カゴカキダイ
分類
スズキ目スズキ亜目カゴカキダイ科カゴカキダイ属
学名
Microcanthus strigatus
別名
シマダイ、タテグシ、シマイオ、キョウゲンバカマ、オトノサマ、オテラサマ
  • 特 徴
分布
青森県から九州南岸までの各地沿岸(大阪湾は幼魚のみ、瀬戸内海は伊予灘のみ)、琉球列島に分布。
大きさ
最大で20cmになる。
釣期
陸からは5~12月に釣れるが、船釣りでは周年にわたって釣れる。
棲んでいる場所
本州・四国太平洋岸では、成魚はやや深所に棲み、幼魚は浅い岩礁域で普通にみられる。沖縄諸島では主に水深100以深に多く生息するが、幼魚は養殖イケスの周りで多くみられる。
生活史
一般的には、4~5月が産卵期とされているが、千葉県外房沿岸域では、稚魚は4~7月と10~1月に出現しており、年2回の産卵が示唆されている。稚魚は表層で生活し、10mm以下では無色透明だが、12mmを超えると特徴的な斑紋が現れて他種との識別ができるようになる。幼魚は夏に浅い岩礁域やタイドプールに現れて動物プランクトン・小型甲殻類や海藻を捕食して成長し、その冬には5cmになって深場に移動する。翌春には再び浅場に現れ、小群をつくって潮通しがよい岩礁域で生活する。満1歳で成熟すると思われるが、寿命は不明。
特徴
体高は高く強く側偏し、プロポーションはチョウチョウウオ類に似ている。かつてはチョウチョウウオ科とされていたが、稚魚期にトリクチス期幼生を経ないことから独立した科とされた。体にはやや後方に傾いた5本の黒色縦帯がある。日本産は1科1属1種。後頭部から背ビレ起部にかけて急激に盛り上がる姿を、肩が異常に盛り上がった江戸時代の駕籠(かご)かきになぞらえて名づけられた。
主な釣り方
磯釣りの外道扱いだが、大変に美味な魚なのでねらって釣る価値はある。小メジナやウミタナゴのウキ釣りタックルを流用し、ハリを袖4号前後に落として釣る。引きは意外に強く根ズレのおそれもあるので、ハリスは落としても0.6号どまりがよい。寄せエサで積極的に魚を集め、エサのイソメ類やオキアミは小さくつけるのがコツ。大型をねらう場合は、船やボートから水深20~30mを攻める。カワハギ仕掛けのハリとハリスを落としたものを使うとよい。
美味しい食べ方
一般的な流通には乗らないが、美味なので是非とも持ち帰って食べて欲しい。旬は秋~冬で、しっかりとした白身はクセがなく、皮目に甘味のある脂を蓄える。刺身が旨いので、大型が釣れたら手間は掛かるが三枚おろしに挑戦したい。中小型は、内臓だけ取って鱗ごと丸焼きにすると、手間が掛からず旨味を余すことなく味わえる。煮つけは身離れがよく身も締まらず旨い。小田原や伊豆の幻の逸品とされる丸干しは、鱗も内臓も取らずに振り塩をしただけのもの。自作する場合、エサや寄せエサを食べている可能性があるので内臓は取った方がよい。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴