前回に続き、今回は変わり種のルアーを紹介したい。
小魚を食べる肉食魚を釣るためのアイテムがルアー(疑似餌)だが、なかには見た目が魚と似ても似つかないものがある。
いくつかのルアーを写真と共に紹介するのでご覧あれ。

ゴム製のスカートと金属のパーツによって作られているスピナーベイト(右)とバズベイト(左)。極めて不自然だが……。スピナーベイトは、葉っぱ型の金属片が水中で煌めき、それが小魚のウロコが光るようすを再現する。バズベイトはプロペラが水面を掻き回すことで、魚からは「水面にある得体のしれない何か」として認識される。また、バシャバシャと音を発することで、魚が外敵と捉え、威嚇のために食べてくることがある
大きなプロペラが付いたルアー。プロペラが回転して水を掻き回し、そのとき生まれる水ヨレや音で肉食魚を狂わせる。見た目は小魚っぽくなくても、パーツが働いた結果に生まれるものがルアーを本物の魚に化けさせる
小魚というよりビール缶。しかし、ナマズやブラックバス、イトウ、スズキなど、さまざまな魚が飛びついてくるという事実がある。ちなみに名前はビッグバド
見た目はビール缶だが、水に泳がせると小魚っぽい引き波を出すことでエサになる

これらの不自然すぎるルックスのルアーに魚が騙されるのにはいくつかの理由がある。
まずひとつ目は、見た目はニセモノっぽくても、泳がせると本物っぽくなることがあるから。

たとえば写真で紹介したスピナーベイトは、間違っても自然界には存在していなさそうなものだが、水中に入ると様変わりする。金属片がキラキラと光って小魚のように見え、ゴム製のスカートが揺らめいて生き物っぽくなる。

そのほか、オモチャのようなルアーでも、泳がせたときの引き波が極めて自然だったり、出す音が捕食音とそっくりだったりと、機能的に魚を騙してくれるのだ。

オモチャのような物体で魚を騙すのがルアーフィッシングの醍醐味のひとつ

もうひとつ。魚はエサとしてではなく、敵を攻撃するために口を使うことがある。
産卵期に縄張りに入ってきた外敵を追い払うのに噛みついたり、近くを通る騒々しい物を反射的に攻撃したりすることがある。時にはルアーが不自然なルックスであることが怒りを増長させることも!

エサっぽいルアーでしか釣れないときもあれば、逆のケースも多く、その奥深さがルアーフィッシングの魅力のひとつだ。

※このコンテンツは、2017年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。