木崎湖 ワカサギ釣り木崎湖 ワカサギ釣り

塩の道で繋がる信州の大自然。紅葉の山々と池。
静かにたたずむ湖の釣りを楽しむ

長野の松本と新潟の糸魚川を結ぶかつての塩の道。
周囲には白馬三山や仁科三湖のパノラマが広がる。
今が盛りの錦秋を眺め、小さく可憐な銀鱗をねらう旅に出た。

古くは「敵に塩を送る」の故事の舞台にもなった「千国(ちくに)街道」。
今は松本市、安曇野市、大町市、白馬村、小谷(おたり)村、
糸魚川市を繋ぐ国道147号と148号であり、
長野県内の街道周辺には白馬三山や仁科三湖などのパノラマが広がる。

地元に住む友人とのワカサギ釣りの約束の前に、
この時期、絶景に出会えるお気に入りのドライブコースをまずは目指す。
湧水で知られる安曇野から塩の道を北に向かい、
白馬村八方のふもとから和田野の森を経て、
標高1500mまで続く黒菱林道へ。

道中、眼下に広がったのは息をのむ雲海だった。

北信の山々に囲まれたふもとの白馬村集落は、
快晴となったこの日、真っ白な絨毯に覆われた。

林道の終点からはリフトに乗り替えさらなる絶景に向かう。
眺めのよいリフトからふもとを振りかえると、あの雲海はもう消えていた。

その先に待つのは朝日を浴びてほんのりと赤い白馬三山の荒々しい岩肌。
まさに一期一会の風景。
「ここまで走ってきてよかったな」静かな充足感がこみあげる。

もうひとつ訪れておきたい場所があった。

小谷村の雨飾山のふもとにたたずむ鎌池。
一周2kmの「鎌」の形をした池には遊歩道があり、こちらも紅葉が見頃を迎えるのだ。
ちなみにこの池の主は、大きなコイだといわれている。

周辺に残るのは太古からのブナの森。
長野では標高700m以上の山岳地に自生するサルナシも、
天然のキウイフルーツといわれる甘い実をたわわに付けていた。
真っ赤なナナカマドの実も美しい。

こうなれば、あとは魚とのやり取りが待ち遠しくなる。
友人が待っていてくれるのは、仁科三湖の1つである木崎湖。
松本清張の名作「影の地帯」の舞台になり、
市川崑監督の映画「犬神家の一族」のロケ地にも採用された静かな湖だ。

木崎湖にはワカサギ釣りをサポートしてくれるレンタルボート店がある。
透明度の高い湖水に育つワカサギは、釣って面白いのはもちろん、
空揚げやフライで楽しむと香りも味も抜群である。

この釣りが得意な友人は、
朝から両手に1つずつワカサギ釣り用の電動タックルを持つ「二刀流」で、
もう600尾以上を釣っていた。

一度岸まで迎えに来てもらい、
船団ができている水深11~12mほどのボート店からも近いエリアを目指す。
さっそくエサを付け、仕掛けを下ろした。

小さなハリに付けたエサが水中でワカサギにアピールするように誘いを入れる。
すると繊細な穂先が震えた。

巻き上げスイッチを入れると、
小気味よい抵抗を感じたのちに、透き通るような魚が連なってきた。

木崎湖周辺の紅葉は、例年、白馬三山や鎌池よりも半月ほどは遅い11月に入ってから。
ワカサギ釣りはその頃も楽しい。
この日も夕方までたっぷり、信州の自然と友との会話に時を忘れた。

木崎湖のワカサギ釣り情報

木崎湖のワカサギ釣りは、禁漁期がなく通年楽しめる。その中でもレンタルボートを使った秋のボート釣りは人気で10~11月がハイシーズン。冬はドーム船の釣りが楽しめる。
  • ● 解禁期間:通年
  • ● 入漁料:日券1000円(中学生500円。小学生以下無料)、年券4000円
  • ● 貸しボート問い合わせ先:モダンボート(TEL:0261-22-1332)
    https://www.kizakiko.jp/wakasagi/

今回登場したクルマ:フリード

※このコンテンツは、2018年10月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※掲載されている写真は事前に許可を得た場所で撮影を行ったものです。