ライディングポジション

　アメリカンカスタムモデルはライダー、つまり人間が主役です。走り去るバイクのどこが印象的か。アメリカンカスタムはライダーが最も印象的に映えることからも、私たちは今まで以上に主役である人間の乗車姿勢の格好良さを追求しました。足を投げ出し、両腕を前に突き出したスタイル。ひざの絶妙な曲がり具合や、背を丸めてフラットバーを握るイメージがポイントです。つまり、Ｓｈａｄｏｗ Ｓｌａｓｈｅｒのローダウンしたスタイリングとライディングポジションのイメージを一致させることを狙いとしました。

　Ｓｈａｄｏｗ Ｓｌａｓｈｅｒは、ローアイポイントでの地面を肌で感じるダイレクト・ライディングフィールを追求。足着き性のよさからくる安心感はもちろん、停車時の足のラインとローダウンしたフォルムとのマッチングも視野に入れて設定しています。結果としてカテゴリーＮｏ．１の低シート高、６４５ｍｍを実現しました。
　シートには、座面形状が三角形で腰のサポート形状が大きく、さらに比較的薄肉に見えるガンファイタータイプを採用しています。このシート形状は、パルス振動をライダーの腰に効果的に伝えることも狙いました。デザイン的には、表皮パターンを前後で変化をつけたシングルシートイメージとしています。乗り心地をスポイルすることがないよう、クッションボリュームの配置にも工夫しています。座面中央部のクッション厚を８５ｍｍとほかのアメリカンカスタムモデル並の厚みを確保するとともに、座面が立ち上がる背当て部は部分的にクッション抜きを行い、ポジションの前後の自由度を確保しました。
　またステップは、ラバーマウントのステップホルダーが不快な振動を抑えるよう調整を施しています。