に棲む。
生活史
産卵期は7~9月で、雄は岩盤や大岩の上部などの潮流がよく当たる海底にナワバリを構え、複数の雌を迎え入れて沈性の粘着卵を産みつけさせる。卵は互いにくっつき合って卵塊となり、雄は仔魚がふ化するまで卵塊を守る。10~11月に7~9mmでふ化した仔魚は浮遊生活を送り、稚魚になると小群で表層を泳ぎ動物プランクトンを食べる。20mmを超える稚魚は表層で採集されなくなるため、底生生活への移行サイズは他のアイナメ科魚類よりも小さいと考えられる。稚魚は浅い藻場や転石帯などに着底し、成長に伴って成魚と同じやや深い岩礁帯に移動して甲殻類をはじめとする底生動物を食べる。成長に関しては不明な点が多いが、寿命は10年前後と考えられている。
特徴
日本に分布するアイナメ属魚類のうち、体の側線が5本あるものは、本種のほかアイナメ、スジアイナメ、エゾアイナメ(H. stelleri)の4種である。うち、アイナメ・エゾアイナメとは尾ビレ後縁が丸い(アイナメ等ではまっすぐか浅く湾入する)ことで、スジアイナメとは上から4番目の側線が長くて臀ビレ基部をはるかに越えること(スジアイナメでは短くて臀ビレ起部にはるか達しない)で見分けることができる。また、鱗が小さくて側線有孔鱗数が97~112(スジアイナメでは86~94)であることもスジアイナメとの見分けでは有効。体色は褐色系のものが多いが、緑色がかったものや鮮やかな紅色のものなど変化に富む。
主な釣り方
釣り方はエサ釣りとルアー釣りに大別される。エサ釣りは、イソメエサのミャク釣りやブッコミ釣り、オモリとハリが一体となったブラーやブラクリ釣りなど多彩な釣り方でねらえる。また、北海道のロックフィッシュゲーム(ルアーによる根魚釣り)の対象として近年人気が高まっており、ライトクラスのシーバスタックルやロックフィッシュ専用タックルでねらう。ワームを使用して根掛かりが多い場所を攻めることから、ジグヘッドよりも、フックとシンカーが分離したテキサスリグやキャロライナリグが有効。ワームはアピール力が強い大型が効果を発揮する傾向があり、10インチのワームが実績を挙げたこともある。本種はアイナメなどの近縁種よりもよりタイトにストラクチャーについているので、ルアー釣り・エサ釣りともどこまで根掛かりをおそれずにポイントを攻め切れるかに釣果がかかっている。
美味しい食べ方
旬は夏~秋。やや水分が多い白身で、鮮度落ちが早くすぐに柔らかくなる。刺身では旨味が薄くて堅い皮をひくのはやや難儀。しかし、厚い皮はゼラチン質に富んで旨味があるので、皮ごと煮付けや汁物にすると旨い。焼き物では、ふり塩をして1時間以上おいてから遠火でじっくりと焼き上げると旨い。塩焼きでは旨味が物足りないという方には、味噌漬けや幽庵焼きをお勧めする。フライやムニエルはあっさりとして魚臭さが全くないので魚嫌いにもお勧め。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。