選出の心
前車エディックスの修理の見積りの際、インサイトを薦められたことから始まったす〜にゃんのパパさんの車選び。その中で出会ったフィット シャトルに昔憧れたアコードエアロデッキの面影を見、また、宇宙機が大好きなため「シャトル」の名前に運命を感じて、ご購入に至りました。今では、そうして決めたフィット シャトルでの運転を楽しんでいらっしゃるす〜にゃんのパパさんに、2月の家族会議大賞をお送りいたします。おめでとうございました!
過去の憧れとの邂逅
Hondaの名前を聞くと、我々の世代にとってはモータースポーツのイメージは切り離すことができません。だからたとえコンパクトカーやSUV、ミニバン、軽自動車であっても、そのイメージが反映されているかのようなスポーツテイストなHondaデザインが大好きです。ジャンルは違えど、ほかとは違う発想で、主翼上にエンジンを配置したおかげで、色気を感じさせるHondaJetのデザインも印象度UPです。デザインを仕事とする私にとって、まず車に求めるものはカッコいいデザイン。たとえ機能性や経済性が優れていても心ときめくデザインがなされていない車には興味を持つことはありません。だからこのフィット シャトルを次の愛車に決めたのも、まずデザインに惹かれたからです。

しかしながらデザインだけで買えればいいのですがもちろんそうもいきません。妻がどれだけ納得するかが重要です。実のところ、こだわりのある私より妻のほうが、車を運転する時間は長いのです。そして財布を握っているのも妻。だから今回購入に至っては、まずその最初のステップであり大きな壁の「妻の財布が開きかけているかどうか」があったのです。

それまで7年間連れ添ったHondaのエディックス。この車は一人娘の「前で3人並んで乗れる」、妻の「6人乗れる」、そして私の「リアウインドウの傾斜が途中からぐぐっと折れ曲がっているデザインが素晴らしい!」との理由で7年前に購入したのですが、そんな前3席並びなんていう特異な車に代わるものが現われずに「まだまだ乗り続けるよーっ」と思っていました。ところが破損部修理の見積もりにディーラーに行ってきた妻が「インサイトを薦められた」と言ってきました。
それほど買い替えには乗り気ではなかったのですが、確かにインサイトはかっこいい。インサイトのパトカーを見るたびに、まるで特撮ヒーロー物の撮影かと思うくらいのデザイン。妻の財布が少し開きつつあるようですし、成長した娘も「後ろの席でもいいよ〜(それはそれでちょっとさびしい父の心ですが…)」と言うので、この機を逃すまいと、久しぶりにディーラーに車を見にいくことにしました。そして、そこで初めて実車を見にしたのがフィット シャトルなのでした。

車の運転免許を取る少し前、憧れていた車が何台かあり、その中の1台がHondaの「アコードエアロデッキ」でした。幼い頃、スーパーカーブームの時から、フロントよりも「斜め後ろ」のデザインに心惹かれるタチで、子どもたちに大人気だったあのイタリアのスーパーカーも、跳ね上がるドアよりも車とは思えない奇抜なリアスタイリングが大好きでした。そしてそんな私の好みに、あまりにも直球ど真ん中な車が「アコードエアロデッキ」なのでした。それ以来どうもセダンのバリエーション展開的(…と自分では思っていた)に、後部を伸ばした車に目がいくようになり、歴代のアコードワゴンやアヴァンシアと羨望の眼差しを向ける相手が移って行きました。といっても車選びはその時のライフスタイルや経済力、そしてなにより縁によるものなのでどれも購入には至っていませんでしたが…

そんな私が出会ったフィット シャトル。その時心の中で叫んだ一言…「エアロデッキだ!!」
はるか過去の憧れ。あれだけ好きだったにも関わらず時々にしか思い出すこともなく、当然稼働している実車を見ることもなくなっていたアコードエアロデッキが今、目の前にある!
「え〜似てないよ〜」と多くの人に突っ込まれそうですが、私が持つアコードエアロデッキの印象を再現した形がこのフィット シャトルの形なのでした。もう、その後半セクションのデザインにうっとりです。私が、車以上に好きな航空機を思わせる大きな三角窓から続くなだらかなルーフラインと、それを絶妙なあんばいで断ち切り、スルっと地面に落とした最後部のデザイン。そして見なれたフィットの顔つき…と思いきや、その延長された後部とバランスをとるためか、前部も少し長く整えられている芸の細かさ。デザインだけで購入できるのならこの時点でお買い上げ!です。
出会うべくして出会った運命
しかしながら、今まで1.8L未満の車を所有したことはなく、正直言うとコンパクトカー転身はひっかかるものがありました。そこでとりあえず試乗させてもらうと…
すみません… m(u_u)m 舐めていました。
外見からは想像できないほど、騙されているのかと疑いたくなるほどの広い車内。あれだけ横幅があるエディックスですが、3人並びを実現させるためにギリギリまでドアに寄せられた前席に慣れた私には、むしろコンパクトカーであるはずのこのフィット シャトルのほうが広く感じるくらいです。
そして走り出してみると感じる驚きの加速力。特にエコモードを解除してアクセルを踏んだ時のモーターの効果は絶大で、するするみるみる加速していきます。このよどみない加速はまるで…シャトル…
「シャトル」その単語の意味は往復を繰り返すものとありますが、やはり思い浮かべるのが大型宇宙往還機スペースシャトル。

実は私、宇宙機オタクなんです。スペースシャトルや国産ロケットの打ち上げの度に興奮し、国際宇宙ステーション建設に夢を抱き、「はやぶさ」帰還に涙を流し、今も宇宙を往く「あかつき」「IKAROS」に想いを馳せる…そんな私にとってこのフィット“シャトル”の名…そしてエアロデッキとの邂逅。これはもう出会うべくして出会った運命!とばかりに、商談中、いつの間にか妻が薦められた本命であったはずのインサイトが消え、フィット シャトル1本になっていました。
セールスの方からより良い条件を引き出すために、T社から出る予定のハイブリッド車をあて馬にするなどしてフィット シャトル本命!の気持ちを隠してはいたのですが、その間にも「スペースシャトルのミッションマークのステッカーを貼ろう」などと納車後のことまで妄想しながらの商談でした。

1.5Lのパワーも魅力だけど、やっぱりせっかく買うんだからハイブリッド。ナビは必要だし…ウチの駐車場は確認しにくいからバックモニター…それにあれこれ…と、一旦購入に動き出すと物欲が刺激されてナビセレクションに決定。
色は当然ハイブリッド専用色のグリーンオパール・メタリック…と思ったのですが、娘の「私のゲーム機に似ている」というなんだかよくわからない主張によりホライゾンターコイズ・パールになりました。
さて納車は…「えっ…そんな待つの…」
ああ…人気車だし…しょうがないか…

納車までは、それはそれは長く感じられました。その間も「ちょっと早まりそう」「未定に…」「大きく遅れそう」「早まるかも」と、まるで一昨年の小惑星探査機はやぶさ地球帰還時のように一喜一憂のドキドキ感を味わいました。
決定の決め手!
まずデザインです。それからスムーズな走り。
念願の納車を迎え、早速、我が家恒例である初春の南房総いちご狩りドライブに出かけて来ました。その行程のほとんどにおいてキビキビとした加速感を感じることができ、クルーズコントロールの便利さに感心しました。
そして、そのスムーズな走りも満足ですが、それ以上に気に入ったのが座り心地と触り心地がいいシートです。このシートは、新素材の革によってサイドがかっちりとしていて、姿勢が決まりやすくとても気持ちのいいものです。そのシートと組み合わされる、革巻きで小ぶりなハンドルでの運転感覚は、以前所有していた2ドアスポーツクーペが思い出され、運転の楽しさを久しぶりに感じることができました。
ナビのリンクアップフリーも以前の携帯電話を接続する(そして接続料金をとられる)わずらわしさから解放されてとても便利。
娘の意見に従った結果になった色ですが、このホライゾンターコイズ・パールは光の具合によって緑〜青〜紫とエッジごとに変化を見せ、とても美しく、この色に決めた我が娘“グッジョブ!”。納車されて2カ月がたち、新車の匂いも薄らいできた今でも出かけるのがとても楽しみな車です。

この車に乗るようになってからは、何年かぶりに家族での用事では無くひとりでぶらりと、ちょっと遠いカー用品店にプチドライブ(ひとりだからオーディオから流れる歌なんか口ずさみながら)する楽しみができました。

もしかするとこれが最後の内燃機関による愛車になるかも知れない… いや…それよりも次乗る車は、娘も運転するようになるはずだ…(汗)…
などと先のことを考えながらも、今可能な範囲での最善の選択ができたことに喜びを感じている毎日です。