ハマフエフキ
分類
スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ属
学名
Lethrinus nebulosus
別名
タマン、フエフキ、タマミ、クチビ、キツネイオ、オカメ
分布
相模湾から屋久島までの太平洋沿岸、佐渡、兵庫県香住、島根県浜田、山口県豊浦、九州北西岸、伊豆・小笠原諸島、琉球列島に分布
大きさ
最大で80cmを超える。
釣期
沖縄や伊豆諸島では通年釣れるが、5~9月によく釣れる。
棲んでいる場所
砂礫・岩礁域、サンゴ礁域の浅海域から水深70mまでに棲む。
生活史
沖縄における産卵期は2~11月と長期にわたり、春と秋に盛期がある。浮遊生活期を経た稚魚は浅く静穏なリーフ内のアマモ場に着底し、葉上の小型甲殻類や底生生物を食べて成長し、成長に伴って徐々に沖合の深みへと移動する。満3~4歳で成熟し、雌性先熟の性転換を行なう。成魚は大型甲殻類、貝類、魚類などを捕食し、冬季には深場に落ちる季節的な浅深移動がみられる。
特徴
タイ類に似て体高が高く側偏するが、その名のとおり笛を吹くように吻を突き出したキツネ面が特徴。本種が属するフエフキダイ属(日本産19種)は、頬に鱗がなく、口内が赤いという特徴をもつ。地方名の「クチビ」は「口火」または「口美」であり、この口内の特徴にもとづく。体側の暗色斑がなく、体側の各鱗は淡青色に輝き暗色斑はない。尾鰭両葉の先端は尖り、吻部と頬部に2~3本の淡青色の斜帯があることで同属の他種から見分けられる。
主な釣り方
沖縄では沿岸部のほぼ全域がポイントといってよく、砂浜、磯、堤防からは投げ釣りで、沖合のリーフ周りではボートからのルアー釣りでねらう。投げ釣りは大型が浅所に回遊する夜釣りに分があり、専用の「タマン竿」が市販されているほどの人気。大物用投竿のほか5号以上の磯竿やイシダイ竿を使い、道糸はナイロン8~12、PE3~5号、砂浜では天秤仕掛けでハリス8~16号、磯では捨てオモリのドウヅキ仕掛けでハリス12~20号と使い分ける。エサは、イカタンや小型のタコ、カツオの腹身、ムロアジの切り身、キビナゴや貝類など。ルアー釣りでは、シイラや青物用のタックルで、ミノー系のハードルアーのほかバグ系などのソフトルアーへの反応もよいので、色々試すとよい。
美味しい食べ方
沖縄では重要な食用魚で市場では高値で安定しており、30年以上にわたる栽培漁業の歴史がある。旬は夏で、クセがなくしっかりとした上質な白身。刺身、焼き物をはじめ、和洋の様々な料理に合う。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。