ソウハチ
分類
カレイ目カレイ科アカガレイ属
学名
Hippoglossoides pinetorum
別名
エテガレイ、キツネ、シロカレイ、メダカ、ガンブツ
分布
北海道全沿岸、青森県から対馬海峡までの日本海沿岸、青森県から福島県までの太平洋沿岸に分布。
大きさ
最大で約50cmになる。
釣期
5~7月と9~11月が最盛期。
棲んでいる場所
水深10~250mまでの砂泥底に棲み、分布の中心は季節によって変わる。
生活史
産卵期は、山陰沖で2~3月、佐渡海峡で4~6月、北海道太平洋沿岸で6~9月と地域によって異なり、特に秋季の産卵はカレイ類としては特異的である。産卵場の水深は日本海北部で水深60m付近。直径0.87~0.92mmの分離浮性卵を産み、孵化直後の仔魚は3.0~3.2mm。14mm前後から変態が進み、石狩湾では8~9月に着底直後の20mm前後の稚魚が水深30~70mで採集される。石狩湾における成長は日本海などよりも遅いが、満3歳で雄13cm・雌15cm、4歳で雄16cm・雌18cm、5歳で雄18cm・雌21cmと、雌は雄よりも成長が速い。初めて成熟する大きさは雄12~21cm、雌17~27cmで個体差が大きい。カレイ類としては特異的に浮遊性のエサを好み、オキアミ類・エビ類・イカ類や小型魚類を捕食する。
特徴
カレイの仲間としては口が大きく、歯は有眼側・無眼側ともによく発達する。有眼側には顕著な模様はなく、尾ビレ後端は中央部が突出する。上眼は頭部背縁にあり、眼の上に鱗がない。背ビレ起部は上眼の後半部にある。胸ビレ中央部軟条の先端は分岐する。背ビレは64~79軟条、臀ビレは45~61軟条、有孔側線鱗数は70~86。底引き網や刺網で多く漁獲される重要な水産物で、加工品は全国に流通している。
主な釣り方
沖釣り専門のターゲットで、北海道では人気の釣り物。カレイ釣りとしてはユニークなフラッシャーサビキを使うもので、海底を離れて浮遊生物を捕食する本種の生態にかなった釣法である。サオはオモリ負荷80~100号の深場用で長い仕掛けに対応する3m前後、中大型電動リールに道糸はPE4~6号を使用。オモリは60~150号を水深に応じて使い分ける。仕掛けは市販のソウハチ専用6~8本バリのフラッシャーサビキで、状況によって小さなイカタンをつけるのも一手。噴火湾では、テンビンを使った一般的なカレイのエサ釣りスタイルで、他のカレイ類とともにねらう。エサは、イソメ類、サンマ・サバや赤染めのイカのタンザクなど。
美味しい食べ方
旬は晩秋~冬で、白身でやや水っぽく鮮度が落ちやすい。鮮度がよければ刺身でいける。水っぽいので煮物より焼き物に向く。塩焼きは、振り塩をして時間を置いてから焼くとさらに旨くなる。カレイ類を代表する干物原魚で、干物は魚通をうならせる独特の味わいがある。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。