日本の夏の川釣りを象徴する魚といえばアユ
アユは「香魚」と呼ばれるとおり、スイカのような甘い香りがし、食べても非常に美味しい魚です。

各地の観光ヤナ(川に設置した仕掛けでアユを獲り、観光客に提供する施設)などで食べることもできますが、自分で釣ったアユなら自宅で楽しめます。また、最近は身近なスーパーの鮮魚コーナーでもアユが購入できることがあります。

食べ方はシンプルな「塩焼き」が一番。
その際、炭火でじっくり焼ければ最高ですが、いくつかのコツを押さえておくことで、家庭のコンロでも絶品のアユの塩焼きが作れます。

家庭用のコンロでもアユは美味しく焼けます。今回の見本はあらかじめ串打ちを行なっていますが、串打ちをしない場合も焼き加減のコツは同じです
家庭用のコンロでもアユは美味しく焼けます。今回の見本はあらかじめ串打ちを行なっていますが、串打ちをしない場合も焼き加減のコツは同じです

アユは繊細な身をしているので、適当に焼いてしまうと、思った以上に水っぽくなったり、逆にパサパサになってしまったり、仕上がりがなかなか安定しません。

コツはずばり「しっかり時間を決めた、火加減のこまめな調整」です。基本的な焼き加減の時間配分があるので、あとはタイマーをかけて焼き色を見つつ、アユの大きさやそれぞれの家庭のコンロの火力に合わせて微調整してください。そうすれば、上手く焼ける確率がぐんとアップします。

焼く前の準備(塩振りまで)

焼く前にまず塩を振ります。水分を拭き取り、背ビレと尾ビレに化粧塩を刷り込んだら(焦げの防止になります)、その後尺塩をします。詳しくは以下を参考にしてください。

【手順】
  • ① アユが冷凍されている場合は流水で解凍。その時は5分が目安(完全解凍しない)。この間に、あらかじめガスコンロに火(中火)をかけて内部を温めておく。
  • ② キッチンペーパーで解凍したアユの水気を拭き取る。
  • ③ 背ビレと尾ビレに塩を付ける。この時の塩は、粗塩だとダマになりしょっぱくなりやすいので、安価な精製塩(食塩)が向いている。
  • ④ アユから30cm以上離してパラリと塩を振る。いわゆる尺塩で、コツは付けすぎないこと。

焼く時のコツ

下準備が終わったらいよいよ焼きです。全体的には、弱火~中火を上手に使って、身の中までじっくり乾かし、表→裏→表の3回で焼くというのが最大のコツになります。詳しくは以下を参考にしてください。

【手順】
  • ① 表になる面を弱火で5~10分焼く(狐色になるまで身を乾かす)。
  • ② そのまま表になる面を中火で1~2分焼く(焼き目を付ける)。
  • ③ 引っくり返して裏になる面を弱火で4~6分焼く(狐色になるまで身を乾かす)。
  • ④ そのまま裏面を中火で1~2分焼く(焼き目を付ける)。
  • ⑤ 再び返して表になる面を弱火で1~2分焼く(しみ出てきた水分を飛ばす)。
  • ⑥ 火を止めてグリルの中で5分ほどむらして完成。

家庭でも味わえる絶品塩焼きに、ぜひチャレンジしてみてください。

※このコンテンツは、2020年8月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。