シロアマダイ
分類
スズキ目スズキ亜目アマダイ科アマダイ属
学名
Branchiostegus albus
別名
シラカワ、シログジ、シロカワ、ドウマン、シロクズナ、オキツダイ
  • 特 徴
分布
若狭湾から九州西岸までの日本海・東シナ海沿岸、鹿島灘、相模湾、駿河湾、紀伊水道から豊後水道までの太平洋沿岸に分布。
大きさ
最大で65cmになるが、通常は40cm前後。
釣期
9~翌年5月で、ベストシーズンは晩秋から冬にかけて。
棲んでいる場所
水深30~100mの砂~砂泥底を好む。
生活史
産卵期は12~翌年5月と長期にわたり、東シナ海における盛期は3~4月、本州沿岸ではそれよりやや遅れる。生殖腺の熟度指数には、12月頃と4月頃の2度のピークがみられるとの知見があるが、同一個体が2回産卵するのか、早期と晩期に別個体が産卵するのかは分かっていない。また、卵や仔稚魚などの初期生態についてもほとんどが明らかにされていない。
成長には明瞭な雌雄差がみられ、雄の成長が雌を上回る。雄は1歳で19cm、3歳で37cm、5歳で46cm、7歳で50cmになり、雌は1歳で16cm、3歳で31cm、5歳で39cm、7歳で45cmになる。この成長速度は同属のアカアマダイ(B. japonicus)より著しく早く、4歳でアカアマダイの大型サイズに並ぶ。寿命はアカアマダイとほぼ同じで、8~9歳と考えられる。
海底直上を遊泳し、甲殻類や多毛類などを食べる。巣穴を掘る習性は確認されていない。
特徴
アカアマダイに似るが、次の特徴から区別することができる。眼の後方に模様はない(アカアマダイは銀白色の三角形斑がある)。体色は薄桃色で白っぽく見える(鮮やかなピンク色~赤褐色)。尾ビレには黄色い点列~細かな縞模様が広範囲にあり、上端は白い(黄色い5~6本の縦線が走り、下葉は無斑で上端は赤い)。頬には鱗がある。眼は小さい。また、アカアマダイよりも大型になり、全長60cm、体重3kgを超える超大物が時おり姿をみせる。
他のアマダイ類に比べて生息水深が浅いうえに経済価値が非常に高いため長年にわたり強い漁獲圧がかかっており、資源量が減少している。近年は中国や台湾からの輸入量が国内生産量を上回っている。
主な釣り方
多くの沖釣り師が一度は釣りたいと憧れる「超」がつく高級魚。アマダイ釣りのタックルがそのまま使え、片テンビンに吹き流しの2本バリ仕掛けが一般的。エサは、魚の身エサやイソメ類など様々な実績はあるものの、定番のオキアミが間違いない。ねらって釣れる魚ではないが、「幻」というレベルでもないので、アマダイ釣りに出たら仕掛けもエサもそのままで40~50mの浅い砂地を探ってみるとよい。そんな気軽なアプローチで複数枚を手にした幸運な釣り人がいる。宝くじは買わなきゃ当たらない。
美味しい食べ方
和食における最高級の魚と位置づけられており、味の評価も価格も最高クラスである。身はアマダイ類の中で一番しっかりしており、刺身や焼霜造りで豊かな旨味と独特な甘みが堪能できる。だが、真骨頂は熱を通した料理で、シンプルな味つけの酒蒸しや一夜干しの塩焼き、昆布とカツオ出汁の吸い物などでこの魚の素晴らしさを味わい尽くせる。頭やアラも捨てるものではなく、焼いて煮だすと濃厚なのに嫌味がないスープがとれ、味噌汁にしても極上の味が楽しめる。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴