- 選出の心
- N-ONEはN BOXの簡易版小型版かと思っていたmusicallaboさん。しかし、全く違うコンセプトで作られていることを知ってツアラーを試乗してみたところ、軽自動車とは思えない走りを気に入られたとのこと。走り、デザイン、安全性を決め手にご購入いただき、とにかく乗ってて面白い車だとN-ONEに大変満足していらっしゃる様子のmusicallaboさんに、6月の家族会議大賞をお贈りします。おめでとうございます!
- Honda車とのかかわり
私の子供の頃は、一家に一台車を持っているような時代ではありませんでした。その頃、街中を走る真っ赤なN360は憧れの車でした。私はN360のプラモデルを作りながら、「いつかはこんな車に乗れるようになりたい!」と思っていました。
Hondaに初めて乗ったのは、高校生の時、四輪ではなく、スーパーカブ。その後、オフロードのXL125、オンロードのCB125と乗りました。
そして四輪の最初は、シティ。運転席の高さが気に入りました。父のプレリュードも借りて乗っていました。よく走り、燃費がいい。そしてデザインがいい。モビリオの欧州路面電車風デザインも気に入っていました。バイクレース、F1で培った技術力が日本の誇りでした。
そしていま、私の家族は、妻、娘、息子、娘婿、全員Honda車です。駐車場にずらーっと並ぶとHのエンブレムが壮観です。
実は私の妻はHondaのパーツセンターで部品発注の仕事をしていました。子供が生まれて仕事をやめましたが、Hondaで働いていたことは我が家の誇りなのです。唯一心残りなのは、本田宗一郎さんがパーツセンターを訪問した時、妻は倉庫でパーツを捜しており、会うことができなかったことだそうです。
そんな我が家のクルマの買い替えは、Honda車しかありません。働いていて会社の理念、Honda車のよさを知っているからです。どんなに古いパーツの発注も受けていたそうです。もちろんN360のパーツも。
ちなみに今回の購入でもお世話になったディーラーの担当の方は、モビリオからのお付き合いです。妻も息子の車もお世話になりました。もともと整備のお仕事をされた後、営業をされていらっしゃるので、車にお詳しく、いろいろ相談に乗っていただいています。車の将来について、お話をさせていただく中、ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車の話になって、ご自身がエンジンが好きでこの業界に入ったというお話を伺い、ガソリンエンジンの面白さを感じました。
ミュージカルの劇団をやっているので、何年後かに、車に携わる人々のミュージカル作品を書いてみたいと思っています。
- 「これはもはや軽ではない」。それが第一印象でした
モビリオを10年乗ったので、そろそろ乗り換え時かなと考えていました。候補の一番は、フリード。ミュージカルの劇団をやっていて、録音機材や大道具、小道具を運ぶ必要がありました。モビリオの後継車とも言われるフリード。次はフリード ハイブリッドと考えていました。
ところがその選択枝の中に入ってきたのが、N BOXです。軽自動車ながら、かなりのものが積めることが魅力でした。モビリオは7人乗り。子供が小さかった頃は、7人乗りが重宝しましたが、子供も独立し、普段は夫婦しか乗りません。乗用車である必要はないなと感じていました。
そこに三番目の選択枝として入ってきたのが、N-ONEです。「いつかはこんな車に乗れるようになりたい!」。N360のプラモデルを作っていた小学生の頃の心が甦ったのです。
ただ気になる点がありました。妻はライフに乗っています。私が軽自動車を購入すると軽が2台になり、高速道路で遠出できるのか? 劇団の録音機材は積めるのか?N-ONEのデザインは魅力的だか、走りはN BOXの廉価版ではないのか? しかし、インターネットや雑誌の記事、評価を読み、この車がまったく新しいコンセプトで作られた車であることが分かりました。
そしていよいよ試乗です。N BOXほどではないが、フラットにすれば、機材の積み込みはできるなと感じました。タイプは、高速道路に乗るために、ツアラーしか頭にありませんでした。出だしこそ軽かなというエンジン音でしたが、2000回転前にターボが効き、鋭い出足。「これはもはや軽ではない」。それが第一印象でした。燃費のことを考えるとGも考えられますが、他社のように小数点以下の燃費競争をせず、堂々と走り、安定性、安全性でモノづくりをしたN-ONE。これに決めました。
いま、毎日の通勤、後は高速道路に乗っての遠出、劇団の道具運搬として活躍しています。生活のすべてに関わっています。
- 決定の決め手!
走り、安全性、安定性、デザインとどれも気に入っていますが、何色を購入するかで少し考えました。N-ONEを象徴する色はビビッドな色だと思っています。無難な色は止めました。まず見た目に元気の出る色、最近歳のせいか。駐車場に置いた自分の車が分からなくなる時があります。そこで、周りに同化しない目立つ色にしようと思いました。そして選んだ色はイノセントブルー・メタリック。家の前に止めていると、「息子さんの車ですか」と言われるほど若々しい色です。今回のカラーデザイナーの方がこだわった色だそうです。広い郊外型大型店舗の駐車場の中でも、一際輝き、すぐ見つけることができます。夜になると正面のライトとHのエンブレムがうっすらと点灯します。このタヌキみたいな顔が実に可愛いのです。
それに何より走り、特に出足です。レースで勝負するわけではありません。エコ運転のことを考えると日々の生活で出足がそれほど重要かどうかと思われますが、車の出足は安全にも関わってきます。ほんの一瞬の出足のスピードで、事故を回避することができます。瞬発力が大事なのです。それから、走りの安定性です。高速道路での一定速度の走りに無理がなく、実にすがすがしい気分になります。
N360に乗りたいと思っていた気持ちが今に繋がっているとすれば、私にとってクルマはオモチャなのかもしれません。今の若者のオモチャがスマートフォンで、車離れしていると言われますが、車が移動手段という意味合いだけなら、公共交通機関を利用すればいいでしょう。自分のクルマに乗りたいという気持ちには、遊び心が必要です。本田宗一郎さんは、自分のオモチャを作っていたのではないでしょうか。面白いオモチャを作りたいという人と面白いオモチャを紹介したい人と面白いオモチャで遊びたいという人のつながり、これがクルマなんではないでしょうか。
私はこれまで一人で乗る時以外は、妻に運転を任せていました。助手席に乗るのが好きなのです。周りの景色を見たり、音楽を聴いたりします。N-ONEに乗り換えては、ほとんど自分で運転します。運転していて面白い車なのです。エコ運転あり、クルージングあり、パドルシフトありと様々な運転があります。N-ONEは、私の遊び心をくすぐるオモチャです。だから自分で運転したいと思うのです。
今後は、せっかくツアラーを選んだのですから、このクルマで遠出がしたいですね。インターナビの性能もよく、迷わず目的地にたどり着けるでしょうが、その道中、偶然であった人、街、自然を味わいたいと思います。当分はN-ONEと一緒に暮らしますが、次世代にどんな面白い車をつくるのか、Hondaに期待しています。