STAND UP TACT - 1989.03

STAND UP TACT
STAND UP TACT
 
はじめに

 ホンダは、より多くの人に愛されるバイク造りをめざし、優れた基本性能に加え、軽便で経済的にも優れた製品を開発してまいりました。
 とりわけ50ccスクーターの分野では、基本要素である簡便さの追求を課題として研究を重ねてまいりました。その成果として、今までにも、容易な始動性が得られる「セルスターター」や「自動チョーク機構」、そして、スムーズな走行性を生む「自動変速機」(無段階変速Vマチック)、さらに日常の保守性を軽減する「無接点式CDI点火装置」、「自動開閉式燃料コック」、「密封式バッテリー」など、数多くの機能を採用し、扱い易い乗り物としてのスクーターの特性を、より発展させてまいりました。さらに日常の利便性を高めるために、メインスイッチ一体式のハンドルロックや、ボディ内部にヘルメットをも収納できるスペース『メットイン機構』を積極的に採用するなど、使い勝手も一段と向上させてまいりました。
 そしてこのたび、駐車時のメインスタンド操作をキーを回すだけで簡単に行える画期的な機構として、世界初の「電動式オートスタンド」(スタンドアップ機構)を開発致しました。この機構は、軽量・コンパクト性を求められるスクーターの特性に合わせた構造にするとともに、少ない消費電力で作動するよう研究を重ね、完成したものです。この『スタンドアップ機構』は、毎日毎回の駐車のわずらわしさを大幅に軽減する、使う人の立場に立った機能です。
 新しいタクトは、この『スタンドアップ機構』に加え、メットインスペースの容量アップ、新型の高性能6馬力エンジン、より快適な走りを生む足廻りなど、スクーターの利便性をさらに広げる数々の機能を強化しながら、なめらかで調和のとれた個性的なスタイルに仕上げています。




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