ヌマガレイ
分類
カレイ目カレイ科ヌマガレイ属
学名
Platichthys stellatus
別名
ガサガサガレイ、ゴソガレイ、タカノハ、カワガレイ、カタガレイ、ツギリガレイ、アツゲショウ
分布
北海道全沿岸、青森県から島根県中海までの日本海沿岸、青森県から千葉県九十九里浜までの太平洋沿岸、神奈川県三崎に分布。
大きさ
最大で95cmになる。
釣期
周年にわたって釣れるが、6月が最盛期。
棲んでいる場所
沿岸の浅海域~汽水・淡水域の砂泥底に棲む。
生活史
産卵期は北海道で2~3月で、沿岸浅所で直径1mm前後の分離浮性卵を産む。ふ化直後の仔魚は3mm前後で、眼は普通の魚のように左右についているが、7~10mmになると早くも片側への移動が始まる。浮遊生活期の仔稚魚はかいあし類などの動物プランクトンを捕食する。変態後は浅い砂浜域に着底し、底生動物を捕食して成長する。小型のものはヨコエビ類や多毛類を好んで食べ、成長に伴ってエビ類、貝類、魚類へと食性が変化する。成長には雌雄差があり、雌では満1歳で11cm、3歳で31cm、5歳で44cm、6歳で49cm前後となり、雄はこれよりも成長が遅い。産卵期以外は河川の中下流域や海につながった湖沼で生活するものが多く、北海道では初冬に川や湖から沿岸域への明瞭な移動がみられる。
特徴
陸っぱりでねらえるカレイとしては日本最大級で、ヒラメ類の様に眼が体の左側にあり、川や湖などの純淡水域でも普通に生活する北海の異端児である。ただし、アラスカ産では30%、カリフォルニア産では50%のものが右側に眼をもち、交雑実験から眼のつき方は遺伝によって支配されていることが明らかにされている。体の表面には多数の粗雑な骨板が散在し、特に背ビレ・臀ビレの基底に沿うものは著しく隆起する。地方名のガサガサガレイは、この特徴から名づけられたものである。また、背ビレ・臀ビレに並ぶ明瞭な黒色帯列が鷹の羽根を連想することから「タカノハガレイ」、ヒレの紋が明瞭なことから「アツゲショウ」などの別名をもつ。
主な釣り方
浅場、川や湖にいるものは投げ釣りでねらう。遠投の必要はないが、オモリ負荷25号、3.9m前後の投げザオと投げ専用スピニングリールを使えば万全。道糸はナイロン4号以上かPE1.5号以上に力糸を結ぶ。仕掛けは、オモリ15~25号に投げ専用テンビン、ハリス5号前後にハリは丸セイゴ13~17号などフトコロが広い大バリをチョイス。イソメ類をエサとし、数本の置きザオを並べて待つのが一般的で、船道やカケアガリなどの地形変化がある場所に仕掛けを留める。また近年は、大型魚ねらいのゲーム性が高い船からのルアー釣りが注目されつつある。バス用またはロックフィッシュ用タックルにラバージグとワームの組み合わせでねらい、道糸はPE6ポンド前後でそれに見合ったラインシステムを組む。従来からの船釣りは、両テンビン仕掛けに投げ釣りに準じたハリスとハリ、ホタテのヒモをエサとする。
美味しい食べ方
透明感のある白身は脂が少なく、旨味にはやや乏しいとされる。最も美味しい食べ方は刺身で、身持ちが良くしっかりとした食感が長く味わえるが、そのためには持ち帰るギリギリまで生かして活け締めにするとよい。自然死させると独特の臭みが出ることがある。通常の刺身のほか、カルパッチョにすると淡泊な味わいを補えて飽きが来ない。唐揚げの味は安定しており香ばしく旨いが、煮物や焼き物では時としてパサつくことがある。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。