ワカサギは食べて美味しい魚。釣っても楽しく、熱心なベテランファンも多いですが、ビギナーでも気軽に「数釣り(=たくさんの魚を釣ること)」の面白さを味わえます。
釣りのシーズンは主に冬ですが、近年は「ドーム船」や「屋形船」と呼ばれる、暖房を完備した快適なワカサギ釣り専用船、さらには桟橋に設置される大型の釣り用ビニールハウスなど、快適な釣り場が多く登場しています。
また、結氷した湖の上で行なう「氷上釣り」も、大自然をより身近に味わえる氷上穴釣り(露天とテント利用の両方あり)から、氷上に設置された専用の釣り小屋での気軽な釣りまで、バリエーションが増えています。
今回は、レンタルタックルも充実している、ドーム船のある湖や氷上釣りが楽しめる湖を、全国から10ヵ所厳選してご紹介します。
※このページで紹介している施設の情報は、2020年1月のものです。お出かけ前に、電話やホームページなどで最新の情報をご確認ください。
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北海道のワカサギ釣り場で、釣れる数、大きさともにトップクラスなのが網走湖。例年12月下旬~1月上旬がシーズンの始まりで、2月にはなればシシャモのような15cm近い大型も釣れます。釣り場は網走市の呼人と大空町の女満別に2つの会場があり、どちらも駐車場を備え、道具のレンタルもあります。湖は平均的に浅く、両会場とも水深は1.5~4m。ワカサギに加え、時折ヌマガレイが釣れるのは海とつながる汽水湖ならではです。
北海道東部の人気観光地として知られる阿寒湖は、早くから家族連れなどの受け入れに力を入れているワカサギ釣り場。湖にはビニール製のハウスやテントがずらりと並び、遊漁料、レンタル釣り具一式、釣れた魚を天ぷらにしてもらえる揚げ券がセットになった「ワカサギ釣りセット」も用意されています。釣れるワカサギは美味しく、氷上バナナボートなど釣り以外のアクティビティーも充実しています。
岩手県の岩洞湖は標高約700mにあるダム湖。本州一の寒さを記録したことがあり、釣りは各自が徒歩でテントを持ち込むか、岩洞湖漁協監視詰所前に設置された6基のドーム船で楽しめます。テントを含めたレンタルセットも充実していますが、自分で道具を用意する場合はワカサギ釣り用の電動リールタックルがおすすめ。なお、レンタル道具で楽しむ場合も、防寒着、ニット帽、手袋、テントの中で座るイスやアルミマット、長靴は持参しましょう。
磐梯高原の豊かな自然に囲まれた桧原湖。ワカサギ釣りのシーズンは11月に始まり、湖が完全結氷する1月中旬から3月下旬が氷上釣りシーズンになります。水質がよいことで知られる桧原湖のワカサギは非常に美味と評判。各地区にレンタルハウスや屋形船が設置しているワカサギ釣り施設があり、それらに予約を入れて釣りを楽しみます。屋形船までは駐車場からスノーモービルで移動。手軽かつ快適に氷上釣りが体験できます。
富士山を望める河口湖は、2015年に河口湖漁協によるドーム船の営業が始まると、上手な人で1日に1000尾が釣れる好釣果も出るようになり、ワカサギファンの間で数が釣れる湖として知られるようになりました。釣りをする場合は、3日前までに電話での予約が必要になりますが、レンタルタックルもあり、条件のよい日に当たればビギナーでも100尾、200尾くらいがあっという間に釣れてしまうこともあります。
富士五湖の中で一番浅い山中湖は、首都圏を代表するワカサギ釣り場といってよいでしょう。山中、旭日丘、平野など各地区に合計10艇以上のドーム船が就航していて、シーズンになれば毎年多くのワカサギファンを受け入れています。観光地としても有名なだけに、文字通りの手ぶら釣行も可能なところがほとんどで、暖房の利いた船内は上着なしでも至って快適に過ごせるほど。もちろん、レンタルタックルも充実しています。
長野県内で最大の湖である諏訪湖は、最も深いところで水深5mほど。9月中旬から3月頃までワカサギ釣りを楽しめ、釣り場は沖に設置されたドーム船になります。数軒の船宿(わかさぎ釣り舟)の中には、2時間の体験型プランを用意しているところもあり、「試しにちょっとやってみたい」といったビギナーにもぴったり。レンタルタックルももちろん充実しており、釣れるワカサギのサイズもよいので人気があります。
八ヶ岳連峰の山麓、松原湖高原にある猪名湖と長湖。猪名湖と長湖は道を挟んで隣り合わせになっており、ワカサギ釣りでは2つを合わせて「松原湖」と通称しています。 猪名湖は周囲が約2km、長湖は約1.3kmと、いずれも小さな湖ですが、湖が結氷する1月上旬から3月初旬頃まで氷上の穴釣りが楽しめます。湖畔には必要な道具一式(荷物を運ぶソリやテントを含む)を貸してくれる釣り施設が複数あり、また、この湖は水深が浅いので、手バネタックルというグリップにイトを巻いただけのシンプルな道具で楽しめるのが魅力です。
兵庫県の丹波篠山にある佐仲ダムは、関西屈指の設備とレンタルタックルの両方が整ったワカサギ釣り場。ワカサギ釣り場は東日本に多いのですが、ここなら初めての人でも安心して楽しめます。釣り場はメイン通路から左右に伸びる桟橋と2基のドーム。ドームにはストーブが完備されていて、桟橋にもユニークなカタツムリテント(一人用テント)があり、釣ったワカサギを1グループ50尾まで無料で天ぷらにしてくれるサービスもあります。
大阪市内からクルマで1時間で行けるワカサギ釣り場が兵庫県の東条湖。関西屈指の広さの桟橋があり、ビニールドームが4基あって、レンタルタックルも完備しています。受付には売店やトイレも併設され、ワカサギ釣りが初めての人も安心。ファミリーやカップルでドームを貸し切って楽しむのもよいでしょう。そして東条湖の魅力が「メガサギ」「ギガサギ」と呼ばれる大型。食べてもホクホクで美味しく、初心者でも充分チャンスがあります。