釣行前夜、天気予報を見たら傘マーク。あなたはどう感じますか?

釣りを始めてまだそれほど経験のない人の場合、普通であれば憂鬱な気持ちになってしまい、時には釣りに行くのをやめることもあるかもしれません。しかし、これが経験のある釣り人になると、全く逆になることがあります。「平日に雨予報が出ると、思わず有給休暇を申請したくなってしまう……」そんな人がいるのです。

なぜそうなるのか? ひとつは、本格的なレインウェアを持っているからです。いわゆる安価なカッパではなく、釣具店やアウトドア用品店で売っている高機能なものです。しっかりとしたレインウェアを着てフィールドに行くようになると、雨の日の釣りに対しても「寒い、冷たい」といったイメージがなくなります。よほどの土砂降りでなければ、一日釣りをしても、レインウェアを脱いだ時にインナーは全く濡れていないといった状況になります。

船釣りでは上下セットのフィッシング用レインスーツが定番。雨はもちろん、風、塩水、汚れ(魚のヌルやイカ・タコ類の墨など)の防止にもなるので、性能のよいものを一着持っていればオールシーズン出番があります
磯釣り用のフィッシングウェアは、レインウェアの機能も備えています。クロダイ釣りやメジナ釣りでは、魚の警戒心が緩む曇天や小雨は大もの釣りのチャンスです。ただし、雷の心配がある時は磯釣りに限らず、釣りは絶対に控えてください

雨が釣りにもたらすプラス要素とは?

雨天時は釣り人が少なく、一方で魚の活性が高くなることも多いため、実はよく釣れるという場合があります。雨が釣りにもたらすプラス要素を挙げてみましょう。

  • ●雨が釣り人の存在感を消してくれる
  • ●気圧が低く、また薄暗いので魚が動きやすい
  • ●釣り人が少ない
  • ●雨由来の濁りが入り、魚の警戒心が薄れる
雨予報の日は釣り人も少なくなりやすい。実はそこにチャンスがあります

もちろん場所や釣り方によっては雨がマイナスに働くこともありますが、多くの場合、雨は釣り人の味方です。クロダイ、スズキ、メジナなど、日中に警戒心が高い魚をねらうのも、雨の日はチャンスになります。また、釣りでレインウェアが活躍するのは雨の日だけではありません。波をかぶる船釣りなどは天候を問わず性能のよいレインウェアを着ている釣り人が非常に多いです。

ではどんなレインウェアを買えばいいのか? セレクトの際に頭に入れておきたいのは3つの機能です。ごく簡単に説明します。

レインウェアを買う時に
覚えておきたい3つの機能

  • ① 防水性能
    雨水など、外からの水分をウェア内側に侵入させない機能。
  • ② 透湿性能
    生地が水蒸気を通す機能のこと(水蒸気だけでなく、空気やガスも通す「通気性」とは別)。たとえ防水耐久性が高くても、透湿性がゼロではウェア内部は汗で蒸れ、結果的にびしょ濡れになってしまいます。
  • ③ 防風性能
    風を通さない機能。釣り場では冷たい風に吹かれることも多く、防風性能がしっかりしたウェアでないと寒い思いをしがちです。

たとえば安価で手に入るビニールガッパは①の条件は満たしていても、②の性能が低いため、結果的に内側がびしょ濡れになってしまいます。アウトドアブランドや釣り具メーカーが「レインウェア(ギア)」として作っている商品はほとんどの場合①~③の条件をしっかりとカバーしています。

釣具店には多彩なレインウェアが販売されています。釣りの種類によって適したモデルは異なるので、まずは店員さんに相談してみましょう
釣具店には多彩なレインウェアが販売されています。釣りの種類によって適したモデルは異なるので、まずは店員さんに相談してみましょう
雨の日の足もとは長靴がベター。雨対策だけを考えると夏はビーチサンダルなどでもOKですが、ケガの心配が少ないのは長靴です
冬場の雨の日はグローブも合わせて着用すると寒さが防げます。グローブについては下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください
「集中力は指先から。冬の手袋をどう選ぶ?」

登山用のレインウェアを流用できる?

レインウェアについてよくある質問が「登山用の物を流用できますか?」というものです。基本的にはまったく問題なく流用できますが、これから新しく買う方には釣り具メーカーが作ったものをオススメします。

登山は動きがあり着用者の発汗量が多いため、動きやすい薄手のウェアが多く、透湿性能を重視して作られています。釣りは登山ほど動きがないため、厚手のものでも動きにくさを意識することは少なく、また岸からの釣りであればヤブや護岸などとウェアが接触する機会が多いため耐久性が高い厚手の生地が向いています。また、キャストの際に腕を幅広く振るのも登山との大きな違い。水が浸入しにくい作りの袖口が求められます。

釣り専用のレインウェアは、たとえばキャストの動きを繰り返しても袖口から水が浸入しないようにデザインしているなど、細部の機能にこだわっているものが多くあります

「うわぁ雨か……」が「待ってました!」に変わる魔法のアイテム。レインウェアは釣りの必需品です!

※このコンテンツは、2020年5月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。