例年、ゴールデンウィーク前くらいから好機に突入し、梅雨に最盛期を迎えるのが江戸川や荒川、多摩川といった都市河川の
テナガエビ釣りです。子どものころ、
スルメイカのザリガニ釣りに夢中になりませんでしたか?
ザリガニ釣りの場合、ハリを用いないので、相手が危険を察知してエサを離してしまったら、そこでゲームオーバーになります。
しかし、テナガエビ釣りにはハリを用います。
アワセが決まるとハリがテナガエビの口もとにしっかりと掛かり、相手が尾を躍動させて逃げようとしても、簡単には外れません。むしろ、テナガエビがどうにか逃れようと暴れれば暴れるほど、それは小気味いい引きとなって手もとに伝わってくるわけです。
ただし、テナガエビの口もとはとても柔らかく、強引にやり取りするとハリがスッポ抜けてしまいます。向こうの出方をうかがいながら、なだめすかす駆け引きが求められます。荒磯の
イシダイ釣りや外洋のマグロ釣りのような豪快さはありませんが、この妙味を知ってしまうと、たいていの人は病み付きになってしまうんです。