軽量・コンパクト化をもたらした
90°V型6気筒エンジン。 |
V型6気筒エンジンは、直列6気筒エンジンに比べ、同じ気筒数であっても全長を短かくできる、大きな特長をもっています。NSXでは、そのV型の角度を90°に設定。通常60°か、あるいは120°が一般的ですが、クランクピンの一部を30°ひねるという手法により、全幅・全高ともに圧倒的にコンパクトな90°Vを実現。しかも、120°等間隔爆発を可能にしています。軽量・コンパクト化を図るとともに、クランクプーリーダンパーやチタン・コンロッドなどの採用とあわせて、エンジン振動も低減しています。 |
吸・排気特性に優れた、
ビッグボア・ショートストローク設計。 |
自然吸気で高出力を得るためには、多量の混合気をいかに効率よく吸入し、燃焼させるかにあります。つまり、バルブ有効面積を大きくして多量の混合気を送りこみ、その燃焼を高回転域まで効率よく行なうこと。これを可能にするのが、ビッグボア・ショートストローク設計です。
NSXは、ボア径に対しバルブ有効面積を最大にとれる、1気筒当り4バルブ方式です。しかも、φ90mmというビッグボアと78mmというショートストロークにより、高性能エンジンの基本を確立しています。そのうえで、細径バルブステムの採用で吸入抵抗を少なくすると同時に、サイレンサーのボリュームをたっぷりととり、排気抵抗も大幅に減少させています。 |
高圧縮比10.2を実現した、
ペントルーフ形燃焼室。 |
圧縮比が高ければ高いほど、燃焼時の最大圧力が高くなり、高出力化につながります。NSXは、燃焼効率に優れたセンタープラグのペントルーフ形燃焼室で、高圧縮比10.2を達成しました。
ガソリンは、RON100ガソリン専用です。そのうえで、新たにノックコントロールも採用。これは、シリンダーブロック内に設けられた2個のセンサーからの信号により、瞬時に点火時期を制御し、ノッキングを防止する新しいシステム。出力アップ、トルクアップに寄与しています。 |
|
 |
U.S.A.のガスガズラー・タックスを
すべてクリアした、低燃費。 |
スポーツカーといえども、いたずらにガソリンを浪費してはならない。
低燃費で、しかも高性能であるところに価値がある、とホンダはつねづね考えているからです。
NSXは、10モード走行燃費8.3km/L(運輸省審査値・型式E-NA1・5速車)、60km/h定地走行燃費16.0km/L(運輸省審査値・型式E-NA1・5速車)。燃費の悪いクルマには特別な税金が課せられる、U.S.A.ガスガズラー(GASGUZZLER)の基準もクリアしています。 |
あらゆる状況で、燃焼の最適制御を行なう、
信頼の、PGM-FI。 |
ホンダF-1にも採用されている、実績ある燃料噴射システムPGMFI。情報収集と制御とを瞬時に行なうクイック・レスポンスのコンピュータにより、さまざまな状況下で、つねに安定した燃料供給をもたらします。 |
総排気量:2,977cm3 |
最高出力(ネット値*):280ps/7,300rpm |
最大トルク(ネット値):30.0kgm/5,400rpm |
10モード走行燃費(運輸省審査値 型式E-NA1):8.3km/L |
60km/h定地走行燃費(運輸省届出値 型式E-NA1):16.0km/L |
ボア×ストローク:90mm×78mm |
圧縮比:10.2 |
レッドゾーン:8,000rpm |
リッター当り馬力:94.1ps/L |
リッター当りトルク:10.1kgm/L |
パワーウエイトレシオ:4.82kg/ps |
ホイールベースウエイトレシオ:0.53kg/mm |
O-100km/h:5.5sec(ホンダテスト値) |
O-400m:13.6sec(ホンダテスト値) |
ガソリン:RON100 |
|
数値はすべて、5速車です。
*「ネット」とはエンジンを車両搭載状態で測定したものです。 |
|