キタノホッケ
分類
スズキ目カジカ亜目アイナメ科ホッケ属
学名
Pleurogrammos monopterygius
別名
シマホッケ、シマボッケ、チシマホッケ、トラホッケ
分布
北海道全沿岸、東北地方太平洋沿岸に分布。
大きさ
最大で50cmに達する。
釣期
周年釣れるが、高水温を嫌うためか夏に釣果が落ちる傾向がある。
棲んでいる場所
水深500mまでの大陸棚上に棲む。
生活史
産卵期は初夏~秋で、カムチャツカ半島南部で6~9月、アリューシャン列島では7~9月に産卵する。岩の裂け目や転石の間などに沈性粘着卵を産み付け、雄がふ化までの40~45日間にわたって卵塊を守る。ふ化時の体長は8mmとやや大きく、仔稚魚は沖合表層に広く分布し、カイアシ類やオキアミなどを食べて成長する。仔稚魚の出現期は長く、千島列島北部からアリューシャン列島にかけての海域では秋~春の半年以上にも及ぶ。北海道北部および東部では同属のホッケ(P. axonus)よりも仔稚魚の出現期が早い傾向がある。成長はホッケよりも遅く、満1歳で18cm前後、満2歳で25cm前後、満3歳で30cm前後になる。寿命は14歳と考えられている。
特徴
日本の釣り魚の中で最も冷たい海にすむもののひとつ。同属のホッケに似るが、体に5~6本の明瞭な暗色横帯がある(ホッケでは暗色横帯はないか、あっても腹側では細くなる)、第3側線は胸ビレ基底後端と臀ビレ起部の中間から始まり臀ビレ基底後端を越えない(胸ビレ先端より前から始まり臀ビレ基底後端を越える)、第4側線は胸ビレ基底下端より前から始まり腹ビレ後端よりわずかに後方に達する(胸ビレ基底下端付近から始まり臀ビレ起部に達する)などで区別できる。英名のAtka mackerelは、アリューシャン列島のアトカ島にちなむ。
主な釣り方
陸釣りではほとんど釣れることはなく、北海道のオホーツク・太平洋沿岸の一部からは乗合船が出ているもののポピュラーな釣りものとは言えない。沖釣りの中深場タックルを用い、オモリ負荷150号前後のサオに中大型電動リールを使用。ドウヅキ5本バリ前後の仕掛けを用いて、オモリは150~350号を水深に応じて使い分ける。エサはイカタンや各種身エサなど入手しやすいものでよい。ルアーで釣れることがあり、今後メタルジグなどを使ったライトな釣り方が開発される可能性がある。
美味しい食べ方
ホッケの開き干しとして流通しているものの多くが本種である。鮮魚で流通することはほとんどなく、開き干し以外の食べ方ができるのは釣り人の特権。とは言え、開き干しに勝る食べ方はないだろう。脂がのった白身は全くクセがないが、刺身にするには水っぽい。煮物、焼き物やフライなどどんな料理にも無難に合うが、旨味についてはやや物足りなく感じる。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。