クロメヌケ
分類
スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属
学名
Sebastes glaucus
別名
アオゾイ
分布
北海道全沿岸、岩手県釜石、山形県飛島、富山湾に分布。
大きさ
最大で50cmを超える。
釣期
周年釣れるが、産卵のため浅場に現れる春~初夏が盛期となる。
棲んでいる場所
水深2~550mから採集記録があり、通常は水深200mまでに棲む。
生活史
卵胎生で、晩秋~冬に交尾し、雌の体内で受精卵の発生が進み、春以降に仔魚を産むと考えられている。しかし、本種の幼期形態はほとんど知られておらず、幼期の生態は未解明である。未成魚は比較的浅い岩礁域で定住生活し、成魚は起伏が激しい岩礁帯のみならず砂混じりの平根にも定住する。根の上に定位して、通りかかった魚類やエビ類などを食べる待ち伏せ型の捕食をする。成熟年齢や寿命についてはよく分かっていない。
特徴
赤い魚体のメヌケ・アコウダイ類の中にあって、北海道限定の鮮やかな黄色い魚体は異色の存在。産卵期には黄色味が薄れて青味がかった黒褐色の部分が現れることからアオゾイとも呼ばれる。学名のうち種小名の glaucus はラテン後で「青灰色」を表し、洋の東西で同じ特徴に基づいた名があてられていることは興味深い。メヌケ類の同定は難しいが、この特異な体色とともに14棘14~17軟条の背ビレをもつことで区別は容易。その他の特徴としては、眼の下に顕著な小棘はなく、後頭部にも棘がないこと、主上顎骨に鱗がないことでも近縁他種と見分けられる。
主な釣り方
従来は深海釣りのターゲットとしてヘビータックルのドウヅキ釣りでねらっていたが、近年確立されつつあるライトなルアー釣りを推奨したい。これはボートからシーバス用やロックフィッシュ用タックルでねらうもので、大変にスリリングでゲーム性が高い。3000番台のスピニングリールにPE1号前後を巻き、ラインシステムを組んで、60~80gのメタルジグを用いる。近年は資源が減少しているが、この方法で釣れた魚の価値は高く1尾で十分に満足できるはず。かつてはクーラー一杯に釣るのが当たり前だったが、今はそのような時代ではない。
美味しい食べ方
旬は秋~晩春。透明感のある白身には脂が乗って旨味がある。身はほどよく締まっており、熱を通しても堅くならない。刺身はほどほどの歯ごたえで甘味を感じる。厚い皮目に旨味があるので、焼き物や煮物では皮ごと食べられる調理法を選びたい。ソテー、塩焼き、煮つけ、鍋物、汁物などどんな料理にも向く。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。