子どもから大人まで、気軽に、かつ奥深く楽しめるのがハゼ釣りです。そのシーズンは夏から。海に近い河川や運河で、デキハゼと呼ばれる6cmほどに成長したハゼが釣れ始め、その後、1ヵ月に1.5cmほどのスピードで成長しながら、産卵のために深場に移動する晩秋まで釣りのシーズンが続きます。

ハゼ釣りは手の指ほどの「デキハゼ」ねらいからスタート

短期間に急成長するハゼは、小さな体に比して力が強く、食欲旺盛でエサに盛んに反応するので、活発なアタリを楽しめます。ノベザオを使ったウキ釣りやミャク釣り、あるいはリールを使ったチョイ投げ釣りが主な釣り方。近年はルアーを使ったハゼクラでねらう人も増えています。釣ったハゼは空揚げや天ぷらにすると非常に美味。家に帰ってからも楽しみが待っています。

ノベザオで岸際の浅場をねらう方法は、ウキ釣りとウキを使わないミャク釣りのどちらもある
遠浅の場所では、リールザオとハゼ用の小型テンビンを使ったチョイ投げ釣りで少し沖をねらうのもよい

今回はそんなハゼ釣りを気軽に楽しめる、おすすめの釣り場5ヵ所を紹介します。

初めてでも楽しめる
おすすめのハゼ釣り場

※釣り場情報は2023年7月現在のものです。料金等は変更になる可能性がありますので、事前にご確認のうえお出かけください。

千葉県・江戸川放水路

レンタルボートは貸しザオで釣りができ、釣り場のアドバイスももらえる
レンタルボートからの釣りも岸からの釣りも楽しめる

千葉県市川市の江戸川放水路は、川沿いに複数のレンタルボート店があり、波のない穏やかな水辺で、貸し道具と手漕ぎボートを使ったハゼ釣りが気軽に楽しめます。また、岸釣りも盛んで、おすすめはリールザオを使ったチョイ投げ釣りやノベザオを使ったミャク釣りです。

チョイ投げ釣りは、ハゼ用テンビンに3号ほどの軽めのオモリとイト付きバリ(ハゼバリ4~5号)をセットし、エサはアオイソメを付け、広範囲にキャストして仕掛けを引いてきます。アタリはブルブルッと手に伝わり明確。ノベザオの場合は、1.8mほどの短めのサオでも充分に楽しめ、潮が満ちていれば岸際からすぐ足もとをねらい、潮が引いている時は遠浅になった干潟を膝くらいまで水に立ちこんで釣ります。その際は水に入れるウォーターシューズと着替えを用意しておきましょう。周囲には河川敷用の有料駐車場や複数のコインパーキングもあります。

東西線鉄橋より下流の右岸側は広範囲で岸釣りができる

釣り場DATA

シーズン:
7~10月
釣り方:
ボート釣り、チョイ投げ釣り、ノベザオの釣り
アクセス:
地下鉄東西線・妙典駅から徒歩15分
最寄り施設:
(伊藤遊船)
https://itoyusen.com/

東京都・亀戸中央公園前

足場のよい公園で気持ちよくサオがだせる
東京スカイツリーを眺められる下町の釣り場

東京の下町を流れる旧中川は、昔から庶民のハゼ釣り場として親しまれており、上流の木下川水門から小名木川が合流する下流部まで、ほぼ全域にハゼが棲息しています。その中でも墨田区にある亀戸中央公園前は、浅場に棒杭が並び足場も整備されて雰囲気がよく、特に7~8月はデキハゼの数釣りが楽しめます。あたりは岸沿いに複数の浮島が作られており、そこから棒杭までの間に広がっている、水深10~30cmのごく浅い場所に、日中の時間帯になるとエサを求めてハゼが上がって来ます。

おすすめはノベザオを使ったミャク釣りで、浅場の魚に警戒されにくいように、ノベザオは少し長めの2.7~3.3mほどを用意します。オモリは1~1.5号の軽め、袖バリは3.5~4号の小さめを使い、ハリに付けるエサのアオイソメも余りは短くして、小さなハゼがハリに掛かりやすいようにしておくと多くのアタリを得られます。近くにスカイツリーも眺められ、公園への散歩気分でハゼ釣りが楽しめます。

仕掛けが合えばビギナーでもたくさんのハゼが釣れるチャンス

釣り場DATA

シーズン:
7~9月
釣り方:
ノベザオの釣り
アクセス:
東武亀戸線・亀戸水神駅から徒歩10分
最寄り施設:

東京都・多摩川

対岸に羽田空港があり、飛行機の離発着を見ながら釣りができる
緑の土手の下に続く開放的なハゼ釣り場

北は東京都大田区、南は神奈川県川崎市の多摩川下流部は、開けた河口域にハゼが棲息しています。その中でも足場がよく、誰でもハゼ釣りをしやすいのが、川崎市の殿町第二公園下流にある、キングスカイフロント裏の多摩川右岸エリアです。殿町第二公園にはきれいなトイレやのんびりできる芝生があり、キングスカイフロントの1階はカフェで食事も可能。川沿いの土手に遊歩道が整備されていて、その下の護岸からハゼが釣れます。正面には羽田空港があり、開けた空の下、飛行機の離発着を眺められるのもうれしいサプライズ。ただ、この釣り場は干潮時に水際が岸から離れると釣りにくくなります。そのため出かける際は満潮前後の岸際まで水があるタイミングを選びましょう。

釣り方はノベザオを使ったウキ釣りやミャク釣り、あるいはリールザオを使ったチョイ投げ釣りで、ノベザオの釣りはすぐ足もとで釣れます。川崎駅や大師駅からキングスカイフロント入口行きのバスも出ており、また、周辺には複数のコインパーキングもあります。

岸際まで水があるタイミングならハゼはすぐ足もとにいる

釣り場DATA

シーズン:
7~9月
釣り方:
ノベザオの釣り、チョイ投げ釣り
アクセス:
京急大師線・小島新田駅から徒歩10分
最寄り施設:
(キングスカイフロント)
https://www.king-skyfront.jp/access/

愛知県・木曽三川公園

木曽川の川沿いが広範囲にハゼ釣り場になっている
東海エリアを代表するハゼの魚影濃い人気釣り場

東海地方の伊勢湾と三河湾の沿岸は、東京湾周辺に劣らずハゼ釣りの有望スポットが多くあります。その中でも伊勢湾の奥に位置し、愛知、三重、岐阜の3県にまたがってかかる立田大橋周辺の木曽三川公園の水辺は、週末を迎えるとハゼ釣りを楽しむファミリーに人気のスポットです。おすすめは立田大橋の左岸の東海広場東エリア側。立田大橋から下流へ1.5kmほどは、川沿いに道が続いており、混雑していても車で移動しながらどこかにスペースを見つけられます。

釣り方は4m前後の長めのノベザオを使ったミャク釣りか、リールザオを使ったチョイ投げ釣り。チョイ投げ釣りは、アジ用、メバル用、トラウト用などの6フィートほどのスピニングタックルで、チョイ投げ釣り用のテンビン仕掛け(オモリは5号程度。ハゼ用などの2本バリ仕掛け)をセットし、エサはアオイソメやイシゴカイを付けます。オモリを引きずるようにゆっくりリールを巻けば、小気味よいハゼのアタリが伝わってきます。

立田大橋と周辺の緑地。緑の草地が続きバーベキュースペースもある

釣り場DATA

シーズン:
7~10月
釣り方:
ノベザオの釣り、チョイ投げ釣り
アクセス:
東名阪自動車道・弥冨ICから15分
最寄り施設:

大阪府・淀川

大阪の街中を流れる淀川。写真中央の2つの白い橋に挟まれたエリアが十三のゴロタ場
ポイント豊富でハゼ釣り場が点在する西の都市河川

大阪市内を流れる淀川の下流部は、広範囲にハゼが棲息しており、水際にアクセスできる複数のポイントでハゼがねらえます。十三駅からすぐの十三大橋と新十三大橋の間にある右岸のゴロタ場もその1つで、周囲にはコインパーキングも複数あるので、車でも問題なくアクセスできます。

十三大橋右岸は手前がゴロタ場で、その先が砂混じりの川底になっており、ハゼは沖のほうが釣れやすい状況です。そこで、おすすめの釣り方はリールザオを使ったチョイ投げ釣りになります。一方、ノベザオを使ったウキ釣りでもハゼはねらえ、その際は手前のゴロタ場の先をねらえるよう、4m前後の長めのサオを用意し、サオを出せるスペースを探しながら釣りをします。なお、この釣り場は昼間よりも、朝方や夕方の時間帯によく釣れる傾向があります。また、満潮から下げていくタイミングが釣りやすく、干潮は水面が岸際から遠くなって釣りにくいので、それらのタイミングを潮時表で確認してから出かけましょう。

淀川のハゼは昔に比べると減少傾向ともいわれるが、釣れる可能性は充分ある

釣り場DATA

シーズン:
7~9月
釣り方:
ノベザオの釣り(ウキ釣り)、チョイ投げ釣り
アクセス:
阪急京都線・十三駅から10分
最寄り施設:
※このコンテンツは、2023年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。