ギギ
分類
ナマズ目ギギ科ギバチ属
学名
Tachysurus nudiceps
別名
ギンタ、ハゲギギ、クロギギ、カバチ、ギギウ、ギンギョ、ググ、ゲバチ
  • 特 徴
分布
琵琶湖・淀川水系以西の本州、四国の吉野川、九州東北部に自然分布するが、アユなどの放流種苗に混じって新潟県阿賀野川、三重県宮川、岐阜県などに移入・定着している。
大きさ
最大で30cmになる。
釣期
春~秋季によく釣れる。マヅメねらいや夜釣りをするならば暖かい夏季がよい。
棲んでいる場所
河川の中下流の緩流域、湖岸の岩礁や護岸の石垣の間に棲む。
生活史
産卵期は5~7月で、ペアをつくって石の隙間やその下を巣として径1.5~2.0mmの粘着性がある沈性卵を産みつける。産卵後、雄は巣にとどまって受精卵と仔稚魚を保護する。受精卵は水温24~26℃で2日でふ化し、ふ化後1週間で卵黄を吸収してエサを食べ始める。稚魚は黄褐色の斑紋が顕著に表れ、晩秋までに30mm前後に成長し、尾ビレが鋭く2叉して同属他種との見分けが可能となる。稚魚期以降は昼間は礫間や抽水植物帯に隠れ、夜に遊泳して主に小動物を捕食する。満1歳で5~8cmになり、満3歳で15~20cmとなって成熟すると考えられるが寿命については不明。近年は琵琶湖産アユ種苗への混入に由来すると考えられる個体が関東・中部地方で増えており、大型魚は魚食性が強いことからその影響が懸念される。
特徴
ギギ科の代表種で、本科は日本に1属4種を産し、4対のひげをもつこと、高く不連続な脂ビレをもつこと、尾ビレ後端は2叉すること、胸ビレは1棘6~7軟条であること、側線は完全で尾柄部まで達することを特徴とする。同属では種指定の天然記念物で伊勢湾に注ぐ河川にのみ分布するネコギギ(T. ichikawai)と自然分布域が重なり形態も似るが、尾柄が低く尾柄高は体長の7.7~9.7%(ネコギギでは9.0~13.1%)であること、臀ビレは18~20軟条(ネコギギは14~18軟条)であることで区別できる。胸ビレと背ビレには両側に鋸歯をもつ強大な毒棘があり、刺さると容易には抜けないのでハリを外す際などには注意が必要。胸ビレの関節をこすり合わせて「ギギ」と発音し、これが名の由来となっている。
主な釣り方
硬調ノベザオを用いたミャク釣り仕掛けで、コンクリートブロックの隙間や石垣の穴に仕掛けを落とし込む穴釣り(探り釣り)が面白い。アタリ即アワセで強引に抜き上げるため、道糸1.2号以上、ハリス1号以上を用いる。ハリは袖5号以上でエサはキジ。サオがオモリ負けしないギリギリのウエイトに仕立て、5cm前後の短ハリスにすることで根掛かりを回避する。朝夕のマヅメ時や水が濁った曇天時に食いが立つが、夜行性なので夜釣りに分がある。夜釣りの基本スタイルはブッコッミ釣りで、チョイ投げまたはルアータックルを用いる。流れに応じてオモリ3~12号を使い分けるほかハリス等は穴釣りに準じる。エサはキジのほかブドウ虫に大物が来る。夜は物陰から出て広く泳ぎ回るが、ポイントはストラクチャー周りである。胸ビレと背ビレに強大な毒棘があるので、釣れた際には十分に注意すること。
美味しい食べ方
旬は春から夏で、クセのない白身は日本の淡水魚の中でもトップクラスの旨さである。熱を通しても硬く締まらず、焼き物、煮物に向く。蒲焼きは関西圏で古くから親しまれてきた食べ方で、白焼き、焼き干しも美味。味噌汁では頭や中骨から上質な出汁が出て旨味が深い。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴