• 釣り方 :
釣り方

主役はカワムツ。
他の魚もねらえる

「川ムツング(カワムツング)」とは、身近な河川で小型の淡水魚をねらうルアーフィッシングのこと。主な対象魚は、名前のとおりカワムツだ。理由は魚の性質にある。カワムツと似たような川の小魚には、ウグイオイカワアブラハヤ、タカハヤ、モロコなどがいるが、いずれも一般的にはエサ釣り(もしくは蚊バリなどの小型毛バリ)の対象魚だ。しかし、カワムツはこれらの魚の中でも、明らかにルアーへの反応がよい。その点では、ハスニゴイといった、ルアーフィッシングの対象魚になっているもう少し大きなコイ科の中型魚に通じる性質を持っている。ただ、ほかの小魚の中にも、オイカワのようにルアーにも反応するものがいて、モロコ(タモロコなど)も小型ルアーへの反応がかなりよいことが分かってきた。まずはカワムツで始まった釣りだが、他の対象魚でも楽しめる可能性が広がっている。

仲谷 聡さん
仲谷 聡さん
大阪市在住。子どもの頃から海川問わず多くの釣りを楽しむ。釣り具の製造・販売・卸売を手掛ける会社に勤務。近年はタナゴ釣り、ワカサギ釣り、ハスのルアーフィッシング、アユのルアーフィッシングなど、淡水域の魚をねらう釣りによく通っており、その中で「川ムツング」の手軽さや面白さに新鮮な魅力を感じている。

カワムツ、オイカワ、モロコの習性

カワムツ

カワムツは西日本(富山県および静岡県の天竜川水系以西の本州、四国、九州)に広く分布。釣りでねらう大きさは10~15cm程度。河川の上流域~中流域に見られ、淵などの比較的流れの緩い場所を好む。ただし水温が上がる夏場は流れの強いにも入る。動物食性の強い雑食性で、水生昆虫、陸生昆虫、甲殻類を捕食するが、藻類や水草を食べることもある。川に姿が多く見られるようになり、釣りがしやすいのは5~10月。5~6月はオスが鮮やかな婚姻色に染まり、ルアーへの反応も特に強い。冬場も見える魚がいれば釣ることはできる。近年は東日本の川にも分布が拡大している。エサを取る場所をめぐってカワムツ同士で争うことが知られており、そうした性質からルアーにもよく反応すると思われる。

オイカワ

カワムツとよく似た習性や分布域を持つのがオイカワ。身近な川の小魚として、各地でエサ釣りや蚊バリ釣りの対象魚になっている。カワムツほどルアーに強く反応することはないが、混生する川では一定の割合で釣れる。

モロコ

そのほかにルアーへの反応がよい点で注目されるのがモロコの仲間(タモロコなど)。場所によってはカワムツ並みの積極さでルアーを追い掛ける。
※このコンテンツは、2022年3月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。