コロダイ
分類
スズキ目スズキ亜目イサキ科コロダイ属
学名
Diagramma pictus
別名
カイグレ、マチマワリ、カワコデ、カクレ、コノミ
分布
佐渡から九州北岸までの日本海、茨城県から九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、伊豆・小笠原諸島、琉球列島に分布。
大きさ
最大で80cmに達する。
釣期
6~12月に釣れ、7~9月の高水温期によく釣れる。
棲んでいる場所
浅い岩礁域から砂底域、サンゴ礁域に棲む。
生活史
沖縄における産卵期は6~8月。本州太平洋岸においてはやや遅い時期に産卵すると考えられ、8~10月に黄色と黒色の縦縞模様の稚魚が浅い岩礁帯周辺に出現する。甲殻類やゴカイ類などの底生生物を食べて成長し、大型に育つと魚類も捕食する。成長に関する知見は乏しいが、稚魚と成魚との中間的な色斑をもつ30cm前後までが未成魚で、満2歳までに相当すると考えられる。分布の中心は南西日本だが、近年の温暖化傾向の影響か2000年代以降は関東沿岸でも未成魚まではよくみられるようになった。未成魚までは日中に活動するが、大型の成魚になると日中は岩棚や巨石の間隙などにひそんでいることが多く、老成すると夜行性を強めるものと推察される。
特徴
体型はタイ類に似て体高が高く側偏する。よく似た体型でともに大型となるイサキ科のコショウダイ属各種(日本産11種)とは、背鰭棘数が9~10本と少ないことで(コショウダイ属は11本以上)区別することができる。体型と色斑は成長に伴って大きく変化する。成魚は、銀色の体色で背面はやや黒く、対側面と各鰭には瞳孔より小さなオレンジ色の斑紋がちりばめられ、斑紋は腹にかけて細かくなる。稚魚は体型がやや細長くて後頭部が隆起し、尾鰭と背鰭始部が伸長する。体色は鮮やかな黄色と幅広い黒色縦帯のコントラストが美しく、観賞魚にもなる。
主な釣り方
知る人ぞ知るサーフキャスティングの超大型ターゲットである。根が点在する砂地に仕掛けを投入することから、根掛かりを回避するために浮き上がりが早い天秤一体型のオモリを使用、根を直撃する場合には捨てオモリ式にするのも手。魚を掛けたらやり取りは考えず、根に走られないようがむしゃらに巻き上げるのみ。そのため、道糸はナイロン8~10号、PE3~5号、ハリスはフロロ8~12号の強力タックルで臨む。生活史で解説したとおり、老成魚ほど夜行性が高い可能性があり、大物をねらうなら夜釣りに分がある。エサはイワイソメやユムシが無難で、イカタンや魚の身エサもよい。
美味しい食べ方
旬は秋から初夏で、大型ほど味が良い。関東ではなじみが薄く市場の評価も高くないが、しっかりとした身質で鮮度落ちも遅く、刺身にすると透明感のある白身と血合いのコントラストが美しい。熱を通すと身はやや締まるが、塩焼きは皮目に味わいがあり、マース煮(沖縄地方の塩味の煮付け)でも皮が旨い。油との相性がよく、ムニエルやソテーにも向く。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。