梅雨を迎える頃になると少しずつ姿が見られるようになり、誰もが気軽に釣りを楽しめるターゲット。それがテナガエビです。東京や大阪といった、大都市を流れる川でも釣ることができ、なおかつ食べても美味しい。そのため、ファミリーフィッシングの相手としても人気者です。

川エビの中でもずっしりとした体をしているテナガエビ

テナガエビは川の中でも海にも近い汽水域、もしくは潮汐の影響で川の水位が変わるくらいまでの下流部に棲息します。ただし、茨城県の霞ケ浦や長野県の諏訪湖のような、淡水の湖に適応して棲んでいるものもいます。

足もとに消波ブロックが入っていて、潮の干満で水位が変わるエリアの川が釣り場
こちらは茨城県・霞ケ浦のテナガエビ釣り風景

釣りは1.8mくらいのノベザオを用意します。仕掛けは完成品が釣具店で簡単に手に入りますが、サオと同じ長さのミチイトを張り、途中にシンプルな玉ウキを付けて、あとはオモリとハリス付きのエビバリをセットすればOK。エサは釣具店や釣りエサ店で購入できるアカムシを使います。玉ウキの代わりに、発泡素材で出来た複数のシモリ(シモリウキ/シモリ玉)を付ける場合もあります。

普段着に運動靴の気軽な格好とシンプルなウキ仕掛けで楽しめます

テナガエビの釣り方

① ウキはやや沈んだ状態に

詳しい釣り方は「テナガエビのウキ釣り入門」でご覧いただけますが、1つコツをあげると、ウキは水面上にぽっかりと浮かべるのではなく、水面下にやや沈んだ状態にします。この水面下のウキが「フラフラ~」っと横滑りするように動いたら、「おっ、エビが食べに来たぞ!」というサイン。テナガエビ釣りは、まずこの時にワクワクの第一段階が訪れます。

エサに寄って来たテナガエビ。石の隙間から姿を現わした

② ウキが動いても我慢

テナガエビは自分が安心できる物陰までエサを運んでから口に持って行きます。つまり、ウキが動いても、そこまで待たないと釣れません(我慢しきれず途中でサオを持ち上げると外れてしまいます)。この「もういいかな?」「まだかな?」という、待ちの時間がワクワクの第二段階です。

③ 掛かったらキックバックの手応えが!

そして第三段階は、見事にテナガエビがハリに掛かった時。そっと持ち上げたハリがテナガエビの口を捉えていると、サオ先がグッとわずかに押さえ込まれるような感触があります。思わず緊張する瞬間ですが、すると間もなく、ハリが口に掛かったことに気付いたテナガエビが、尾で水を蹴って激しく抵抗します。この時の“ビビビン!”というキックバックの手応えこそが、一度味わったらやめられない、テナガエビ釣りならではのクライマックスです。

力強いキックバッグをぜひ味わってみよう

ハサミを万歳して水の中から上がってくるテナガエビをキャッチしたら、「もう一匹!」と次をねらってみたくなること請け合い。しかも、釣ったテナガエビは家に持ち帰って、油でさっと揚げればきれいな朱色に変身。塩をパラりと振れば、子どもも大人も美味しく食べられるおやつの出来上がりです。

釣ったテナガエビを美味しく持ち帰るには、エアポンプをセットした生かしバッグがあると便利。釣具店のテナガエビコーナーで売っています。持ち帰り方については下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
→「テナガエビの下処理方法

誰でもチャレンジできて、狩猟本能も満たされる、時には魚以上に面白い釣りのターゲット。テナガエビ釣りにぜひ挑戦してみてください。

※このコンテンツは、2020年6月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。なお、掲載画像は2019年6月に撮影したものです。