ヒラ
分類
ニシン目ニシン科ヒラ属
学名
Ilisha elongata
別名
ヘラ、ヘタレ、有明ターポン
  • 特 徴
分布
北海道太平洋沿岸、三浦半島、紀伊水道、瀬戸内海、土佐湾、豊後水道、新潟県糸魚川、富山湾、九州北西岸・南岸に分布する。
大きさ
最大で50cmに達する。
釣期
周年釣れるが、群れが沿岸に回遊する5~11月が最盛期。
棲んでいる場所
沿岸域の表・中層を群れで遊泳し、汽水域にも入る。
生活史
瀬戸内海や有明海における産卵期は6~7月で、河口域で径1.9~2.5mmの分離浮性卵を産む。孵化仔魚は5mm前後で、7mmになると卵黄を吸収し終えてコペポーダのノ―プリウス幼生など小型動物プランクトンを捕食する。仔稚魚は透明で細長いシラス状で、臀ビレ条数が40以上と極端に多い事からシラス期をもつ同科の他種(臀ビレ条数30未満)と容易に区別することができる。30mmを超えると鱗やヒレが完成して体が側偏し、ほぼ成魚と同じ体形になる。未成魚期以降は動物プランクトン、アミ類や魚類仔稚魚をエサとして成長し、汽水域にも進入する。満1歳で成熟し、寿命は満4歳。
特徴
本種が属するヒラ属は日本に本種のみを産するが、世界の熱帯・亜熱帯には16種を産し、ニシン科から独立したヒラ科を認める考え方もある。体は著しく側偏して特に腹は薄く、腹縁には稜鱗という中央部が鋭角に曲がった鱗が並ぶ。上顎前縁は丸く欠刻がなく、下顎は上顎より著しく突出する。臀ビレの基底は長く40軟条以上もあることからニシン科の他種とは容易に見分けることができる。
主な釣り方
有明海や岡山県における地域的な釣りもの。防波堤から手軽にねらえるうえ食味がよく、小型ルアーへの反応がよいことから近年人気が高まっている。アジングのタックルと釣り方をそのまま流用できる。夜釣りに分があり、ラン&ガンで多くのポイントを回るのもよく、1ヶ所に落ち着いて群れの回遊を待つのもよい。
美味しい食べ方
身が薄くて小骨が多いが、脂の乗りがよく大変に美味である。どんな料理にも合うが、揚げ物以外では小骨を断つ骨切りが必須となる。定番は刺身で独特の旨味が味わえ、酢締めも旨い。塩焼きや煮物はどちらも美味しく、揚げ物は骨切りをしなくても小骨が気にならずに食べられる。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴