第7回

初心者でも楽しめる! 冬のワカサギ100匹チャレンジ!
〜埼玉編~

第7回は、埼玉県でワカサギ釣りに挑戦します。冬のワカサギ釣りは、桟橋、ボート、ドーム船などさまざまな場所で楽しめますが、数を伸ばすのに大切なコツは2点。「その日の群れの動きを掴み」「アタリを出す工夫をする」ことです。開放感たっぷりの湖上に浮かんで、寒さも吹き飛ぶ熱い釣りを楽しみます。

コアなファンもいる熱い釣り!

こんにちは、加藤るみです。「海なし県」全8県をめぐって川釣りを制覇する旅。今回は寒さが増すほど好シーズンを迎えるワカサギ釣りにチャレンジです!

ワカサギは食べて美味しく、レンタルタックルで気軽に釣りができる場所もあるお馴染みの魚。レジャーフィッシングの優等生です。

その一方で、ワカサギ釣りは熱心なファンが数を競う釣り大会も開催されていて、釣り方や仕掛けの工夫がダイレクトに結果に結び付く奥深さもあります。そんな魅力を知るために、人気の釣り場に出かけることにしました!

【今回のチャレンジ】
回遊して来たワカサギをロックオン。
桟橋&ボートで100尾オーバーをめざせ!

11月下旬、N-BOXでやって来たのは埼玉県の円良田湖(つぶらだこ)。アクセスのよい山里にあってヘラブナとワカサギが釣れる人気のフィールドです
先生は地元埼玉県出身の千島克也さん。冬は週末ごとに全国のワカサギ釣り場を巡り、たくさんの釣り場でワカサギの最高釣果も記録している名人です

ワカサギ釣りは季節が進んで湖の水温が下がってくると、釣り人の腕前によって釣果に差が出やすくなるそう。そうした中でも数を伸ばすには、「群れが回遊してくるタイミングでしっかりタナ(魚のいる水深)に仕掛けを入れ、適度な誘いを入れ、手返しよく釣りを続けることがまず大切」「さらに集中力も求められる」と先生は言います。

それらが嚙み合った時に魚が釣れるから、自身のレベルアップも実感できる。熱心なファンに冬のワカサギ釣りが愛される理由がそこにあります。

円良田湖のワカサギ釣りは桟橋とボートから。釣りをする際は湖畔にある寄居町観光協会の受付で遊漁券を購入します
https://yorii-kanko.jp/tuburatako.html
まずは桟橋で基本を習得!と思ったら、釣りエサのサシをおねだりにセキレイが飛んで来ました。こんな近くで野鳥を見られてラッキー(笑)!

今回の釣りは2日間。それぞれ半日ほどです。私のワカサギ釣り歴はこれまで2回。寒い時期に集中して釣ったことはまだなく、一度に釣った数も1回で30尾がマックス。だからこそ先生のテクニックを少しでも学びたい!のですが、初めての釣り場でどれくらい釣れるのか想像がつきません。

すると「今回は桟橋とボートで合わせて100尾を釣りましょう!」と先生。気合いを入れてチャレンジ開始です。

私にとっては未体験の目標100尾! はたして達成なるか?
たくさん釣るには釣り座も大事。クッションの周りに電動タックル(ワカサギ釣り用の電動リール+穂先)、ハリ外しを付けたイケス、エサのサシ、ハサミと手拭きタオル、そして魚群探知機(魚探)を配置します

今回訪れた円良田湖は、ワカサギが「中層」を回遊してくることが多いそう。ワカサギ釣りでは一般的に底を中心にねらいますが、釣果を伸ばすにはその群れを釣り逃さないことが大切になるといいます。ちなみに中層を泳ぐワカサギは活性も高いことが多く、これは円良田湖に限らない傾向だそうです。

そこで力を発揮するのが魚探です。ワカサギの群れの有無や泳いでいそうなタナを効率よく判断できるアイテムですが、特に先生のものは高精細に反応が映るタイプ。画面の見方に慣れて来ると「今ここにワカサギがいるはず!」という情報が細かく得られます。

水中に入れた振動子から超音波が出ていて、魚などの固体に当たると赤く反射。「太い線はおそらくヘラブナ、細く映っているこっちの線がおそらくワカサギだね」と先生
1台の魚探を間に挟んで先生の読み解きを聞きながら釣りができるので、私も画面の見方がなんとなくわかるようになっていきます

しかし、この日の魚たちは一筋縄では行きません! どうも秋から冬への移行期に湖で発生するターンオーバー(上層と下層の水温差により湖水が攪拌されて水質が悪くなる現象)が起きているらしく、ワカサギの群れが小さかったり、群れがいても活性が低くなっていたりしていて、なかなかエサを食ってこないのです。

「今日は想像以上にタフコンディション」と先生。ピンチじゃないですか! そこで教わったテクニックが「聞き上げ誘い」です

そこで先生がアドバイスをくれます。ワカサギ釣りでは基本的に穂先を揺らして水中のエサを上下に動かして魚にアピールしますが、それとは別に最初に低い位置にサオを構えておいて、それをゆっくり胸のあたりまで持ち上げる「聞き上げ誘い」を織り交ぜるのです。すると下から上に動くエサを追いかけるワカサギがいるほか、同じ仕掛けでより幅広い層を探れる効果があるのだとか。

さっそく練習していると、「もしかしてワカサギ?」という影が魚探に映ります。その水深に仕掛けを入れ、聞き上げ誘いを開始したところで、「ん、今穂先が揺れたのでは?」という反応が来ました。

何度か上手く合わせられなかったものの、粘ったところでうれしいファーストワカサギをキャッチ!
誘ったあとはしっかり止めてアタリを待つなど、コツが少し掴めてくるとさらに追加のアタリも捉えられました

画面に現れる水中のようすを自分で読み解きながら、その情報に合わせて手を動かし魚にエサをアピール。2つのピースが合致すると「プルプルッ」と穂先が揺れて答えが出る!「ワカサギ釣り、楽しいぞ!」という感覚がむくむくと湧いてきました。これはもうクセになります。

オモリ、仕掛け、穂先の組み合わせでも釣果は大きく変わります

ちなみにこの日の釣り道具は先生がセレクトしてくれたもの。「オモリが3g」「仕掛けが6本バリのハリの大きさ0.5号」「穂先が33.5㎝の先調子」の組み合わせでした。

たとえば「オモリは軽ければアタリが出やすく、重ければ仕掛けが安定して手返しがよくなります」と先生。そこにアタリの出やすい先調子の穂先を組み合わせるか、食い込みを重視した軟らかめの穂先を組み合わせるか、さらに仕掛けもワカサギの活性や大きさに応じてハリ数やハリサイズを変えることで釣果が伸びます。ワカサギ釣りの「奥深さ」はこういう部分にもあるわけです。

その後も頑張って2尾掛けまで達成。しかしこの日の桟橋周りはなかなかのタフコンディションが続きます
結果、昼から午後3時半頃まで釣り、最後は20尾まで数を伸ばしました

「今日のコンディションならボートのほうがいいかもしれませんね。でも釣り方の基本はばっちりなので、明日で一気に挽回しましょう!」と先生。ひとまずの合格(?)をいただき、1日目の釣りを終了しました。

  • ※走行中は安全のため、シートベルトをお締めください。
  • ※安全のため、走行の際は後方視界をしっかり確保してください。
  • ※このコンテンツは、2025年12月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。