SUPER HAWK III - 1980.07

SUPER HAWK III
SUPER HAWK III
 
“走り”を求めたスーパースポーツの極致

走りを極めるツインエンジン

スーパーフォークIIIの瞬発力のすぐれた走りは、数々のすぐれたメカニズムをもった、軽量、コンパクトな、しかも巾をとらないホンダのツインエンジンから生れます。

ビッグボア・超ショートストロークによるふきあがりの良いシャープなレスポンス。しかも、2軸バランサーによって、振動の少いなめらかな回転を可能にしました。

強力なパワーは、燃焼効率を高めて、ガス圧をムダなく使うこと。燃焼室の表面積を小さくし、燃焼温度を下げないこと。そして、吸・排気効率を高めることなどから生れます。

このツイン・エンジンは3バルブで、吸・排気効率を高めるだけでなく、プラグを燃焼室の中心に近づけることができ、スワール効果とともに燃焼効率をより高めています。

ツインエンジン  
ツインエンジン
混合気は、左右逆方向に回り、良く撹拌され燃焼効率の向上に寄与します。

ホンダ独自のニューテクノロジー《3バルブ》
ホンダ独自のニューテクノロジー《3バルブ》は、プラグを効率の良いセンターに近くレイアウトすることができ、燃焼効率に大変すぐれています。

100PS/Lを実現しながらも、
低速域で乗りやすいエンジン特性
それは独創的なテクノロジー《パワー・チャンバー》です。
2気筒が交互に発する排気の脈動と流速を利用するため、2本のパイプをまとめ、たがいに“吸い出し効果”を発揮させる箱——すなわち、パワー・チャンバーをつくる、というアイデアなのです。
まず、高速回転時にベストマッチングするチャンバー内のパイプの長さを与えて、ハイパワーを得ます。一方、中低速では、パワー・チャンバー内に生じる脈動を利用した吸い出し効果で排気を加速し、スムーズに排出させて排気効率を高めるのです。さらにパワー・チャンバーに挿入されているパイプに開けられた横穴も、トルクアップの秘密です。この穴を設けることで、長いパイプの効果に短いパイプの効果をプラスする“可変長”的な役割りを果させているのです。しかも、その穴の大きさで、また数で、エンジン特性を変えられるほど重要なもの。これは、ホークエンジンぴったりに設定され、望みどおりのトルクカーブを得ることができ、そのため、中低速でも乗りやすいエンジンとなっているのです。

パワーチャンバー断面図
ホンダが先鞭をつけたパワーチャンバー断面図




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