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爽快な走りを楽しむために、充分なパワーとクイックなレスポンスを持ち、
操る人の感覚にリニアな2.2L自然吸気エンジンを搭載。
さらにType Sには、吸排気抵抗の低減をはじめとする高出力化テクノロジーにより
2次バランサー搭載エンジンとして初のリッター当たり100馬力、
最高出力220PSを誇る専用エンジンを新開発しました。
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痛快な伸び、高回転域での圧倒的なパワーフィーリング。
エンジンを回すよろこびを徹底追求したType S専用エンジン。
低回転域から高回転域までストレスなく一気に吹け上がる爽快感。そして、全域にわたるさらに力強いトルクにより、ワンランク上の走りの性能を追求するType Sのために専用開発した、高出力エンジンです。
高性能自然吸気エンジンとしてきわめて高い評価を得ているSiRの2.2L DOHC VTECエンジンをベースとし、さまざまな専用チューニングを施すことで、量産エンジンとして極限ともいえる高性能化を実現しています。
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エンジン性能曲線図(Type S)

*「NET(ネット)」とはエンジンを車両搭載状態とほぼ同条件で測定したものです。 |

Type S専用 2.2L DOHC VTEC
型式 H22A
総排気量 2,156cm3
最高出力(ネット値*) 220PS/7,200rpm
最大トルク(ネット値*) 22.5kgm/6,500rpm
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リッター100馬力を実現した
Type S専用エンジンの高出力化テクノロジー
高出力の自然吸気エンジンから、さらに高い出力を引き出すには、吸排気効率、熱効率といった基本性能を向上させる地道なアプローチが必要となります。
Type S専用エンジンは、ホンダがレースへの参戦などで長年磨き続けてきた高出力化テクノロジーを採用。吸気ポートの手動研磨など通常の生産ラインでは実現できない、繊細なチューニング技術などの導入により、圧倒的なパワーを実現しました。 |
吸排気効率、燃焼効率の向上。
ペントルーフ形状とセンタープラグ方式の採用、またコンパクトな燃焼室とすることで10.6という量産世界最高水準の圧縮比を実現したベースエンジンをさらに改善。ピストンヘッド形状を変更し圧縮比を11.0まで高めています。これにより燃焼スピードが高まり、熱効率が向上。全域でのトルク向上を実現しました。
また、VTECの高速バルブタイミング&リフトのセッティングを変更。吸気側を上死点前15度から下死点後45度まで最大12.2mm、排気側を下死点前45度から上死点後15度まで最大11.2mmバルブをリフトさせるという、量産エンジンとしてきわめて高い数値を実現。エンジン高出力化に大きく貢献しています。
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圧縮比アップのためのピストンヘッド形状変更図 |
SiR
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Type S
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吸気抵抗の低減。
高回転時、より多くの空気を吸い込むことでさらなるトルク向上を図るため、さまざまな吸気抵抗低減技術を採用しました。
エアインテーク入り口をファンネル形状とし、ダイナミックチャンバーを採用。スロットルボディ径を60mmから62mmに拡大。
インレットマニホールドの製造工程に使用する内壁鋳造用の中子砂を微粒のものに変更。きわめて滑らかな内壁を形成しました。またバルブシートを60度から45度に鋭角化。吸気抵抗のなかで流速向上に最も影響の大きいシリンダーヘッド吸気ポートを、1台1台手動研磨で滑らかに加工。レーシングエンジンのようなこだわりで、高出力を達成しています。 |
吸気抵抗低減のためのエアインテーク変更図
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吸気抵抗低減のための加工変更図
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排気抵抗低減のためのエキゾースト系変更図
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排気抵抗の低減。
吸気抵抗を低減し、効率よく燃焼させるエンジンチューニングは、排気効率を高めることで完結します。
まずエキゾーストマニホールドは、スペース効率上外径を維持しながら入り口のボリュームを向上。それに続くデュアルポート構造の集合部は、それぞれのパイプ形状を真円化し、隔壁を15mmとすることで排気干渉を低減しています。また、径アップしたキャタライザーに続くエキゾーストパイプ径も直径50.8mmから57mmに拡大。サイレンサー流量も97L/秒から113L/秒に高めるなど、あわせて大幅な排気抵抗低減を実現しました。これにより、出力向上に大きく貢献しています。 |
高性能エンジンとして高い評価を獲得したSiR、SiのDOHCエンジンに加え、 幅広いユーザーのために、SOHC 16バルブエンジンを搭載したXiを追加。 |

2.2L
DOHC VTEC 16-VALVE
200PS/6,800rpm
22.3kgm/5,500rpm |
[SiR] VTEC+可変吸気システム採用。全域で高出力・高トルクを実現。圧倒的な加速フィールが楽しめる。
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[Si] 自然吸気ならではの爽快かつスムーズなパワーフィーリングが味わえる。 |
[Xi] 16バルブのパワフルな走りを全域で際だたせる快適クルージングのための高性能。 |

2.2L
DOHC 16-VALVE
160PS/6,000rpm
20.5kgm/5,200rpm |

2.2L
SOHC 16-VALVE
135PS/5,200rpm
19.6kgm/4,500rpm |
*「NET(ネット)」とはエンジンを車両搭載状態とほぼ同条件で測定したものです。 |
高出力とともに、優れた静粛性を実現したサイレントテクノロジー
痛快な走りのために優れたパワーを求めるとともに、至上の快適さを追求するスペシャルティ・クーペとして、エンジンの静粛性を向上させる数々の新技術を採用しています。 |
ピストン打音を低減させる新形状ピストンスカート。
エンジンを高回転に回すほどに高まるピストン打音。この音の主因として挙げられるのが、ピストン自身とシリンダーの衝突音です。
まずピストン自身の打音は、燃焼の衝撃によってピストンが変形しにくいよう、ピストンスカート部分の形状を変更。コンピュータシミュレーションによって求められた新形状により、シリンダー内でピストンが動く幅をせばめ、打音の発生そのものを低減させています。また新形状のスカートは、シリンダーから受ける衝撃をしなやかに吸収する性質も兼ね備えており、発生した打音を低減します。
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さらにピストン打音を低減させるフルフロートピストン。
ピストン打音はまた、ピストンピンまわりのクリアランス(隙間)によっても生じます。従来、ピストンとピストンピンを摺動させるために大きなクリアランスをとるセミフロート式だったため、温度の上昇とともにクリアランスが鉄、アルミの熱膨張差により拡大し、打音が発生しやすかったのです。そこで、熱膨張差のないコンロッドとピストンピンの間にクリアランスを設けることにより、ピストンとピストンピンのクリアランスを大幅に減少させるフルフロートピストンを採用。原理的にピストン打音を大幅に減少させることができました。
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フルフロートピストン構造概念図 |
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クランク打音低減のためにアルミオイルパン+一体スティフナー。
加速時のクランク打音は、エンジンとトランスミッション部の結合剛性に影響されやすいことがわかっています。そこで、まずオイルパンをアルミ化して剛性を向上。従来エンジン部分のみに締め付けていた構造を、エンジンとトランスミッションを一体として締め付ける一体スティフナー構造を採用。これにより、大幅にクランク打音を低減させることができました。
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オイルパンの変更図 |
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